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◎今週の野球みどころランキング[2月4日(月)〜10(日)]

 お久しぶりの『今週の野球みどころランキング』は、まずは1月の主な出来事を振り返ります。後半は今後の簡単な野球界のスケジュールとプロ野球キャンプ地情報をまとめて紹介します!

侍ジャパンの背番号決定&各国代表に日本ゆかりの選手
―――WBC

 1月30日、WBC開幕を控える「侍ジャパン」の候補33選手の背番号が決定しました。大筋、球団で付けている背番号を背負う選手が多かったようですが、重複した番号も。杉内俊哉(巨人)、涌井秀章(西武)、前田健太(広島)、田中将大(楽天)の4名が重なった「18」は最年長の杉内に渡り、涌井は11、前田は20、田中は17を付けることが決まりました。その他「6」と「7」でも重複しましたが「6」は坂本勇人(巨人)が、「7」は松井稼頭央(楽天)が付けることに。メンバーは2月のキャンプを経て28名に絞られ正式な代表が決定しますが、背番号はそのまま使われることになります。いよいよ臨戦態勢といったところでしょうか。メディアのキャンプでの動向の伝え方も代表選手中心のようで、注目度はじりじり上がっているように感じます。
 また、各国代表のメンバーも固まりつつあります。日本でプレーしている(以前していた)選手の名前の候補入りの報もかなり聞こえてきています。

カナダ代表
 モルケン(日本ハム)マシソン(巨人)

オランダ代表
 バレンティン(ヤクルト)A.ジョーンズ(楽天)

韓国代表
 李大浩(オリックス)李承?(元巨人ほか)金泰均(元ロッテ)

ブラジル代表
 松元ユウイチ(ヤクルト)フェルナンデス(ヤクルト)曲尾マイケ(元ヤクルト)

台湾代表
 陽耀勲(ソフトバンク)陽岱鋼(日本ハム)

アメリカ代表
 ボーグルソン(元阪神)

プエルトリコ代表
 ジオ(元広島ほか)ディッキー・ゴンザレス(ロッテ)

オーストラリア代表
 オクスプリング(元阪神)

メキシコ代表
 エドガー・ゴンザレス(元巨人)

 日本代表同様、最終的な選考はこれからなのでしょうが、WBC本戦の舞台にNPBからどの選手が出場するかは、ケガのリスクやコンディション調整との兼ね合いなどによっては、ペナントレースにも影響も出そうです。多くは大きな負担は出ないであろう野手なので問題はなさそうですが、若干気にかかる部分です。
 この他の有力選手の出場辞退、参加決定、といった報道も少しずつ聞こえてきます。今週も見逃さず、チェックしたいです。

3名の野球人の殿堂入りが決定
――― オフの話題

 1月11日、野球体育博物館は「平成25年野球殿堂入り」記者発表を実施。競技者表彰委員会が大野豊、外木場義郎の広島出身の2氏を、特別表彰委員会が福嶋一雄氏を新たに選出し、3名の野球殿堂入りが決まりました。なお大野氏は史上初のドラフト外入団からの殿堂入りとなります。
 大野氏が選出されたプレーヤー表彰は、選手時代の実績を評価するもの。「元プロ野球選手で、引退から5年以降〜20年未満の期間」という条件に当てはまる元選手の中から、選抜された候補者に対し約300人の報道関係者が投票し75%以上得票した場合殿堂入りが決まるというもの。大野氏は323人中273票(85%)を獲得。次点はソフトバンクの秋山幸二監督で235票(73%)。秋山監督は8票の差で殿堂入りを逃しています。ほかに佐々木主浩氏(元横浜ほか)、巨人の原辰徳監督らが上位に入っていました。
 また外木場氏が選出されたエキスパート表彰は、選手の実績に加えて指導者としての実績も評価するもの。引退から20年経ったプレーヤー表彰の対象から外れた元選手を対象に、こちらは報道関係者ではなく、すでに殿堂入り果たしている元選手らが投票を行い、表彰者は決定されています。  特別表彰はアマチュア球界への貢献を評価するもので、今回は1940年代末に甲子園で活躍し「甲子園の土を最初に持ち帰った球児」として知られる福島氏が選出されました。

