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【プロ野球10大ニュース】初もので新春気分先取り!? 2017年、記憶に残る「初」と「新」は?

【プロ野球10大ニュース】初もので新春気分先取り!? 2017年、記憶に残る「初」と「新」は?

 今年も実に様々なことが起こったプロ野球界。週刊野球太郎では2017年のまとめとして『2017年プロ野球界 10大ニュース総ざらい!』をお届けしてきた。最終回となる今回は、初もの・新春気分を先取り! というわけでテーマは「新」と「初」。2017年に生まれた新監督や新記録、ちょっとめずらしい初ものをピックアップ!

指揮官たちの「初」体験


■初もの@:西武・辻発彦監督

 初ものの一番手は、今季から古巣の指揮を執った西武・辻発彦「新」監督。1995年以来、実に22年ぶりに西武のユニフォームに袖を通した。

 3年連続でBクラスに沈んだチームをどう立て直すか。その手腕に注目が集まったが、「新」人の源田壮亮を見出し長年の遊撃問題を解決。また、中継ぎの立て直しにも成功し、チームを一気に2位へと押し上げた。

 CSでは3位の楽天に敗れてしまったが、来季はそのリベンジを含めて、どんな戦い方を見せるのか楽しみだ。

■初ものA:DeNA・ラミレス監督

 続いては監督として「初」の日本シリーズ出場を果たしたDeNA・ラミレス監督。

 日本シリーズでは2勝4敗でソフトバンクに屈したが、ペナントレース終盤の熾烈な3位争いを制し、CSファーストステージから神がかった勝利を重ねた戦いぶりは、ハマっ子を熱狂させた。

 また、10年連続Bクラスと暗黒時代をさまよっていたチームを、2年連続Aクラスに導いた手腕も見事。フロックでないことを証明した。来季は着々と狙いを定めてきたリーグ優勝に手が届くか。

■初ものB:広島・緒方孝市監督

 監督では、「初」の退場処分を食らった広島・緒方孝市監督も挙げたい。4月19日のDeNA戦で、攻撃時の微妙な判定を2度に渡ってアウトにされたことで激昂。猛抗議の末、退場処分を告げられた。

 現役時代を通じても退場は「初」。抗議でチームを鼓舞した結果、思わぬ(?)初ものがもたらされた。

■初ものC:侍ジャパン・稲葉篤紀監督

 「初」で忘れてならないのが、ついに始動した稲葉ジャパン。侍ジャパン・稲葉篤紀監督にとって、監督就任は自身のキャリアを通じて初めてのことだ。

 期待の若き指揮官として「初」采配を振るったアジア プロ野球チャンピオンシップ2017では、若手中心の「未来のWBC戦士」を率いて見事に優勝。2020年の東京五輪、2021年の第5回WBCに向けてどんなチームを作っていくのか。そして、どんな指揮官に成長していくのか。大いに注目したい。

初めてに悲喜こもごもの選手たち


■初ものD:初のタイトルホルダーが多数誕生

 こんなにも「初」受賞者が多いシーズンもないのでは、と思わせるほどに今季は初タイトルを獲得した選手が多かった。

 セ・リーグの打撃部門ではNPBの表彰対象となる6タイトルすべてが、「初」受賞の選手のものとなった。初の栄誉に輝いたのは以下の選手たちだ。

 首位打者賞=宮崎敏郎(DeNA)、最多安打者賞=丸佳浩(広島)、ロペス(DeNA)、最多本塁打者賞=ゲレーロ(中日)、最多打点者賞=ロペス(DeNA)、最高出塁率者賞=田中広輔(広島)、最多盗塁者賞=田中広輔(広島)。

 一方、パ・リーグの投手部門では表彰対象となる6部門中4部門が、以下のように初受賞の選手の手に渡った。

 最優秀防御率投手賞=菊池雄星(西武)、勝率第一位投手賞=千賀滉大(ソフトバンク)、最多勝利投手賞=東浜巨(ソフトバンク)、菊池雄星(西武)、最優秀中継ぎ投手賞=岩嵜翔(ソフトバンク)。

