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ファンの胸を焦がした浅尾拓也、杉内俊哉、岡田幸文に心からの拍手を。さらば“記憶に残る男たち”

文=森田真悟

ファンの胸を焦がした浅尾拓也、杉内俊哉、岡田幸文に心からの拍手を。さらば“記憶に残る男たち”
 どんな名選手にも訪れる引退の日。しかし「引退」としてプロ野球界を去ることができる選手は幸せだろう。記録もさることながらファンの脳裏に「記憶」として残るプレーがないと、この2文字にたどり着かないと思うからだ。

 今回はいつまでもファンに語り継がれる引退選手を取り上げたい。

野球版「ギャップ萌え」の大家


 プロ野球界きってのイケメン・浅尾拓也(中日)。端正な顔立ちに加え、182センチ78キロというスタイルのよさから、ついたニックネームは「浅尾きゅん」。

 そんなアイドルのような選手が150キロを超えるストレートを投げ込んでプロの猛者を打ち取るのだから、ファンが熱狂しないはずがなかった。

 今季は、通算199ホールドから2年越しで200ホールドという大記録を達成し、記録の面でも球史に名を刻んだ。とはいえ、この偉業がなくとも、忘れられることのない選手に昇華していることは間違いない。

あふれる闘志とテクニック


 投手としてはもう1人、杉内俊哉(巨人)。技巧派として鳴らし、140キロのストレートを150キロに見せる工夫で142もの勝利と2156もの奪三振を積み重ねた。

 間違いなく名投手だが、一方で打たれた悔しさのあまり両手でベンチを殴打して骨折するなど荒ぶる気性の持ち主でもあった。

 しかし175センチと小柄な杉内がプロで活躍できたのは、投球術以上にこの負けん気の強さがあってこそ。最近の若手選手は大人しい印象があるので、「ベンチを殴れ」までとは言わないが、この負けん気を大いに参考にすべきだ。

守備で飯を食った名手


 記憶に残る野手の筆頭候補は岡田幸文(ロッテ)。妻帯者ながらクラブチームから育成ドラフト6位でプロ入りし、そこからゴールデン・グラブ賞獲得と栄転したサクセスストーリーの持ち主だ。

 ロッテの代名詞「下剋上」を地で行くような岡田の立身出世を支えたのは、球界随一と言われる守備範囲の広さ。投手がボールを投げる前から打球のコースを予測するというこれ以上ない準備の早さで、数々の美技を披露してきた。

 ちなみに打撃はお世辞にもいいとは言えなかった。とりわけ本塁打を求められるプレースタイルでなかったとはいえ、9年のプロ生活で1本も打てずに終わってしまった。

 ただ自分の持ち味をわかっていたからこそ、ファンの記憶に残るまでの選手になれたはず。一芸に秀でることの重要さをあらためて教えられた。

「記憶に残る」ということ


 プロ野球選手は皆、何かしらの大記録を打ち立てたいと願っていることだろう。そこを目指す過程があるからこそ、たとえ大記録を打ち立てられなくとも、「記憶に残る選手」というファンからの賞賛が生まれるのだろう。

 世には「一発屋」という言葉があるが、一発だけではなかなか記憶には残らない。何発も継続してきたからこそ、今回、紹介した選手たちはファンの胸にその名が刻まれたのだ。

 引退の日までプロ野球を支えてきた「記憶に残る選手」に、心からの拍手を贈りたい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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