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世界と戦う、もう一匹の侍戦士? あの『猫ピッチャー』が小説になった!


 熱戦続く、WBC=ワールド・ベースボール・クラシック。

 決勝ラウンドが行われるアメリカ行きをかけた2次ラウンドもいよいよ始まり、心臓に悪い日はもうしばらく続きそうだ。

 そんななか、一足先にアメリカを舞台に大暴れした選手がいる。ご存じ、猫ピッチャーだ。みんな大好き『猫ピッチャー』(そにしけんじ/中央公論新社)初のノベライズ版『おはなし猫ピッチャー ミー太郎、ニューヨークへ行く!の巻』(江橋よしのり、そにしけんじ、あさだみほ/小学館ジュニア文庫)が刊行されたのだ。

猫、なのに最速147キロ右腕


 ……ん? ニューヨークへ行くもなにも、ミー太郎をご存じない?? そんな方のために、まずは『猫ピッチャー』のおさらいから。

 『猫ピッチャー』は読売新聞日曜版で連載されている人気の野球×猫マンガ。累計部数は50万部を超え、アニメ化もされている人気作品だ。主人公のミー太郎(オス、1歳)はセロリーグのニャイアンツに所属する、球界初の猫ピッチャー。直球一本で勝負する、右の本格派だ。

 猫、なのにプロ野球選手。
 猫、なのに最速147キロ右腕。
 猫、だからバットで爪研ぎ。
 猫、ならではの可愛さで相手打者を翻弄する。

 直球一本で勝負する、と書いたが、「スライニャー」「ニャックルボール」「ニャイロボール」などの魔球も登場(といっても、変化はしない)。監督やチームメイトとのほのぼのしたやり取り、猫にメロメロなライバルたちとの戦いなど、さまざまな視点から楽しめる野球マンガだ。

 かつて侍ジャパンが実施した「野球マンガ日本代表」からは漏れてしまった『猫ピッチャー』。だが、侍ジャパンの温情により、ミー太郎が普段つけている「背番号222」の侍ユニフォーム着用は認められ、グッズ展開も実施。今も侍ジャパンの公式ページで『猫ピッチャー』×「侍ジャパン」グッズは発売中だ。いわばミー太郎は、もう一匹の侍戦士でもあるわけだ。

「野球の楽しさ」が学べる書


 で、今回新たに上梓されたのがこの『猫ピッチャー』のノベライズ版。完全オリジナルストーリーで、ミー太郎人気を聞きつけたニューヨーク・ニャンキースから日米親善試合の申し入れがあり、ニャイアンツとミー太郎がアメリカ遠征をする、というあらすじになっている。

 ミー太郎、ニューヨークへ。だが、ニャンキースタジアムでも、《一塁ベースの上でひなたぼっこしたり、折れたバットで爪を研いだり、ヘルメットの中に丸まって寝たり……》と、舞台をどこに移しても、ミー太郎の“らしさ”は変わっていない。従来からの『猫ピッチャー』ファンも楽しめるはずだ。

 その上で、ミー太郎がニューヨークで行方不明になったり、謎の猫バッターが登場したりと、新たな事件や登場人物も多い。加えて、本作ではミー太郎の飼い主・山田ユキちゃん(16歳)にこれまで以上にスポットが当たっている点が新しい。

 また、野球ができることの喜び、楽しさについての言及も多い。ユキちゃんがアメリカ野球のエンターテイメント性に感動するシーンでは、こんなやり取りが描かれている。

 《そもそもスポーツっていうのは、体を動かして楽しむ遊びなんだ。(中略)上手いか下手か、強いか弱いかなんていうのは二の次。だからアメリカ人は、みんなと同じようにできなきゃ恥ずかしいなんて思わないし、他人よりツラい練習をしなくちゃダメなんて思わない》

 《ぼくたちはみんな小さいころから、そうやってスポーツを楽しいものだと思っているから、試合を見に行くことも楽しむし、すばらしいプレーをしようとチャレンジする選手たちを尊敬するんだよ》

 WBCを見て野球に興味を覚えたり、新学期から野球を始めてみたいと思ったお子さんがいるご家庭にこそ、「野球の楽しさ」が学べる書として最適なのではないだろうか。


文=オグマナオト

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