元プロ選手のアマチュア指導者資格取得の条件緩和へ
――― プロ野球×アマ野球

 1月17日、NPBでプレーした元プロ野球選手が、高校の野球部の監督など指導者を務める際に必要な資格について、緩和する案を高野連が発表しました。これまで資格を得るには「中学、高校で2年の教諭歴」という、教員資格を取得し、さらに実際に教壇に立つ必要がありました。この2年という期間も、99年までは5年とさらに長く、プロ野球選手が高校の野球部で指導するのは、非常に高いハードルがありました。
 今回の緩和案は、NPBと日本学生野球協会による研修(座学)を終え、学生側の審査を経て高校、大学双方の指導ができる資格が渡されるというもの。教員歴どころか、教員資格も必要なくなる大幅な緩和となります。
 そもそものプロアマ問題は、1960年に「引退したプロ野球選手のアマチュアでの選手復帰」についてアマチュア側が一定のルールを設けたことに端を発しました。これに選手の身分保障を求めるためにプロ側がクレーム。そして翌61年、中日が実業団の選手をシーズン中に引き抜くという制裁的行為(柳川事件)を行ったことで溝は決定的に深まり、互いの交流は以降途絶えていました。
 国際大会にプロが派遣されるようになった90年代頃から関係性は徐々に改善されていましたが、今回の規制緩和は“雪解け”を大きく引き寄せる決定と言えます。
 ちなみに今季より就任が決まった日本ハムの阿井英二郎ヘッドコーチは、97年よりつくば秀英(茨城)で教壇に立ち、2年後に同校に新設された野球部の監督になりました。指導に必要な教諭歴が5年から2年に短縮された恩恵を受けた指導者1人でもあります。今後プロ側との交渉を経て細部が詰まっていくと思われますが、今回の規制の緩和も、指導者を目指す元プロ野球選手の背中を強く押すはずです。

「クローズアップ得点圏内」でも取り上げました。

センバツ出場校決定
――― 高校野球

 3月22日から始まる選抜高校野球の出場校が、1月25日に発表されました。今回は第85回の記念大会のため、通常の32校に4校を加えた36校(通常の選出31校、21世紀枠が4校、東北絆枠1校)が選出。初出場は安田学園(東京)、春江工(福井)、菰野(三重)、京都翔英(京都)、岩国商(山口)、創成館(長崎)、尚志館(鹿児島)、遠軽(北海道)、いわき海星(福島)、益田翔陽(島根)の計10校に上り、稀に見るフレッシュな大会となりそうです。
 なお、東北からは2011年の東日本大震災で校舎が津波被害を受けたいわき海星のほか、仙台育英(宮城)、聖光学院(福島)、盛岡大付(岩手)、山形中央(山形/東北絆枠)の5校が出場し、これは史上最多。抽選会は3月15日に行われます。

