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【2016夏の高校野球】《宮崎観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月9日〜23日(KIRISHIMAサンマリンスタジアムほか)

都城・山本など注目投手が盛りだくさん
創立100年目の富島が初聖地へ挑む!

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●151キロ右腕・山本が君臨


 151キロ右腕、山本由伸(都城)の存在が群を抜く。春は右脇腹の違和感で登板どころか出場を回避して周囲を心配させたが、5月の合宿を挟んで状態は万全に。昨年8月の段階で150キロをクリアした上質のストレートは健在だった。解禁後は秀岳館に九州勢として初白星を挙げるなど、剛腕の片鱗を随所で披露している。ツーシーム、カットボール、スライダー、チェンジアップなど、多彩な変化球の使い手としても一段上のレベルに達した感がある。

 チェンジアップが冴えわたる160センチの小さな左腕・森山弦暉(日南学園)は、スライダーの織り交ぜ方も絶妙で、変化球で左右両コーナーを突ける制球力が頼もしい。計時以上に右打者をえぐるストレートもなかなかの球質だ。

 宮崎商時代に“怪童”と呼ばれ、現在はJR九州で活躍中の吉田奈緒貴を兄に持つ吉田寛輝(富島)。140キロを超えてくるストレートも魅力だが、なんといっても高校時代の兄を彷彿とさせるタテのスライダーだ。好調時は空振り必至の魔球と化すが、試合の中でのムラを無くし、9回をきれいにまとめられるようになれば面白い。チームメートの黒木彰真も右横手ながら力勝負を挑める。ゲームメークの力なら、エースナンバーの吉田に勝るとも劣らない。

 潜在能力なら藤谷勇介(延岡学園)の名も忘れてはならない。パナソニックでプレーする192センチ右腕、藤谷洸介を兄に持つ良血右腕で昨年夏にはストレートが143キロを計測。ここまでは消化不良のシーズンが続いているが、夏の才能開花を大いに期待したい。

 有留十季(都城工)は180センチ81キロの本格派右腕。マウンド経験も豊富で、ここぞの場面ではストレートで真っ向勝負を挑む心意気もいい。


▲山本由伸(都城)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●木村、高橋がドラフト候補に


 捕手の木村天響(富島)は長打連発の打撃力が注目されがちだが、関節の柔らかさを生かした守備力も高い。送球の正確さ、座りのよさ、フットワークなど、守備面においては九州トップとの呼び声も高い。同じ富島には打球の強さが目を引く左の強打者・粟田祥人、強靭な押し込みの力を持つ181センチ78キロの大型遊撃手・日高諒夏など豊富なタレントが揃った。

 甲子園に出場した2人の兄を持つ高橋潤(都城工)は高校通算20発。3試合連発を放った経験もある恐怖の1番打者だ。50メートル6秒2の“野球脚”も他を圧倒している。中堅手として広大な守備範囲を誇り、出塁すればどれだけ牽制をもらいながらも一発で盗塁を成功させる勘の鋭さもある。夏の結果次第では、秋の指名を勝ち取ることができそうな好素材だ。

 1年夏の甲子園で兄・智也(三菱重工名古屋)と二遊間を組んだ前田尚輝(日南学園)。兄がそうだったように野球センスの塊といってよく、巧みなバットコントロール、軽快で柔軟な二塁守備で、攻守ともに見る者を魅了する選手だ。

 昨年からチームの4番に座る崎村龍揮(宮崎工)はパンチ力と勝負強さが光る。崎村の後ろを打つことが多い築地大和は、179センチと大柄ながら、攻守ともに俊足を生かしたプレーが目に引く。


▲木村天響(富島)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●富島、日南学園を追う都城


 チームの総合力、現世代の経験値から見るに優勝争いは秋準優勝、春優勝の富島と、秋優勝でセンバツを経験した日南学園が中心になりそう。この2チームを山本由伸の都城、春4強の宮崎工らが追う展開。トーナメントが荒れれば、個の能力が高い宮崎日大や延岡学園が一気に中団から駆け上がるケースも考えられる。日南学園はセンバツ後に続出した故障者の復調具合が気になる。一方、投打とも豊富なタレントを揃えた富島にとっては、悲願成就に向けて千載一遇のチャンスが到来したといっていいだろう。

地区勢力ピラミッド

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