週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

マエケン&黒田・夢のローテーションが実現したら…【野球芸人】アンガールズ・田中卓志【第4回】

【「野球芸人」アンガールズ・田中卓志さんインタビュー】

《カープから考えるFA制度》

 どーもー。カープ芸人・アンガールズの田中です。僕は1999年にお笑い芸人を目指して上京してきたんですが、それと入れ替わるように、カープは低迷期に入ります。1998年から2012年まで、15年連続でBクラス。去年ようやく3位になりましたが、それまでずっとカープの暗黒時代でした。

 原因はもう、FAが全てだな、と。野球に対して、もどかしいと感じたのもFAでしたね。カープは育てるのが上手いから……。また、カープから出た選手は活躍するんですよね。そして、カープから出ていく選手は、「セ・リーグ内移動」が多いんですよ。メジャーに移籍するのはあっても、パ・リーグにはいかないんですよね。これがすごく悲しくって。

 金本(知憲)さんや新井(貴浩)選手が広島戦でホームランを打つ場面とか、もう見てられないんですよ。正直、カープ戦でホームランを打たれると、メッチャ嫌いになるんです。「システムなんだからしょうがないじゃない」という声もあるんですけど、やっぱり悲しいんですよ。

 だから、大竹(寛)投手がこのオフにFAで巨人に移籍しましたけど、インタビューで「カープ戦だけは負けたくない。情けない姿を見せるわけにはいかない」みたいな発言をしていて、これがまたイライラするんです。それは言わないでくれよ…、と。「カープ戦は投げにくいかもしれません」くらいでとどめて欲しかったですね。



《FA制度とポスティング制度》

 FA制度というものを考えると、「出ていき方理論」というのが僕の中にあるんです。選手を球団が「育ててきた期間」と「活躍した期間」のプラス・マイナスがプラスにいっていればいいんです。活躍した期間の方が長ければ。この「採算制度」みたいのが確立されないと、カープはただ出ていくだけ、育てるだけの球団になっちゃう。

 同じFAでも、黒田(博樹/ヤンキース)投手のようにメジャーにいく分にはいいんです。もしくは、金本さんの出ていき方も、十分カープで活躍してくれた、という気持ちもあるので、まだ納得はできる。でも大竹投手の場合、育てた期間に対して、チームの成績に貢献できた、という意味ではまだトントンになってないと思うんですよ。せめてあと2年はカープでやって欲しかったです。

 そして2014年シーズン終了後にマエケン(前田健太)のポスティング移籍が噂されていますが、この場合はいいんです。なぜなら、育てた期間よりも活躍した期間の方が長いから。そしてポスティングなら20億円は球団に入るだろうと。カープにとって20億というのは凄まじい金額ですよ!

 そのかわり、カープは今年、優勝しないと、エラいことになるかもしれない。この先、また暗黒の時代が来るんじゃないかと。やっぱり、マエケンのように「計算できる投手」っていうのは球団に1人は必要じゃないですか。ルーキーの大瀬良(大地)投手が注目されていますけど、モノになるまでそう簡単にはいかないだろうと思うんです。10勝はできるかもしれないですけど、15勝を計算できる投手が1人は欲しいんですよ。

《マエケン・黒田、夢のローテーション》

 だからこそ、黒田投手にはやっぱり戻ってきて欲しいですよね。マエケンとの入れ替わりではなく、マエケンがいる時に黒田が戻ってくる……「夢のローテーション」を考えていたんですよ。ブログとかにもよく書いていたんですけど、この夢のローテーションがあったら、カープは優勝の可能性もある。

 黒田さんがメジャーにいったのも、カープじゃ優勝が経験できないんじゃないか、っていう理由もあったと思うんです。でも、今のカープなら優勝を狙える位置にいる。そして黒田さんはFAで出ていく時に、「自分が投げられるうちに戻ってくる」という言葉を残しているんです。それがすごく嬉しくって。

 カープファンって、そういう言葉が欲しいんですよ。カープという球団にお金ないのはわかっているし、出ていく覚悟はしているんです。下手をすれば、全選手が出ていく可能性がある。これは、他球団のファンにはない感情だと思います。だってこの時代、年俸が3億どまり、なんて球団ないですよ! 「年俸6億」とかの夢があるチームがあるんですから、そりゃ出ていきますよ。

 でも、16億を蹴って3億で戻って来たら、これはもう伝説になると思いますよ。お金じゃない、というのが本当にわかるし、人情味というか……。そこまで人情味に溢れた選手って他にいないですから。過去のプロ野球でもいないんじゃないですか? 実際、今年、カープは黒田さんに3億円を提示しているんですよ。そうしたら16億円で契約しちゃった(笑)。だから、マエケンを20億で放出したあと、5億で黒田さんを戻す。これがいいんじゃないでしょうか。


アンガールズ・田中卓志(たなか・たくし)
1976年2月8日生まれ、B型。187センチ、57キロ。広島県甲奴郡上下町(現府中市)出身。ワタナベエンターテインメント所属。広島大学工学部卒。相方の山根良顕とは大学の旅行サークルで出会う。2000年に「アンガールズ」を結成し、2002年にデビュー。「ジャンガジャンガ」というネタ終わりの動作や独特な世界観の「脱力ネタ」が受け、ブレイクした。二人とも野球は広島東洋カープ、サッカーはサンフレッチェ広島の大ファン。尊敬する芸人さんは東野幸治さん。
現在の主なレギュラーはTBS「爆報! THE フライデー」(毎週金曜19:00〜19:56)TNC(西日本テレビ)「sweets30」(毎週木曜25:05〜25:35)NHK Eテレ「高校講座 科学と人間生活」(毎週火曜14:40〜15:00)など。

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方