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グリエルがデビュー戦で魅せる!アマチュア野球は今週で「春」が閉幕。それぞれの夏へ向かう!

 『今週の野球みどころランキング』は、6月第2週に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 今後の簡単な野球界のスケジュールはこちらのページにまとめていますので、重要事項はチェックしてください!

春季地方大会残り2大会、石毛氏が高校野球指導者に
―――高校野球

 春季東北大会は6月5日から5日間の日程で、秋田県立野球場(通称「こまちスタジアム」)を中心に行われている。春秋通じて初出場同士の対決となった、いわき光洋高(福島)と西目高(秋田)の試合は、いわき光洋高が6-2で初勝利。また、昨秋の東北王者・八戸学院光星高(青森)は東北高(宮城)、日大山形高(山形)を下したものの、準決勝で花巻東高(岩手)に3-8で敗れた。そして、9日の決勝戦は準決勝で八戸学院光星高を破った花巻東高と、山本学園高(山形)、盛岡大付高(岩手)、大曲工高(秋田)を下した盛岡三高という岩手県大会の準決勝でも対戦しているカードになる。花巻東高が3-0で快勝し、県大会と同じ結果となった。花巻東高は初の春季東北大会優勝となった。

 春季北信越大会は6月7日から4日間の日程で、富山市民球場アルペンスタジアムを中心に行われており、準決勝は春江工・坂井高(福井)vs日本文理高(新潟)、富山商高vs福井工大福井高という試合になった。それぞれ日本文理高と富山商高が勝ち、この2校で決勝を戦うことになった。日本文理高は飯塚悟史、富山商高は森田駿哉という、それぞれのエースが準決勝で投げなかったので、決勝(10日予定)はエース対決が見られそうだ。

▲飯塚悟史(日本文理高)

▲森田駿哉(富山商高)

 また、千葉商大付高に石毛宏典氏(元西武ほか)がテクニカルアドバイザーに就任することがわかった。元プロ野球監督経験者が高校野球の指導者になったのは初めてとなる。

“キューバの至宝”グリエルついにデビュー、伊原春樹監督電撃退任
―――NPB

 それは突然の発表だった。
 4日のDeNAvs西武の試合が終了した直後、西武の伊原春樹監督が緊急会見。次の試合から“休養する”と発表し、開幕からわずか53試合で事実上の退任となった。田辺徳雄1軍打撃コーチが監督代行を務める。

 “新生・田辺ライオンズ”は2戦目となった7日の巨人戦で、2軍打撃コーチ時代の教え子である中村剛也の活躍などで初勝利を挙げた。

 現役キューバ代表の主軸打者で“キューバの至宝”とも呼ばれるグリエル(DeNA)が8日、本拠地・横浜スタジアムで行われた楽天戦でついにデビューした。「3番・三塁」でスタメン起用されたグリエルは、初回の守備でいきなり軽やかなフットワークと強肩を見せると、3回の第2打席では来日初安打。続く4番のブランコの右中間を破る二塁打の際に、俊足を飛ばし一塁から生還し、来日初得点も記録した。さらに続く2打席でも安打を記録し、いきなりの猛打賞デビュー。ファンはもちろんのこと、プロ野球評論家も大絶賛の華々しいデビューとなった。

 交流戦に入り不調が続く、広島。これまでチームを支えてきた先発投手陣が崩壊。7日のソフトバンク戦では、これまで既に5勝を挙げている新人・大瀬良大地が2回持たず10失点。8日のオリックス戦でも先発のバリントンが5回もたず6失点でKO。これで5連敗、5戦合計50失点となり交流戦最下位に沈み、長らく保ってきたセ・リーグ首位からも陥落した。変わって首位に立ったのは巨人になる。

田中将大が月間MVP獲得、ドラフト1位指名左腕が史上最高額契約か?
―――MLB

 ヤンキースの田中将大が、5月の月間MVPを獲得した。
 日本人投手の月間MVP獲得は、野茂英雄氏(ドジャース時代の1995年6月と1996年9月に獲得)と故・伊良部秀輝投手(ヤンキース時代の1998年5月と1999年7月)に続き、3人目の受賞となった。


