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【当世FA事情】お金? 環境? チームの将来性? これからのFA戦線では楽天が台風の目に!?

文=落合初春

【当世FA事情】お金? 環境? チームの将来性? これからのFA戦線では楽天が台風の目に!?
 今オフも盛り上がったFA市場。丸佳浩(広島→巨人)、浅村栄斗(西武→楽天)、西勇輝(オリックス→阪神)、炭谷銀仁朗(西武→巨人)と今をときめくスター選手たちが次々と移籍を決めた。

 FAといえば、やはり「年俸」が話題に上がる。たとえば、巨人は丸佳浩に5年総額25億5000万円(年俸、提示はすべて推定、以下同)の巨額契約を提示し、広島の4年総額17億円の提示を大きく突き放した。

 「お金」なのか「お金じゃないのか」。FA移籍の一大テーマだ。もちろん、「お金」と言い切る選手はほとんどいない。これまでに「お金ファースト」を明言したのは、落合博満(元ロッテほか)ぐらいだ。

 FA移籍の決め手は何なのか。歴史を振り返り、紐解いてみたい。

当初は穏やかじゃなかったFA移籍


 1993年、FA移籍第1号になったのは松永浩美(阪神→ダイエー/現ソフトバンク)だ。トレード移籍初年度のオフにいきなりFA移籍したわけだが、当時は「甲子園は幼稚園の砂場」発言がメディアを騒がせた。

 実際には松永はそのような発言をしておらず、「盗塁を増やすために土を硬くしてほしい」という要望だったのだが、メディアは松永の一言居士の性格を利用し、大いに書き立てた。

 お互いが不信感を高めた結果、松永は1年で阪神を去ってしまった。ダイエーが松永の地元・福岡であったこともファクターだ。

 同年、巨人から横浜にFA移籍した駒田徳広も長嶋茂雄監督(当時)ら巨人首脳陣との軋轢に苦しんでいた。

 今でこそ、あまり表に出ることはないが、球団への不満も大きな要因だろう。

金銭だけではなく、立地でも優位に立つ巨人


 かつてのダイエー、今のソフトバンクはFA市場での大盤振る舞いが目立つが、それは福岡という立地も関係している。九州出身の選手には大きな魅力となるが、家族を連れての引っ越しを考えると生活環境が一変してしまう。

 どこの球団の本拠地もそれなりの都市であるが、本音は東京や大阪で生活したい。プロ野球選手も人の子。地元に近いほうがいいというのも当然だろう。

 その点で圧倒的なリードを得ているのは巨人。東京ドームのアクセスがよすぎる。小市民の我々は勤務地が水道橋となれば、荻窪に住むか、武蔵小金井にするか、はたまた千葉方面にするかと頭を悩ませるが、彼らは華のプロ野球選手。そんな心配はない。夜の遊び場にしても、子どもの教育環境にしても選択肢は多い。

 先日、フジテレビ系『ジャンクSPORTS』に出演した鈴木誠也(広島)が「広島では(目立ってしまい)好きなところに行けない」「東京には地元の友達がたくさんいて…」と語っていたが、これもまた本音だろう。

 今オフは西勇輝がソフトバンクのオファーを蹴り、オリックスから阪神にFA移籍したが、生活環境を変えなくていいことも阪神にとっては強みだった。

楽天が人気を集める理由は?


 今オフ、FA市場で最も大きな衝撃を与えたのは浅村栄斗の楽天移籍だった。リーグ優勝を果たした西武から最下位の楽天へ。これだけでもセンセーショナルだ。

 かつて、新井貴浩(広島→阪神)や村田修一(横浜→巨人)は、FA時に「優勝」をひとつの理由に挙げた。内川聖一(横浜→ソフトバンク)も交流戦で対戦したソフトバンクの強さに惹かれ、地元・九州に戻ることを決意した。

 それにしても近年の楽天は「人気」だ。2015年にはロッテから今江年晶、2016年には西武から岸孝之の獲得に成功している。

 浅村が理由に挙げたのは「役割」「数年後のイメージ」だ。師と仰ぐ渡辺直人も在籍している。石井一久GMの言葉も決め手だったと語る。

 最後の最後は人の縁なのかもしれない。ただ、それ以外にも楽天には魅力がたっぷりだ。仙台から東京は新幹線で約1時間半。地方球団とはいえ、アクセスは抜群だ。実際、今江年晶は単身赴任で楽天にやってきた。

 黎明期を終え、補強も活発になりつつある楽天。資金力を含め、巨人とソフトバンクのFA2強に割って入る可能性は高い。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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