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【前半戦のできごとベスト10 メジャーリーグ&アマ野球編】半端ない大谷翔平に大阪桐蔭etc.

文=森田真悟

【前半戦のできごとベスト10 メジャーリーグ&アマ野球編】半端ない大谷翔平に大阪桐蔭etc.
 野球界はプロ、アマに関わらず、記録的な猛暑に負けじと各地で日々熱戦が繰り広げられている。

 8月に入るとプロ球界では優勝争いとCS進出争い、アマ球界は甲子園に焦点が当たっていくが、ここに至るまでの経過を思い出しておくと、さらに後半戦が楽しくなってくるはず。

 そこで、筆者が独断で選んだプロ、アマそれぞれの「前半戦のできごとベスト10」を2週にわたってお届け。後編となる今回はアマチュア野球&メジャーリーグだ!

1位:日本の至宝、海を渡る


 今季、念願のメジャーリーグ挑戦を果たした大谷翔平(エンゼルス)。代名詞の二刀流はもちろん健在で、3月29日の開幕戦で打者として初打席初安打を達成すれば、4月1日には投手として初登板初勝利を成し遂げた。

 その後も打っては3試合連続本塁打、投げては101マイル(162.5キロ)のストレートを投げ込むなど、アメリカのファンをも狂喜乱舞させている。

 現在は、6月に右ヒジの内側側副靭帯を損傷したため、投手としての出場は一時お預けに。それでも打者として本塁打を打ち続け、すでに2ケタに乗せるなど、底知れぬ能力を見せつけている。

2位:番付表通りの戴冠


 第100回の記念大会で話題を集める夏の甲子園。今年はセンバツも90回の節目を迎えていた。そのセンバツで頂点に立ったのが、高校野球界の横綱・大阪桐蔭(大阪)だ。

 根尾昂、藤原恭大ら超高校級選手を擁しているとはいえ、何が起こるがわからないのが高校野球。しかし、そんな不確定要素などどこ吹く風とばかり、下馬評通りの強さを見せて優勝。1981、82年のPL学園(大阪)以来、史上3校目のセンバツ連覇を達成した。今夏は春夏連覇に期待がかかる。

3位:晴れて古巣のレジェンドに


 昨オフにマーリンズを退団し、今季からメジャーでのキャリアをスタートさせた地・シアトルに舞い戻ったイチロー(マリナーズ)。44歳で迎えた今季は、5年ぶりに開幕スタメンに名を連ねるなど期待が高まったが、驚きのニュースが飛び込んだ。

 5月3日、なんとマリナーズの「スペシャルアシスタントアドバイザー」に就任し、選手としての活動は行わないことが発表されたのだ。一抹の寂しさはあるが、今後のフロントとしての手腕を楽しみにしたい。

4位:地味な男の華麗なる反撃


 大谷(エンゼルス)のほかにも平野佳寿(元オリックス→ダイヤモンドバックス)、牧田和久(元西武→パドレス)らがメジャーリーグへと飛び立った。目覚ましい活躍を見せているのが平野だ。

 中継ぎとして前半戦に46試合登板し、2勝1敗21ホールド、防御率2.20。奪三振は41回で37個。球団新記録となる26試合連続無失点と超絶の投球を披露している。

 大谷の話題の前に平野の存在がかすみがちだったが、今となっては堂々主役を張れるレベル。獲得したダイヤモンドバックスは笑いがとまらないだろう。

(※成績は8月3日現在)

5位:“先輩”のプライドを見せる


 先輩メジャーリーガーとして田中将大(ヤンキース)も奮闘している。4月23日のツインズ戦から7月31日のオリオールズ戦にかけて、自身2度目の7連勝を記録し、早くも9勝と2ケタ勝利に王手をかけた。

 過去、日本人最多連勝は伊良部秀輝(当時ヤンキース)と松坂大輔(当時レッドソックス)が記録した8連勝。このコラムが世に出る頃には、タイ記録と2ケタ勝利を達成している可能性は十分。

