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「侍ジャパン」大学代表が世界へ! 東京六大学の大学日本代表候補かつドラフト候補たちに注目!

 今夏に韓国・光州で行われるユニバーシアード。じつに、1995年に福岡で行われた大会以来、ユニバーシアードで野球が行われる。20年ぶりの大会で、世界のトップを目指す、日本代表候補選手が1月中旬に発表された。候補に選ばれた31人は3月17日から予定されている選考合宿を経て、最終的に22人に絞り込まれる。
●甲子園常連組が日本代表候補に〜3年生編〜

 東京六大学リーグからは11人が名を連ねた。まずは、来年のドラフト候補となる3年生から紹介していきたい。プロでいうと藤浪晋太郎(阪神)や大谷翔平(日本ハム)と同学年にあたる世代。ドラフトフリークたちからは「逸材揃い!」とすでに言われており、大学日本代表にも多くの選手が入るのではないか、考えられる。

 東京六大学リーグから選ばれているのは立教大の澤田圭佑(大阪桐蔭高 明治大の柳裕也(横浜高)の投手2人と、立教大の外野手、佐藤拓也(浦和学院高)の3人だ。いずれも甲子園に複数回出場しており、場数と経験値は3年生といえども豊富だ。

 特に澤田は藤浪の後ろに控える投手として甲子園春夏連覇に貢献。一般的には藤浪の控え投手という認識かもしれないが、エースを休ませるために先発するプレッシャーの中、いとも簡単にチームを勝たせたり、3年夏の大阪大会決勝は藤浪が崩れかかったところを澤田が救い、甲子園の切符を手にしたり、投げる技術だけではなく、精神的な強さは並大抵ではない。


 柳は横浜高でも2年時からエースとして活躍。現在、明治大では今年のドラフト候補目玉である上原健太とともにエースを争う。凄みや将来性では上原には劣るものの、安定感や試合を作れる能力は柳が確実に優っている。

 佐藤拓也は類まれなセンスを生かし、浦和学院高では小さな大谷翔平とばかりに二刀流で活躍。172センチということで大学では野手に専念することになったが、佐藤も下級生の時からレギュラーとして活躍した。近年では、今宮健太(ソフトバンク)や菊池涼介(広島)といった選手がベストナインを獲得し、森友哉(西武)も大きな期待を受けている選手となり、身長の低さをはねのける選手が増えてきた。佐藤もこの流れに乗ることができるだろうか。
●野手のドラフト候補も豊富〜4年生編〜

 続いて4年生は、明治大の上原健太(広陵高)、坂本誠志郎(履正社高)、?山俊(日大三高)。慶應義塾大の横尾俊建(日大三高)、谷田成吾(慶應義塾高)。早稲田大の茂木栄五郎(桐蔭学園高)。立教大の大城滉二(興南高)。法政大の畔上翔(日大三高)の8人となっており、いずれもドラフト候補として名前が挙がっている。例年、大学生は投手のドラフト候補の方が多くなる傾向があるものの、今年は野手陣もいい選手が揃う。むしろ、大学通算100安打をすでに記録した?山俊(日大三高)は過大評価なのでは? ?山よりもこの選手だろ、という風潮になるくらい力を持った選手が他にもいる。

 その中の筆頭株になる立教大の大城滉二(興南高)は大学通算94安打だが、大学通算打率は3分、?山よりも上回っている(大城の打率.347、?山の打率.317)。遊撃を守れ、圧倒的な走力も持ち合わせているだけに、プロ側の評価は高そうだ。


 二遊間を守れることは1つのドラフト候補におけるキーポイントである。それを見越してか、もともと三塁手の横尾俊建(日大三高)茂木栄五郎(桐蔭学園高)は今年から二塁手に転向する話が聞こえてきた。プロでも通用する二塁手になれるかどうかは、まだわからないが、選手として幅が広がるのは間違いないだろう。

早稲田大・茂木栄五郎

 ドラフト候補としても、大学日本代表としても欠かせないのが上原健太だ。2、3年前、当時法政大の下級生だった石田健大(現DeNA)が東京六大学のリーグ戦で投げ始めた時に、左で140キロ台のいいボールを投げる投手が出てきて、胸をときめかせたかと思いきや、その上をいくポテンシャルをアピールしたのが、この上原だった。

 左腕ながらも生粋のオーバースローから放たれるストレートは140キロ台中盤を計測した。現在では150キロにも及ぶストレートになり、その角度からスライダーを切り込ませ、フォークを落とす投球がハマった時はプロでも手も足も出ないだろう。しかし、それがあまりハマることが少ないので、層が厚く、かつ実戦的な投手が多い明治大において、主戦格になりきれず、大事な試合で任されないことにつながっている。

 この上原が覚醒するのは、もう少し時間を要するかも知れない。もどかしい投球を見ることもあるだろう。それでも、上原が完成した時にどれだけの輝きを見せてくれるか、夢を見せてくれるか。いい未来を思い描いていると、どんな時期も愛おしく感じる。今年、どのような成長を見せ、リーグ戦やユニバーシアードでどんな活躍をするか。具体的な数字が気になるものの、ともに夢を追い、楽しい空間を作ってくれる、上原健太はそんな投手だ。



(文=編集部)

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