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《甲子園球場スタンド百景》おかしくて愛すべき甲子園の阪神ファンたち 〜応援ユニフォーム編〜


 甲子園球場のスタンドは、いつでも華やかだ。

 阪神ファンが観戦時に思いを込めて着用する応援ユニフォーム。黄色あり、黒あり、ピンクあり。色はもちろんのこと、ユニフォームに刺繍されたメッセージも個性的であり、独創的であり、まさに自由奔放である。

 しかし、言い換えれば、みんなバラバラ。全体の調和などおかまいなし。

 「自分の好きなものを着る」。悪くいうと、そういうことになる。

 他の11球団の応援ユニフォームは、ホーム、ビジターの違いはあるもののほぼ統一され、違いといえばお気に入りの選手の背番号をつけることくらい。

 ではどうして、阪神ファンはこうなのか。

 おかしくて愛すべき甲子園の阪神ファン。今回は応援ユニフォームから探ってみた。

応援する選手のユニフォームを着るのは命がけ


 阪神ファンが着用する背番号のついた応援ユニフォーム。お気に入りの選手を着用し応援するのは、ごくごく当たり前のことだ。

 ただ、このお気に入りの選手がレギュラー選手でなく、数少ないヒーローインタビューなど受けようものなら、大変なことになるのが甲子園だ。

 甲子園球場から阪神電車の甲子園駅までは、数百メートルの距離。この間を移動するときに少なくとも5、6人の人から声がかかる。

「今日はありがとう」

「明日も頼むわ!」

 このくらいなら、愛想笑いで済む話しだなのだが……。

「うわっ! 握手してぇ〜」

「ユニ、触らしてぇ〜」

 大阪のおばちゃんが、見境もなくやってきて、触っていく。

「俺はビリケンさんやないわ!?」

 こう言い返したくもなる(ビリケンさんとは、大阪の通天閣にある像で、足を掻いてあげるとご利益があると言われている)。

 反対に、お気に入りの選手のミスで負けたなんてことになれば、気づかれないように応援ユニフォームを脱いで、球場を後にしないと「えらいこと」になるのは想像できよう。

 選手とその選手を応援しているファンは完全に「イコール」という方程式が、なぜか阪神ファンには成立しているのだ。

応援ユニフォームを着込めば戦闘モードで気合十分


 阪神ファンの応援ユニフォームへの愛着はこんなところにも表れている。

 交流戦の日本ハムとの一戦、札幌ドームで開催されれば、多くの阪神ファンが空路で札幌入りする。

 土曜日の札幌でのナイトゲーム。関西国際空港には、午前中から阪神の応援ユニフォームを着たファンが勇ましく闊歩する光景が見られる。

「まだ、何時間もあるのに、こんなところから着ていかんでも!?」

 普通ならそう思いたくなるが、気合十分な心情もわからなくもない。

 野球観戦! これだけ楽しめれば、飛行機代も安いものだろう。もちろん、ナイター後の「すすきの」の街も、阪神の応援ユニフォームで溢れかえることはいうまでもない。


個性的で他とは違う阪神ファン


 今も昔も変わらぬプロ野球人気。最近は12球団すべてに熱狂的なファンがいて、各球場では思い思いの応援で盛り上がる。

 そのなかにあって、個性的で、何かがほかとは違う阪神ファン。

 おかしくて愛すべき甲子園の阪神ファン。応援ユニフォームについてのあんなことこんなこと。

 振り返ってみると……、やっぱり阪神ファンは面白い。


文=まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。

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