週刊野球太郎
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昨季は上位と下位がそっくり入れ替わったパ・リーグの今シーズンを大予想!【前編】

『週刊野球太郎』読者の皆さま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 さて、プロ野球選手は「正月」を2度迎える、といいます。一度は1月1日。そして、もう一度がシーズン開幕日です。2015年、無事に正月を迎えて納得のいくシーズンを送るのは、いったいどのチームでしょうか。

 そこで『週刊野球太郎』では、編集部とライター陣による座談会を実施。新戦力の動向を中心に今季の順位展望を繰り広げます。まずは昨年パ・リーグBクラス勢(6位:楽天、5位:西武、4位:ロッテ)の今オフの補強の動きと順位予想をお送りします!


〜座談会参加者〜

高橋安幸……雑誌『野球太郎』での連載「伝説のプロ野球選手に会いに行く」でもおなじみのスポーツライター。2月下旬発売予定の『野球太郎No.014』選手名鑑号を取りまとめており、大量の選手情報をインプットしている。

蔵建て男……人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。アマチュア野球情報に精通。プロでは港の見える球団のファン。Twitterアカウントは@ kuratateo(https://twitter.com/kuratateo)

持木編集長……母校が昨夏に続き、センバツ出場決定。今、乗りに乗っている『野球太郎』編集長。

菊地選手……『野球部あるある』著者。新雑誌『野球太郎育児』(3月上旬発売予定)の創刊に奔走中。

カバディ西山……昨年、軟式野球の延長50回に感化され、同じ1047球数を投げ込むという暴挙を達成。

鈴木雷人……遅れてきた転校生。ロッテファンの太鼓持ちライター。


◎東北楽天ゴールデンイーグルス
戦力不足は否めないが、好転する可能性はある

(※予想……高橋:4位/蔵:4位/持木:6位/菊地:6位/鈴木:4位/西山:3位)

鈴木 そもそも、なぜ前年(2013年)の日本一から最下位に一気に沈んでしまったのか? その要因をおさらいしましょうか?

持木 おさらいも何も、田中将大(ヤンキース)の24個分の貯金が抜けたわけですから。今季も戦力不足の感は否めないので、最下位予想にしています。

菊地 僕も楽天を最下位に予想しました。ただ、楽天はここ数年のドラフトで異常な勝率を誇っていて、若手では期待できる選手が多い。そこは明るい材料かと。

持木 楽天って、即戦力として期待した大学・社会人選手で活躍できたのは則本昂大くらい。その一方で、田中将大から続く、高卒選手をパッと使って活躍する、という歴史もある。そこがうまくハマれば……。

 その意味でも期待したいのは、やっぱり安樂智大。懸念されている肘に問題がなければ10前後は勝てるはず。ただ、プロ側の調査では「問題がある」という評価だったからこそ、ドラフトでの競合が2つだけだったと思うので……これはもう、やらせてみないとハッキリとはわかりません。

菊地 球団としても精密検査をした上でそうなっているはずなので、期待していいんじゃないでしょうか。安樂を3年間密着してきたライターの寺下友徳さんも『野球太郎No.13』の中で「問題ない」と太鼓判を押しています。実際、1軍キャンプが決まったらしいですし。則本を始めとした一流選手を間近で見せたい、という狙いや、どうせ騒がれるなら1軍で……とか思惑はいろいろあるんでしょうけど。


▲期待のドラ1・安樂智大

高橋 則本がらみでいえば、彼に頼りすぎずにどこまでできるのか、というのが今季の課題だと思っています。あと、松井裕樹は散々四球で苦しみましたけど、ストライクゾーンで空振りが取れる投手なのは間違いない。そんな投手は、球界を見渡してもほとんどいませんから。彼がローテーションに入り、あとは昨季経験を積んだ辛島航や森雄大、そして塩見貴洋あたりが頑張ってくれれば……左ばっかりですね(笑)。とにかく、松井裕樹に期待したいです。

鈴木 抑えは広島から移籍してきたミコライオですかね?

