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プロ選手も続々輩出! 全日本大学野球選手権大会出場の東京農業大学オホーツクってどんな学校?


 北は北海道から南は九州まで26の各連盟がある大学野球。6月6日から、それぞれの春季リーグ戦を勝ち抜いた代表校が大学日本一をかけて戦う、第65回全日本大学選手権記念大会が開幕。今年も神宮球場と東京ドームを舞台に、熱戦が繰り広げられる。

 そのなかでも、もっとも面積の広いエリアは北海道学生野球連盟だ。

 今季1部リーグに属する函館大学と東京農業大学オホーツクとの距離はおよそ600q。その移動時間はなんと10時間! マイナーリーグのような過酷さである。

部員91名中84名が道外出身


 今年の北海道学生リーグは、東農大オホーツクが全勝で2014年秋から5季連続の優勝を決めた。

 1989年の開学とともに創部された野球部は、3部からスタートしてわずか2年で1部に昇格。1994年の秋季リーグで初優勝を達成し、その後も春秋合わせて26回の優勝。2014年の明治神宮野球大会では、ベスト4進出も果たした。

 2016年5月時点で、東農大オホーツクの野球部員は91名。そのうち地元・北海道出身の部員は8名のみ。全国各地の球児達が、北の地にきて新たな野球人生を続けている。そのなかでも沖縄からやってきた選手が7名もいる。

 生まれも育ちも北海道で、老後は南の島で暮らしたいと考えている筆者から見ると、「なぜ沖縄からはるばる網走まで」と思ってしまうが、北の人間が南に憧れるように北海道への憧れもあるのかもしれない。


ホタテの荷摘みで腕力アップ!?


 しかし、憧れだけで住めるほど北海道は甘くない。冬の気温は連日氷点下。夏は涼しくて過ごしやすいが、6月でも気温が10度以下の日も!

 そんな最果ての地・網走で東農大オホーツクの野球部員は、遠征費を稼ぐために夏は農業、冬は漁業のアルバイトをするという。畑の大根堀りやサケやホタテの荷積み作業は野球の練習以上に過酷だそうで、そのお陰で腕力が鍛えられたという選手も多い。

新たなスターを見つけよう


 北海道学生リーグで最多の優勝校を誇る東農大オホーツクからは、これまで多くのプロ野球選手も輩出している。

栗山聡
(1997ー2004 オリックス→中日→オリックス)

徳元敏
(1999ー2007 オリックス→楽天)

福川将和
(2002ー2012 ヤクルト)

板倉康弘
(2002ー2003 オリックス)

小森孝憲
(2003ー2005 ヤクルト)

稲嶺誉
(2003ー2007 ダイエー、ソフトバンク)

小斉祐輔
(2006ー2015 ソフトバンク→楽天)

飯田優也
(2013ー ソフトバンク)

風張蓮
(2015ー ヤクルト)

井口和明
(2016ー 日本ハム)

樋越優一
(2016ー ソフトバンク)

 現役では飯田、風張、井口の3選手がいずれも貴重な中継ぎとして活躍している(写真は昨年の全日本大学野球選手権大会に出場した井口和明)。

 東農大オホーツクは、6月6日(月)から開催される第65回全日本大学野球選手権記念大会に出場。風張、井口らスター選手が卒業し、小粒になったといわれるメンバーの中から、明日のスター選手が誕生するか注目したい。

 東農大オホーツクは6月7日(火)、東京ドームで行われる第1試合で、東北福祉大学と対戦する予定だ。


文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年。99年ダイエー初Vを福岡ドームで観戦するなど、全国を飛び回りながら、1軍2軍問わずプロ野球を追いかけている。

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