 その田中は5日のアスレチックス戦に先発。6回5安打1失点の好投で9勝目。開幕から続くクオリティースタート(先発投手が6回以上を投げ、自責点を3以内に抑えること)は12試合連続となった。

 同じくヤンキースの黒田博樹は、3日のアスレチックス戦に登板し、6回2/3を投げ2安打1失点の好投も勝ち星は付かなかった。

 また、控え外野手の立場ながら奮闘を続けるヤンキースのイチローは、7日現在で打率.313と3割台をキープ。再三の好守や代打成功率8割を超えるなど、与えられた役割でその能力を存分に発揮している。

 レンジャーズのダルビッシュ有は、6日のインディアンズ戦に先発。7回9安打4失点と被安打・失点ともに今季ワーストだったが、味方打線の援護にも恵まれ、6勝目を挙げた。これにはダルビッシュも「日頃の行いがいい、としかいえない」とジョークを飛ばした。

 メッツの松坂大輔は4日のカブス戦に先発するも、4回1/3を投げ4安打4失点。悔しい勝利投手目前での降板となった。

 ブレーブスの守護神を務めるクレイグ・キンブレルが6日のダイヤモンドバックス戦で今季16セーブ目を挙げた。これで2010年のデビューからブレーブスでプレーしているキンブレルは通算155セーブとなり、ブレーブスの球団新記録を達成した。これまではジョン・シュモルツが保持していた154セーブが球団新記録だった。

 また、メジャーリーグのドラフト会議が5日から7日まで行われており、アストロズがカリフォルニア州キャセドラル・カソリック高のブレイディ・エーケンを全体1位指名。7日には契約金650万ドル(約6億6600万円)で合意した伝えられた。これは高校生投手の契約金ではドラフト史上最高タイだという。エーケンは193センチの左腕で、昨夏に行われた18U W杯にアメリカ代表として参加し、決勝の日本戦で7回1失点10奪三振と、松井裕樹(桐光学園高→楽天)に投げ勝ち、優勝に貢献していた。

※日時はすべてアメリカ現地時間

全日本大学野球選手権開幕、大学日本代表候補47名には国立大投手2投手が選出
―――大学野球

 6月3日から行われていた東京六大学リーグの新人戦では、明治大が新人戦史上初となる5連覇(5季連続37度目の優勝)を達成。決勝の法政大戦でも、石迫悠摩(2年・九州国際大付高)が3ランを含む3安打6打点の活躍を見せるなど、7-2で法政大を圧倒した。

 全日本大学野球連盟は5日、今夏にオランダで行われる国際大会『ハーレム・ベースボールウィーク』に出場する大学日本代表の候補47人を発表した。ドラフト1位候補の早稲田大・有原航平(4年・広陵高)や明治大・山?福也(4年・日大三高)、亜細亜大・山?康晃(4年・帝京高)らも順当に選出された。また国立大学の京都大から田中英祐(4年・白陵高)、名古屋大から七原優介(4年・知立東高)も選ばれた。

▲七原優介(名古屋大)


 この47人に、全日本大学野球選手権で活躍した数名の選手を加え、神奈川県・平塚市で行う選考合宿(20日から3日間)を経て、最終メンバー24人が決定する。

 全日本大学野球選手権は10日に神宮球場と東京ドームで開幕。優勝争いは、秋春連覇を狙う亜細亜大と、3年ぶり10度目の出場で27年ぶりの日本一を目指す慶應義塾大が軸となるか。総合力の高い富士大(北東北大学リーグ)や東海大(首都大学リーグ)、昨春日本一の上武大などを破り勢いに乗る初出場の山梨学院大(関甲新学生リーグ)らがそれを追う形となりそうだ。