駆け込みで大型の戦力移動
――― オフの話題

 年を跨ぎ持ち越されていた、移籍案件がまとまっています。昨年末に阪神加入が決定していた福留孝介は1月5日に入団会見を実施。長い交渉でしたが、当初から本命視されていたチームでプレーすることが正式に決まりました。背番号は8。
 そして12日、12月に決まっていた寺原隼人のFA移籍にともなう人的補償として、ソフトバンクの馬原孝浩がオリックスへ移籍することが決定。28名のプロテクト選手、今季入団した新人10選手を除く、補償対象選手のリストより、オリックスは31歳の馬原を指名しました。通算180セーブの抑えの大物選手ではありますが、昨年は右肩の手術からの復帰に費やし登板はなく、年俸も1億3500万円(推定)と安くはない額。ソフトバンクも想定外の指名だった模様です。また同じくFAで阪神からオリックスへ移籍した平野恵一の人的補償は左腕投手の高宮和也。2011年、寺原とともに横浜からオリックスにやってきた高宮ですが、再び時を同じくして移籍することになりました。
 そしてキャンプインまで10日を切った23日、日本ハムの糸井嘉男、八木智哉とオリックスの木佐貫洋、赤田将吾、大引啓次の2対3の交換が決定。互いに主力選手を出し合うオフ最大のトレードが成立しました。チームのリーグ制覇に、打者ではチーム最大の貢献を果たした糸井でしたが、代理人を立て行ってきた年俸交渉は年越し。金額面でのもつれや、MLBへの移籍希望を表明したことが日本ハムの編成方針と合わなかったと見られ、驚きのトレードが実現しました。日本ハムは、昨年先発投手がイニングを稼げずリリーフへの負荷が発生しましたが、木佐貫加入でその軽減を、また37歳を迎えた金子誠が守るショートで堅実な成績とリーダーシップが期待できる大引を獲得しました。やや地味に映るかもしれませんが、チーム最大の得点源流出で得た選手は、的確な人選と言えそうです。
 オリックスは昨年は坂口のケガもあり、人材を欠いた外野をリーグ随一の選手・糸井で埋める最高の補強に成功。前述の馬原の獲得も含め、選手の年齢には目をつぶり即戦力を獲りに行く姿勢をはっきりと見せました。中心選手の世代を考え、一気に上位を狙うシーズンと位置づけている意志を感じるトレードでした。
 彼らがどう馴染んでいくか、新天地での調整はうまくいっているか、キャンプの現地情報が気になります。

「クローズアップ得点圏内」「Weeklyなんでも選手名鑑」「ベースボールイラストレーション」にて関連記事があります。


(まとめ)
 オフ最後の1カ月もなかなかの動きがありました。馬原の人的補償での移籍、糸井を中心としたトレードなど、最下位からの再起を図るべく積極的に動いたオリックスが話題の中心に。主力選手を中心のトレードということで、日本ハム、オリックスのフロントがよく決断したものだと思います。日本球界の戦力の流動性はMLBに比べて低いと言われてきましたが、それも近い将来変わっていくのかもしれません。
 そのほか、WBC関連やプロアマ問題の歴史的な前進を予感させるニュースなど、話題にことかかない1カ月でした。


<<プロ野球開幕までの主なスケジュール>>
2月1日 キャンプイン
2月15日〜21日 WBC強化合宿 @宮崎
2月20日 WBC最終メンバー28人提出
2月23日〜3月24日 オープン戦
3月2日 19:00 WBC第1ラウンド vs ブラジル @ヤフオク!ドーム
3月3日 19:00 WBC第1ラウンド vs 中国 @ヤフオク!ドーム
3月6日 19:00 WBC第1ラウンド vs キューバ @ヤフオク!ドーム
3月8日 WBC第2ラウンド @東京ドーム (12日まで)
 プールA(日本、キューバ、中国、ブラジル)の上位2チームとプールB(韓国、オランダ、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ)の上位2チームで争う。(ダブルエリミネーション方式
3月11日 JABA東京スポニチ大会(4日間)
※この大会を皮切りに各地方で社会人野球の大会が開催される。JABA=Japan Amatetur Baseball Association
3月15日 センバツ組み合わせ抽選会
3月16日 イースタン・リーグ開幕
3月18日 WBC決勝ラウンド @アメリカ・サンフランシスコ(20日まで)
3月22日 センバツ開幕(13日間)・ウエスタンリーグ開幕
3月25日 セ・リーグ6球団合同「ファンミーティング」@東京ビッグサイト
3月29日 セ・パ両リーグ開幕戦
※時間はすべて日本時間です

※次回更新は2月12日(火)となります


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