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4番宣言の大田泰示、栗原陵矢に猛追される甲斐拓也、中日投手陣などオープン戦絶不調の男たち

文=勝田聡

4番宣言の大田泰示、栗原陵矢に猛追される甲斐拓也、神里和毅、中日投手陣などオープン戦絶不調の男たち
 オープン戦は残すところわずかとなった。先日、シーズン開幕日の延期が決定されたが、選手たちは来たるべき日に向け調整を続けている。しかし、このオープン戦で結果が出ず苦しんでいる選手も多い。

ボーアは打率1割台に低迷


 阪神の新外国人・ボーアが苦しんでいる。3月8日の巨人戦でオープン戦初の適時打が生まれたものの、打率.154(13打数2安打)、1打点で本塁打は1本も出ていない状態だ。もう1人の新外国人野手・サンズは打率こそ.214(14打数3安打)と低いが、2月29日のソフトバンク戦で2打席連続本塁打を記録している。ボーアも早めの一本がほしいところだ。

 DeNAは新外国人のオースティンが絶好調だが、その前の打順で打つことが期待されている神里和毅が不振に陥っている。ここまでの9試合で打率.192(26打数5安打)で9三振と当たりが出ていない。主軸のオースティンとソトの前に走者をためることができなければ得点力は半減する。神里の復活を待つか、それとも桑原将志らと切り替えるのか。ラミレス監督の結断に注目が集まる。

 ソフトバンクの正捕手である甲斐拓也も打撃面で苦戦中だ。ここまで6試合で打率.133(15打数2安打)で打点0。出塁率も.188と低調な数字に終わっている。もともと打撃が売りのタイプではないが、このままの調子では正捕手として厳しい。一方で栗原陵矢が打率.308(13打数4安打)、1本塁打と猛アピール。総合力では甲斐に分があるものの、打撃面で圧倒的な差がつくと工藤公康監督も悩むことになる。

 このオフシーズンに4番を奪う発言をしていた日本ハムの大田泰示も結果が出ていない。7試合で打率.143(21打数3安打)、長打は二塁打が1本のみ。ライバルである中田翔は新打法の影響がいい方向に出たのか、打率.364(22打数8安打)、3本塁打、7打点とさすがの数字を残している。4番争いに持ち込むためにも調子を上げたいところ。

中日の投手陣が揃って苦戦


 12球団の投手陣を見渡すと、特に中日が心配だ。開幕投手が決まっている大野雄大は3試合に登板しているが、その全ての試合で失点。3月7日の楽天戦では4回7失点、被安打8、与四球3と苦しんだ。球数も101球を要しており、全体的にいいところがなかった。

 小笠原慎之介も4回3失点、5回3失点と2試合連続で3失点。与四球はそれぞれ3つと4つ。大野同様に制球面で苦しんでいる。ベテランの山井大介も2試合で4回を投げ8失点。調子は上向いていない。

 このオフシーズンに中日は大きな補強を行っていない。昨シーズン5位からの浮上を目指すためにも既存の投手陣たちの頑張りは必要不可欠。若い投手たちの息吹が聞こえるなか、中堅やベテランの投手はチームを引っ張っていくことができるだろうか。

 14年ぶりに古巣・西武に復帰した松坂大輔。3月8日の広島戦でオープン戦初めてのマウンドに登った。3回2失点と結果だけを見ればまずまずだが、与四球3、球数は69球と制球面で大きく苦しんだ。開幕ローテーション入りへ向け、あと1度の登板が正念場となりそうだ。

 一時は開幕投手候補として報道もされていたヤクルトの高橋奎二。3月7日のロッテ戦では2回6失点、被安打4、与四球4と大乱調。走者をためてレアードに満塁弾を浴びる最悪の展開だった。先発5番手、6番手争いを抜け出すことができなかったばかりか、その他の投手の結果によってはローテーション入りすら危ぶまれる可能性もある。もう一度、結果でアピールすることが求められる。

 野手、投手ともにオープン戦で結果を残せなくても、あくまでも調整段階であり、神経質になる必要はないのかもしれない。しかし、実績のない選手にとってはここでの結果が開幕1軍入りを大きく左右する。果たして、残り1週間ほどのオープン戦で巻き返すことができるだろうか。

(※成績は3月8日現在)

文=勝田聡(かつた・さとし)

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