菊地 ミコライオは、そろそろカープではキツイかな、という感じだったので移籍して正解だったんじゃないかと。あと楽天に関しては、選手よりも大久保博元監督がどうか、というのが気になる点です。

高橋 対マスコミでイライラしているようではね。私は、楽天の一番の課題は守備だと思っています。エラーの数とかではなく、守備範囲なども含めた総合的な意味でいろいろ問題が多い。

菊地 ドラフトでは4位以降に特徴がありました。4位のフェルナンデスならフルスイングが光る長距離砲、6位の加藤正志はサブマリン、7位の伊東亮大は大学時代は指名打者で出場していたような、打撃専門の選手なわけですから。個人的には、こういう特徴的な選手をプロの舞台で見てみたいので、心情的には楽天を応援したい。三木谷さんの「鶴の一声人事」で球団内が一枚岩じゃない、と言われている中、結果を残せれば「お、大久保なかなかやるじゃないか」と好転も期待できますが、そうならなかった時のことが心配すぎます。


◎埼玉西武ライオンズ
森友哉を起用して打ち勝つ野球を目指せ

(※予想……高橋:5位/蔵:6位/持木:3位/菊地:4位/鈴木:5位/西山:1位)

鈴木 西山さんだけが、西武を1位予想にしています。

西山 去年はすべての歯車が噛み合わなかった感じで、戦力的にはそれほど劣ってはいないと思っています。田辺監督に変わってからもある程度数字は残していたので、その辺に期待を込めて。(炭谷)銀仁朗も残留しましたし、上積みはできるのではないかと踏んでいます。


▲周囲の森友哉への期待が大きくなる中、FA宣言せずに残留を決めた炭谷銀仁朗

鈴木 小谷野栄一、そして中島裕之の獲得失敗(ともにオリックス)と、西武は思うように戦力補強ができませんでした。だからこそドラフト組にも期待したいわけですが。

 1位の橋光成は、即戦力という感じではないですよね。2位の佐野泰雄の場合、1軍入りは期待できますが、先発6番手に入れるかどうか。むしろ、外国人選手次第かな、と思っているんですけど。

鈴木 昨季の本塁打王のメヒアは、シーズン途中からの加入でしたしね。

高橋 蔵さんの言う通り、外国人選手に期待するしかないんですが、その新外国人のセラテリにしても「1、2番タイプ」という評価です。今まで西武はこういう選手は自前で育てていたはず。とうとうここにまで外国人に頼るようになったか、と。

菊地 1980〜1990年代の神話的な西武の強さは、もはやないですよね。西武のDNAを持った方々が、どんどんよその監督をやっているわけですし。

高橋 先発陣で期待できるのが岸孝之と菊池雄星くらい。野手のほうのメヒアは外せないから、投手で外国人を3人使うのか……。

鈴木 投手でもメヒアという選手を獲得したのがややこしいです(笑)。

菊地 高橋朋己という抑えが固定できたのは、今までと比べれば大きい。その前の投手陣を整備できれば面白い。あと西武に関しては、森友哉をとにかく使ってほしいです。

 大阪桐蔭高卒の選手で、対応力、という意味では歴代No.1だと思います。でも、銀仁朗が残っちゃったからどういう起用をしてくるのか。

持木 森はDHでもいいから使ってほしい。

高橋 12球団で一番使ってほしい選手です。とにかくバットが振れるし、バッティングの鬼、という感じ。顔も親分っぽいし(笑)。

菊地 理屈抜きで、森が打席に入ると期待したくなりますよね。「パ・リーグの長嶋さん」みたいなイメージです。

 森の起用法も気になりますが、山川穂高の評価はどうなんでしょうか? 彼もポジションがないですよね。

菊地 山川に関しては、我慢すればモノになる、というのはよくわかりますよね。ただポジションは……大学時代も無理矢理サードを守っている感じでした。

持木 そもそも、浅村栄斗をセカンドにしている時点で、打って勝つ、しかできないチームだと思う。僕は西武を3位予想としていますが、それも、中村剛也らレギュラー陣がケガなく出て打ちまくれば、という前提付きですね。

