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【2019年夏の甲子園 長崎みどころ】1年から3年まで好素材投手が多士済々 迫力ある強打者たちが主役を奪い合う!

投手編〜眠れる速球派が続々開花!

山科颯太郎
 春の段階での県最速右腕は山科颯太郎(九州文化学園)。140キロ中盤が出て、腕の叩きも力強い。カーブ、チェンジアップも操るが、タテのスライダーは球速が出てキレも十分。準優勝した春は初戦の佐世保商戦で7回13奪三振、準々決勝の長崎総大付戦で9回11奪三振と圧巻の投球を演じた。

 ナチュラルシュートを生かした、打たせて取る投球で秋準優勝、春優勝の立役者となった桝屋優太郎(長崎商)。最速も141キロを計測するが、なんといっても身上は丁寧なコーナーワーク。シュートで起こしてからのスライダーに、打撃を崩される右打者が続出中だ。

 徳留裕翔(長崎総大付)は右の本格派タイプ。140キロ前後のストレートを中心に押しまくる。制球力も安定感を増しており、夏はトーナメントの鍵を握る存在になるかもしれない。長崎日大の両右腕はいずれも抜群の制球力で試合を作る。藤田宗純は130キロ台後半の高回転ストレートが軸で、中尾雄大は空振りの取れるフォークを操る。

 2年生投手陣に対する期待値も大きい。作本想真(大村工)は187センチ88キロの圧倒的サイズを誇る大型右腕。相手を威圧しながら叩き込むストレートも140キロの大台目前まで来た。秋の優勝投手となった磯木蒼太朗(長崎南山)も140キロのストレートで押し切るパワータイプ。清水央彦監督率いる大崎の田中駿佑はカット系の変化のキレが秀逸で、球数を押さえながら打たせて取る投球が持ち味だ。

 1年生はなんといっても鳴り物入りで創成館に入学した鴨打瑛二だ。194センチの大型左腕で、小学生時代にはソフトバンクジュニアにも選出された逸材だ。現在の最速は135キロで長身を生かした角度に加え、抜群のマウンド度胸も大きな武器。今後の動向からは片時も目を離せない。

野手編〜速さと強さ兼備の好素材ズラリ

深見直人
 昨年のセンバツで全試合4番を打った深見直人(創成館)は、スケールは相変わらず大きい。背中に激しく叩きつけるようなフォロースルーの果てに、どこまでも伸びていく打球。球場の広さを物ともしない、典型的な長距離砲の雰囲気が漂う。創成館には大久保明慶もいる。楽天スカウトの父・勝也氏、九州産業大監督の哲也氏を叔父に持つサラブレッドだ。186センチ80キロの身体スペックを生かしたインパクトの強さや打球の飛距離は圧巻。明豊との練習試合では1番打者として先頭打者弾を見舞うなど、注目される状況でさらに輝きを放つ。

 強打自慢の九州文化学園は石田穂高、後藤遼介の確実性の高い打撃が群を抜いており、両者はともに春季大会は5割近い打率を記録。4番の後藤祐大朗も含めた打線全体のスイングの力強さは他の追随を許さない。腰の据わったパワフルなスイングでは松島幹弥(佐世保実)、太田勇新(海星)も忘れてはならない存在だ。

 大村工の作本は打者としても非凡で、とにかく飛距離が他を圧倒している。冬にタイミングの取り方を変えて以降は、130メートルを超える打球を連発。この先、投手で行くのか、打者に専念するのか?

大会展望〜先頭集団を創成館が猛追 !

長崎地区勢力ピラミッド
実績では秋準優勝、春優勝の長崎商が頭一つリードしている。
秋優勝の長崎南山、春準優勝の九州文化学園に対しても、安定感という意味では優位だ。
しかし、ここへ来て昨夏王者の創成館が猛烈な追い上げを開始。
秋は初戦敗退、春は準々決勝で長崎商に敗れたが、1年生左腕の鴨打が加入したことで投手陣の競争が激化。
投手力だけでなく、打線も好調の深見を中心に力を増している。
投打のバランスが向上した九州文化学園も初の甲子園に向けて機は熟しつつある。

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