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チームを優勝へ、自分はプロへ〜東洋大・原樹理の決意とは

【この記事の読みどころ】
・“鉄腕”ドラフト候補・原樹理が見せた、大きな変化
・エースで主将の原が、目標の2部優勝に導くことができるか!?
・東都通算100安打を達成した藤岡裕大はどんな順位でドラフト指名されるか?


 “鉄腕”という形容詞がピッタリだろう。東洋大のエース、原樹理(4年・東洋大姫路高)は10月13日時点で防御率トップの好成績を見せている。

 大学では1年から登板機会を得ていたが、主戦として存在感が抜きんでてきたのは3年秋だった。右ヒジの手術明けとあって、「どうなるかわからない」と未知数だった春は5試合に登板するも勝敗つかず。それでも先発としてマウンドに立ち、実戦を積んだという何よりの収穫があった。そんなシーズンを経て秋の大活躍に繋がっていく。

 2学年上の能間隆彰(現新日鐵住金鹿島)という絶対的エースが抜けた穴を埋めきれずにいた東洋大だが、原がその穴を十分に埋めて余りある奮闘ぶり。シーズン終盤には立正大戦で志願の2連投をし、連続完封勝利。1戦目は1安打という快投を見せた。


 しかし、それでもチームの優勝には繋がらず。最終学年も2部で幕を開けることになってしまった。

★チームを優勝に導き、そしてプロへ

 そして最上級生になると、主将に就任。野球の試合を除けば、実は人前に出ることが苦手だというが、主将と言う立場になってさらに成長した姿を見せた。

 まず開幕戦で4安打完封勝利を挙げ、3戦目にもつれた試合では2安打完封。ともに1−0での勝利と、チームを救うピッチング。続く2カード目の初戦も味方が挙げた1点を守り抜く好投を見せ、以降は先発に中継ぎにと投げ続けた。11試合中10試合に登板し、78回2/3はリーグぶっちぎりの数字。優勝の可能性が残されていた終盤での国士舘大戦は、11点のリードがありながら完投。「何があるのか分からないのが野球」と、続投への意図を説明した。全てはチームを優勝に導くためだった。

▲今春8勝を挙げ、防御率0.69と驚異的な数字を残して最優秀投手賞を受賞した原

 高校時代からバッテリーを組む後藤田将矢(4年・東洋大姫路高)は、原についてこう語る。

「大学1年から3年までの投球を見ると、自分がストライクと思ってるのに球審の判定が違ったりすると、人のせいにするような感じに見えた。エラーで出たランナーが還って来ても『俺は悪くない』とか、声には出さないですけど長年組んでいるので分かるんです。でも今年はキャプテンということで、チームが勝つには何をしたらいいのかと言うのが分かっていて、原自身のピッチングがダメな時でもベンチで野手に声をかけたり、ミスが出たときには『次もう1回打たすぞ』と声をかけたりしているのを何度も見ました。周りに声をかけるのが増えたことがピッチングに繋がったと思います。球自体が急激によくなったという風には自分は思いません」

 主将になったこと、そして昨年に優勝を叶えられなかったことに対する責任感が彼の原動力になっている。

「(登板数が多いが)これくらい行くつもりでやってきた」
「一生懸命投げるのではその辺の投手と同じ」

 冷静に、淡々と話す口調のせいもあるだろうか。彼が発する言葉には重みがある。そして勝利のために投げ続ける姿、結果を見れば自然と応援したくなってしまう。そんな魅力に溢れる原樹理が笑顔で大学野球を終えてほしいと願わずにはいられない。

★100安打達成と4番降格……

 前々回で触れた亜細亜大の藤岡裕大(4年・岡山理大付高)が7日、通算100安打を記録。2009年の中田良二(亜細亜大―中日―JR東海)以来となる快挙を達成した。

 また同日、専修大で不動の主軸を務めていたM田竜之祐(4年・鹿児島実高)が4番から外れた。守備もそつなくこなす一方、バッティングでは苦しんでいた。M田は攻守だけでなく、視野も広く気配りができる一面も光る。チャンスで凡退したバッターには、守備に向かう際に一言かけるし、ピンチを迎えた投手やエラーをした選手にも積極的に声掛けをする。打撃が苦しい時期だが、チームを支える役割を貫いてほしい。

▲連覇がかかる専修大のM田

 両者ともプロ志望届を提出し、10月22日のドラフト会議での指名を待つ。


文=山田沙希子(やまだ・さきこ)
東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速中。イベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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