6位:切り崩したい王者の牙城


 センバツの決勝で大阪桐蔭に敗れ、惜しくも準優勝となった智辯和歌山(和歌山)。リベンジのチャンスは早々に訪れ、春季近畿大会の決勝で再び相まみえたものの、ここでも返り討ちにされてしまう。

 智辯和歌山も“平成の王者”として一時代を築いたものの、現在の“横綱”大阪桐蔭の壁をなかなか超えられない……。ただ、2017年以降の成績を見ると意外なことに気づいた。公式戦ではたった5敗という抜群の安定感を誇っているのだが、その黒星がすべて大阪桐蔭につけられたものなのだ。

 それほど大阪桐蔭が強いのか、それとも苦手意識が植えつけられてしまったのか。両校は今夏の甲子園にも出場。因縁の対決の実現に期待したい。

7位:甲子園戦線、異常あり


 いよいよ幕を開けた夏の甲子園。大方の予想通り、各地から名門、強豪が名乗りを上げたが、一方、初戦で姿を消した強豪が多く見られたのも今年の地方大会の特徴だった。

 センバツベスト4の三重(三重)、センバツベスト8の日本航空石川(石川)、3季連続出場を狙った東筑(北福岡)を始め、熊本では第1シードの文徳、第2シードの九州学院が初戦で涙を飲んだ。

 まさに「何が起こるかわからない高校野球」を地で行く結末。野球が筋書きのないドラマであることを、あらためて知らしめた。

8位:遅まきながら全国デビュー


 今年の都市対抗野球は、大谷翔平の兄・大谷龍太(トヨタ自動車東日本)が出場していることでも話題になった。

 学生時代から脚光を浴びていた弟・翔平とは異なり、地元岩手の公立校・前沢、同じく地元の水沢駒形野球倶楽部を経て、高知ファイティングドッグス(四国アイランドリーグplus)と地道に自分の居場所を築きながら、トヨタ自動車東日本に入社。社会人野球の大一番・都市対抗に辿りついた。

 試合では、名門・東芝相手に1番・左翼で先発出場し、2打数1安打1死球とチームに貢献。1対12で破れたものの、弟に負けじと奮闘する兄の姿が印象的だった。

9位:大阪桐蔭、半端ないって


 今年は2000年生まれの球児たちが最上級生として甲子園に出場。粒ぞろいなこともあって「ミレニアム世代」と呼ばれている。なかでも大阪桐蔭には、超高校級選手が名を連ねている。

 先述した根尾、藤原がいるだけでも強力すぎるのに、根尾とWエースを務める右腕・柿木蓮、強打が売りのキャプテン・中川卓也、大型二塁手・山田健太と、逸材が揃う。秋のドラフトで何人が指名されるのか。いち野球ファンとして大いに楽しみだ。

10位:春の東都王者に注目


 今春の東都大学リーグ1部で優勝した東洋大。こちらも大阪桐蔭に匹敵する数のドラフト注目選手が揃っている。

 即戦力投手の呼び声が高い甲斐野央、1試合20奪三振を記録するなど今春に大ブレイクした上茶谷大河、150キロのストレートでグイグイ押す梅津晃大、強打の二塁手・中川圭太だ。彼らは、今春もしっかりと実力を発揮した。

 「戦国東都」と呼ばれるほど、各チームの実力が拮抗しているなかで輝いた彼らもドラフト戦線をにぎわす存在となるだろう。

日本、そして世界の野球


 前編で紹介したプロ野球、今回のメジャーリーグ、高校野球、大学野球、社会人野球。前半戦を振り返るだけで、これだけの話題がすぐに頭に浮かんでくる。まさに野球が持つ底力を見るようで、とても楽しいセレクトだった。

 しかも、国内外のプロリーグの優勝争い、アマの全国大会の開催が繰り広げられる後半戦は、さらに話題が増えること必至。野球ファンであってよかったと、心から思う。

 週刊野球太郎ではこれからも熱い話題を追っていくので、ぜひ期待してほしい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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