松山フェニックス初出場! ほか各地で激戦続き!
―――社会人野球

 社会人野球最高峰の大会となる『第85回都市対抗野球大会』の予選が各地で行われている。その中でも“今予選一番の快進撃”と言ってもよいのが、四国地区予選を勝ち抜き初出場を決めた松山フェニックスだ(決勝戦はJR四国に4-0で勝利)。

 松山フェニックスは1999年に、愛媛県内唯一の企業チームであったNTT四国が廃部となったのを機に、《 「野球王国、愛媛、松山」から社会人野球の灯を消したくないという思いが結集され》(チーム公式サイトより)、2000年に市民球団として誕生した。2001年には日本選手権に初出場し、2008年には全日本クラブ選手権初出場、翌2009年には同選手権準優勝と実績を残してはいたが、今回初めて都市対抗予選の壁を破った。

 北海道地区予選は室蘭シャークスが3-2の接戦の末、JR北海道を下し、3年ぶり3回目の出場を決めた。

 東北地区ではJR東日本東北が他を圧倒し、第1代表で3年ぶり24回目の出場を決め、第2代表は七十七銀行が2年ぶり10回目の出場を決めた。

 北信越地区予選では、バイタルネットが5-3で信越硬式野球クラブを下し、3年ぶり3回目の出場を決めた。

 北関東地区予選は、富士重工業、日立製作所、全足利クラブ、新日鐵住金鹿島の4チームで出場枠2つを賭けた決勝リーグが、6月8日より3日間の予定で行われている。唯一のクラブチーム・全足利クラブが初戦で富士重工業を破る波乱のスタートとなった。

 南関東地区予選は日本通運とJFE東日本が第1代表決定戦に進出することが決まっているが、雨の影響により、第2代表以降の決定トーナメントと合わせ、大会の進行は遅れている。この進行の遅れに伴い、第2代表決定トーナメントに回っていた所沢グリーンベースボールクラブが棄権する事態にもなった(選手の仕事の調整がつかないため)。

 東京地区予選は第2代表で前回大会準優勝のJR東日本が5年連続17回目、第3代表決定戦では元ロッテ・初芝清監督のセガサミーが4年連続7度目の出場を決めた。最後の一枠となった第4代表決定戦は、東京ガスと明治安田生命で争われた。東京ガスの岩佐海斗がセガサミーを完封し、4-0で勝利。東京ガスは2年連続17回目の都市対抗出場を決めた。これで代表チームの4チームが出揃った(※第1代表は先週更新分で既報の通り、NTT東日本が6年連続39回目の出場を決めている)。

 東海地区予選は、第2代表で新日鐵住金東海REXが16年ぶり12回目、第3代表で東邦ガスが3年連続10回目、第4代表でHonda鈴鹿が5年ぶり20回目の出場を決めた。新日鐵住金東海REXは前身の新日鐵名古屋以来、2003年に地域密着型のクラブチームとなって以降では、初の本大会出場となる。第5代表ではヤマハを破った永和商事ウイングが本大会初出場を決めた(※第1代表は先週更新分で既報の通り、西濃運輸が3年ぶり33回目の出場を決めている)。

 東海地区の出場枠は「7」。だが、既にトヨタ自動車は敗退が決まり、2年ぶりの本大会出場はならなかった。

 近畿地区予選は第3代表で日本生命が大会最多記録を伸ばす56回目の出場を12年連続で決め、第4代表でパナソニックが4年連続49回目、第5代表で大阪ガスが2年連続21回目の出場を決め、出場チームが出揃った(※先週更新分で既報の通り、第1代表は三菱重工神戸2年ぶり31回目の出場を決め、第2代表は日本新薬が2年ぶり31回目の出場を決めている)。

 中国地区予選は10日から出場枠「2」を賭け、決勝トーナメントが行われている。

 九州地区予選は第1代表でHonda熊本が4年連続9回目、第2代表でJR九州が5年連続17回目、第3代表で予選地元開催となった沖縄電力が2年連続4回目の出場を決めた。

 本大会は、東京ドームで7月18日から12日間の予定で行われる。


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)

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