高橋 西武は最下位にならなかったのがどう出るか。最下位になっていればもっとドラスティックに変わることが出来たのかもしれないなぁ、と。2010年オフに細川亨(ソフトバンク)がいなくなってからは、もう選手が出て行く一方で、暗い話題ばっかり。下からの突き上げも少ないし、層はどんどん薄くなっています。

 ただこのオフに関しては、戦力的な上積みは少ないかもしれないですけど、抜けた選手も少ないですよね。そういう意味で、期待してもいいのかな、と思います。


◎千葉ロッテマリーンズ
試合に出る捕手が見えてこないことで低調な評価に……

(※予想……高橋:6位/蔵:5位/持木:4位/菊地:5位/鈴木:6位/西山:6位)

鈴木 今のロッテの不甲斐なさといったら……ファンだからこそ、あえて最下位予想にしました。

 秋季キャンプで死ぬほど練習したらしいですけど?

鈴木 でも、普通のプロでは当たり前のレベルらしいです。バレンタイン監督時代に生まれてしまった甘えた体質が、伊東勤監督になってようやく変わったらしいです。

 あー、それはベイスターズにおける権藤博監督時代と同じですね。それを払拭するのには10年以上かかる(笑)。

鈴木 ドラフト1位の中村奨吾も即戦力か怪しいです。

菊地 クルーズや根元俊一らとの競争次第、ということなんでしょうけど。

鈴木 「京大」という看板で騒がれているドラフト2位の田中英佑の評価は?

 今すぐは難しいですよね。でも、モノはいいです。ストレートは速いし、ハートもいいし。

菊地 取材をしたスポーツライターの谷上史朗さんによると、「高校4年生」くらいの感覚らしいです。本人も「シーズン終盤に1軍を経験できれば」と言っているくらいですから。

鈴木 明るい話題としては、デスパイネが残留してくれました。

高橋 彼はストレートの打率が4割超え。ほとんど穴がない選手です。確かに残留したのは大きい。7月に国際試合で抜けるみたいですが。あと、ロッテで期待したいのが、昨季クローザーに定着した西野勇士。彼は平均球速が144キロ。平均でこれはかなり速い数字です。そして、フォークはほとんど打たれていません。彼の前を投げる中継ぎ陣もいいので、あとは打線がもっと噛み合えば、というチームです。


▲育成選手から「侍ジャパン」となった西野勇士

鈴木 確かに、涌井秀章にしても負け越しはしましたが、援護は少なかったですもんね。

高橋 その傾向は涌井以外の投手でもありました。2年目の石川歩も期待できる投手だし、明るい材料は間違いなくあります。

菊地 ただ、ロッテの場合はキャッチャーが……。この選手を要に据えることでチームが上昇気流に乗りそうだ、という軸がいないのはチームとしては問題だと思います。

高橋 以前、岡田彰布さんに聞いたのが、キャッチャーは競争させるものじゃない、ということ。こいつ、と決めた選手と心中するくらいじゃないと、本当の意味でのレギュラーは作れないポジションだと言っていました。というのも、競争してしまうと、どうしても「人と変わったことをやろう」となってしまう。キャッチャーという特性上、それはチームや投手陣にとってマイナスでしかない。

持木 ロッテは、守りの軸を作っていい時期ですけどね。伊東監督も次が3年目。去年、それをやっておけよ、という気もするけど。ちなみに、益田直也はどうしてクローザーを外されたんでしょう? 藤岡貴裕の使い方にしてもそうですが、ロッテの場合は「どうしたいの?」という起用法が多い。

高橋 益田は、抑えることは抑えるけど、打ち込まれると止まらない。そういう意味で評価は下がったけど、使い方次第ではまだまだ面白い存在のはずです。藤岡に関しては、ストレートが打たれてしまう。もっと変化球の割合を増やせば、成績はよくなっていいはずです。

鈴木 そういう意味でも、やっぱりキャッチャーが大事なんですよねぇ……。

今回はここまで


 次回は2014年パ・リーグAクラスに入った3チームの戦力分析と最終的なパ・リーグの予想順位をお送りします。お楽しみに!


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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