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中日、奇跡のCS出場なるか!? 2011年の西武から学ぶ下剋上の方法とは

ペナントレースも残り30試合前後となってきた。現状Bクラスに沈むチームのファンは、早くも秋風を感じているのかもしれない。だが、ちょっと待ってほしい。過去には絶望的な状況に追い込まれながらも、逆転CS出場を決めたチームが存在する。2011年の西武がそれだ。


最大借金15を背負うも、残り38試合で完済どころか貯金1でフィニッシュ!


この年の西武は開幕から投打がかみ合わず低迷。7月中旬には9連敗を喫し最大15の負け越しを背負うと、8月終了時でも42勝57敗5分のマイナス15とその数は減らず。閉幕まで38試合を残した時点で、リーグ最下位をさまよっていた。

だが、ここからの反撃が凄まじかった。9月は10連勝を含む月間19勝を挙げ、8割近い勝率(.792)をマーク。最後は残り3試合で1つでも負けたら4位確定となる中、1勝2分で乗り切り逆転CS出場へ。全144試合終了時点の成績は68勝67敗9分。見事にマイナスをプラスに転じた。

スタメンの固定と強力なリリーフ陣の形成がカギ


では、なぜ西武はここまでの下剋上を成し遂げられたのか。理由は2つ考えられる。ひとつは「スタメンの固定」、もうひとつは「強力なリリーフ陣の形成」だ。

9月に入ってからのスタメンを確認すると、栗山巧、原拓也(現・オリックス)、中島裕之(現・オリックス)、中村剛也、ホセ・フェルナンデスの1〜5番はほぼ変わっていない。10月以降は6番・浅村栄斗も固定されていた。

打順が固定されると、役割も明確になる。この時は栗山が出塁し、原が得点圏に送り、クリーンアップで得点を挙げるという役割がはっきりとしていた。結果として、9月の1試合平均得点は5点オーバー。10月もリーグトップに等しい4.57点を挙げ、スタメンの固定化は成功した。

また、リリーフ陣は10月の月間防御率0.94をマーク。上記の残り3試合を1勝2分で乗り切ったのは、彼らの働きが大きかった。新人ながら抑えを担った牧田和久をはじめ、岡本篤志、ミンチェ、グラマンの踏ん張りで逆転CSを呼び込んだ。

今年、下剋上を再現するのはあのチーム!?


今年のペナントレースに話を戻すと、セ・リーグ5位の中日がこの時の西武とチーム状態が近い。中日は8月14日に最大借金18(43勝61敗2分)を背負いながらも、その後1敗を挟んで6連勝と4連勝を果たし、現在は3位・巨人から4.5ゲーム差(8月27日現在)につけている。

ある程度のスタメンの固定と、長年懸念されていた正捕手の一本化(杉山翔大)。先発要員の山井大介がブルペンに回ったことで生まれた、余裕のある投手起用。これらが好調の要因だと考えられる。奇しくも4年前の獅子たちと似た状況を持つ強竜軍団は、残り試合で奇跡を起こせるか。

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