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専修大を1部に導いた投打の立役者が強豪社会人へ〜2年後のプロ入りを目指す〜

 今秋の東都大学リーグ1部2部入替戦で、青山学院大との戦いを2勝1敗で制し、2013年春以来の1部復帰を果たした専修大。

 そのチームを支えた投手の角田皆斗[つのだ・みなと](4年・栃木工高/富士重工業入社予定)と外野手の荒木翔平(4年・横浜高/Honda入社予定)に1部昇格の要因や将来の目標などを聞いた。


▲角田皆斗(左)と荒木翔平

☆監督はいつも泣いてます

――1部昇格おめでとうございます!

角田・荒木「ありがとうございます!」

――振り返っていただきまして、1部昇格の要因は荒木選手から見てどんなところですか?

荒木「主将の小林夏樹(4年・山梨学院大付高/日立物流入社予定※軟式)が明るい性格で、グラウンドでも寮でも気を遣ってくれました。首脳陣とも円滑なコミュニケーションを取ってくれたので、チームが一体となりました。そのおかげで、“波に乗りやすい”チームでしたね」

――角田投手は3年秋までは未勝利。今春も2勝2敗でしたが、この秋に大躍進しましたね(リーグ戦6勝0敗、入替戦2勝0敗)。

角田「僕の持ち球はストレートとシンカーとフォークのみですが、そのすべてで空振りが奪えるようになり、幅が広がり、自信を持って投げられました。首脳陣の方も試合中はノビノビとやらせていただき、試合後や翌日に課題を出していただきました。とてもやりやすかったです」

――今春から就任した斎藤正直監督、長谷高成泰ヘッドコーチ、藤田康夫投手コーチの存在が大きかったようですね。

荒木「一流と言われる方たちなので、トレーニングも新鮮でしたし、キャンプやオープン戦も、目に見えての成長が一人ひとり実感できていました」

角田「(投手コーチの)藤田さんは自分の知らないことでも、よく知っていて、聞けば何でも教えてくれて、毎日が勉強でいろんなことを吸収できました。(具体的に言うと)自分は、投球フォームが汚いんですけど、“むしろ、それを売りにしろ”と言っていただいたのは大きかったです」


――今年のチームは首脳陣や4年生を中心に“熱”がすごく伝わってきました。

荒木「(ヘッドコーチの)長谷高さんも、とても熱い方ですね。監督が“今日は雨だから、室内でやろうか”と言っても、“ノックは(外で)できますよ!”とか(笑)」

――第4週の対国士舘大3回戦でのサヨナラ勝ちで、斎藤監督が目を潤ませていたのも印象的でした。

荒木「監督はいつも泣いてますよ(笑)。オープン戦での本塁打でも、うるっときていたこともありますから。嬉しさを前面に出してくれるので、選手もとてもやりがいがありました」
(角田、大きく頷く)

☆地獄の夏「やるしかないと信じていた」

――今夏の練習、特に「専大八種」という独自の強化トレーニングが厳しかったと聞きました。

荒木「きつかったです……。8種目なのですが、日によってメニューが違っていたり、バリエーションがありました。きつい中でも飽きさせない練習でした」
※斎藤監督が考案。素振りやスクワット、指立て伏せなど8種目を行うメニュー

角田「投手も野手と同じメニューをこなしたのですが、普段、スイングしないので手がボロボロになりました。野手の苦労も、よりわかりました(笑)」

――投手陣で言えば、藤田投手コーチは入替戦が終わった後、「こんなに走らせたのによくついてきてくれた」と感動していました。

角田「それも辛かったです(笑)。夏に投手陣は、1日合わせると20キロぐらいは走ってたんじゃないですかね。1200メートル、1600メートル、800メートル、400メートル。それが1セットで、それをもう何セットもやって、しかもタイム設定も厳しくて(笑)。でも、やっぱり春の5位という結果が悔しくて、走らなきゃいけないと信じてやりました」

☆目標は2年後のプロ入りと……

――社会人1年目、そして将来の目標を教えてください。

荒木「やはり1年目から活躍したいですね。そして、やるからには1番上の世界(プロ)も目指していきたいので、先輩の良いところを吸収したいですね。あとは、専大の4年生野手で硬式野球を続けるのは僕だけで、投手は角田、池田駿(ヤマハ入社予定)、長谷川悟(永和商事入社予定)が続けるので、その3人と対戦して勝ちたいですね」

角田「荒木はいつも僕の1枚上で、練習ではよく打たれています(笑)。だからこそ、東京ドーム(都市対抗)では抑えたいですし、同期の投手たちとも対戦したいです。僕も1年目からバンバン投げて、2年後のプロ入りを目指しています」


▲変則フォームから繰り出すMAX146キロのストレートにキレ味鋭いシンカーやフォークを織り交ぜ、今秋大活躍した角田皆斗。都市対抗準優勝の富士重工業(群馬県太田市)に進む。期待する後輩は投手の平間凛太郎(2年・山梨学院大付高)。


長打力のある右打者として相手投手陣の脅威となった荒木翔平。その素質は高く評価されており、関東の強豪・Honda(埼玉県狭山市)で1年目からの活躍を目指す。期待する後輩は外野手の森澤翼(3年・前橋商高)。


■プロフィール
写真・文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』随時更新中。twitterアカウントは@ you_the_ballad (https://twitter.com/you_the_ballad)

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