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若者の“攻めたミス”ならOK? 責任、育成、勝利……。王貞治ら仕事の現場でも効く名監督たちの名言

文=勝田聡

若者の“攻めたミス”ならOK? 責任、育成、勝利……。王貞治ら仕事の現場でも効く名監督たちの名言
 プロ野球が開幕してからもうすぐ1カ月が経つ。毎シーズン、試合の数だけヒーローが生まれ、試合後のインタビューでは様々な言葉が発せられる。

 また、監督は勝っても負けても(ときに拒否することはあれど)インタビューに応じている。そこでの言葉は「プロ野球の世界」でだけに通じるものではない。その多くは実生活にも応用が効くのである。そんな監督たちが発してきた名言を紹介したい。

若いうちはミスを恐れずに積極的に


 先日行われたゴルフのマスターズでは、タイガー・ウッズが14年ぶり5度目の優勝を果たした。ただ、その平均飛距離294.5ヤードは44位だったという。飛距離が出なくても確実に刻み、勝利をつかみ取ったのである。

 若い頃のウッズは、ロングホールでは「飛ばし屋」らしくロングショットで2オンを狙っていた。もちろん確実に3打で狙う選手よりもチャンスは大きかった。2006年頃、当時ソフトバンクを率いていた王貞治監督は、そんなウッズのスタイルを見てこう言った。

「確率の問題だけどリスクはあっても得るものが大きい。若い人はそういうものを求めていい。積極的なミスは責めないよ」

 若者は積極的に挑戦しよう、というメッセージだ。もちろんリスクは高くなり、ミスの可能性も増える。しかし、若者らしく攻めた結果のミスは責めない。

 監督が発するメッセージとしてこんなにも心強いことはない。こういった言葉ひとつで選手たちはノビノビと勇気を持ってプレーできたのではないだろうか。

 積極的な姿勢でのミスを受け入れることができる度量。それがある人物に人はついていきたくなる。部下にかけてあげたい言葉のひとつである。

 ウッズや王監督は若い頃からこのような思想を持ち、積極的に攻めていったからこそ結果を残すことができ、一流となったのだろう。そんなウッズがリスクを(以前よりは)追わずに確実な手法で復活したのはなんとも感慨深い。ウッズも歳をとったということだろうか。

育てるときも競争させることが大事


 プロ野球の世界で、常について回るのが「勝利と育成」のバランスだ。若手を育てながら、勝利を積み上げていくことは簡単なことではない。

 そんななか、「一時的な勝利を犠牲にしても、将来のためにベテランではなく若手を起用して育ててほしい」と願うファンが一定数いるのは事実。これは仕事でも同じこと。将来のために、何かを犠牲にして(お金でなくとも)投資をすることはよくあるはずだ。

 新規プロジェクトなどがそれにあたるだろう。

 しかし、落合博満元中日監督はこの考えをバッサリと切り捨てこう言っている。

「何かを犠牲にすることが、育てることだと思っている人がいるが、それは違う」

 周囲に迷惑をかけてまで手塩にかけて、力のないものを育てることはありえない。競争がなくなったら終わり、ということだ。もちろん、人にせよプロジェクトにせよ、育てることを否定しているわけではない。

 競争をしたうえで育成することが大事、と説いているのである。プロジェクトの予算取りなどで思い当たる節がある人も多いのではないだろうか。

「なんで、あのプロジェクトは結果が出てないのに…」

 そういった不協和音が出ないように競争する、させていくことが大事ということだろう。組織をマネジメントする上で覚えておきたい。

責任を負う覚悟があるか


 現在、日本ハムを率いる栗山英樹監督もミスを責めることはほとんどない。どんな負け方であれ、うまくいかなかったときであれ、口をついて出てくるのは……。

「俺が悪い」

 この一言である。監督がグラウンド上での結果に対して責任を持つ、そんな姿勢が感じられる。とは言え、選手を手放しで褒めることはない。大谷翔平(現・エンゼルス)や中田翔といった選手たちに対して、つねに厳しい言葉をかけていることは報道でも知れ渡っている。これも栗山流の期待の裏返しなのだろう。選手もそれを理解しているからこそ本気になる。

 言葉としてはたった一言である。しかし、その一言が軽そうで重い。

 責任を引き受けた上で、選手をうまくその気にさせることが難しいのは過去の監督を見ていてもわかるのではないだろうか。もしくは身近な人物を思い浮かべてもらってもいい。

 自分自身が責任を持ち、まわりを引っ張っていく。その思いがある人にしか発することができない言葉である。

 なにかのトラブルに見舞われたとき、「俺が悪い」と自信を持って言えるようになりたいと思う人はきっと多いはずだ。

■参考文献
『王さん語録 89の真実』(西日本出版社)
『落合語録』(トランスワールドジャパン株式会社/加古大二著)

文=勝田聡(かつた・さとし)

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