 「新」時代の到来を見ているようだが、新たな波が押し寄せるなか、3年連続で最多セーブ投手賞に輝いたサファテ(ソフトバンク)、4年連続で最多三振奪取投手賞の則本昂大(楽天)はさすがの一言。

■初ものE:田中広輔(広島)

 広島の不動のリードオフマン・田中広輔が、「初」の年俸1億円を突破。盗塁王と最高出塁率の2冠に輝いた今オフ、推定7800万円から約2倍増となる6200万円アップの1億4000万円で大台を突破した。

 リーグ2連覇の特需や、タイトル料も加味されているかもしれないが、結構な上がり幅。財布の紐が固かったころの広島の面影はどこかにいったようだ。

■初ものF:山田哲人(ヤクルト)

 年俸が上がった選手がいれば、もちろん下がった選手もいる。下がった選手のなかで初ものとして挙げたいのは山田哲人(ヤクルト)。推定3億5000万円から7000万円ダウンと「初」の減俸を提示された。

 2015年から2年連続でトリプルスリーを達成したこともあり、年俸は常に右肩上がりだった。しかし、今季は打率.247、24本塁打、78打点と山田にしては精彩を欠く成績に終わり、年俸にストップがかかった。

 再び3億円の大台に戻せるのか。ダウン提示された契約更改後の会見では「すっきり納得」の表情だった山田。心機一転、来季は巻き返してくるだろう。


引き分け、動員、東京大卒にも初ものが!


■初ものG:フレッシュオールスター

 オールスターゲームの前日、7月13日に若手の有望株を集めて開催されたフレッシュオールスターゲーム。1963年から53回(55試合)が行われてきたが、54回目にして、「初」の引き分け(0対0)という結果になった。

 こうなると難しいのは個人賞の選定だが、MVPには、無失点に抑えた両軍投手陣に甲乙をつけがたいなか、2本の二塁打が評価された曽根海成(ソフトバンク)が輝いた。また優秀選手賞は、力投揃いの投手陣にあってとくに光った藤平尚真(楽天)と古谷優人(ソフトバンク)が受賞した。

 ちなみに歴代MVPにはイチロー(マーリンズからFA)、青木宣親(メッツからFA)、中田翔(日本ハム)らが名を連ねているが、曽根はどこまで近づけるか。

■初ものH:観客動員数

 2017年のプロ野球は、セ・パ両リーグ全体の観客動員数が2513万9463人にのぼり、史上「初」の2500万人超えを達成。なかでもセ・リーグは、1402万4019人の観客動員を記録し、「初」の1400万人を突破した。

 チームに目を向けると、阪神が前年比2.8パーセント増、広島が同2.4パーセント増、そしてDeNAが同3.5パーセント増。好調なチームが順調に客足を伸ばしたことも大台超えを後押しした一因だろう。

 一方、パ・リーグは昨年の1113万2526人から1111万5444人と、わずかに2万人ほど観客動員を減らした。パ・リーグの足踏みがなければ、さらに総観客動員数を増やせたわけだ。そのパ・リーグなかで奮闘したのは楽天。前年比10.7パーセント増のすさまじい伸びを見せた。ベースボールパーク化を進めるKoboパーク宮城の取り組み、快進撃で驚かせたシーズン序盤からのフィーバーで、あらためて杜の都のファンの心をつかんだ。

■初ものI
宮台康平(東京大→日本ハム)

 2004年のドラフト9順目で横浜に入団した松家卓弘以来、13年ぶりに東京大からプロ野球選手が誕生。好左腕の宮台康平が日本ハム7位指名を勝ち取った。東京大卒は初ではないが、「東大法学部」出身としては「初」のプロ入りとなった。

 「東大法学部」といえば、最高学府のなかの最難関学部。最高峰の頭脳とプロから見込まれた野球の才能を備えた宮台が、通用するか楽しみだ。

 大学時代は、侍ジャパン大学日本代表に選ばれ、日米大学野球選手権にも出場。東京六大学では通算6勝。話題性だけではなく、実力を示してきた。下位指名評価を覆す活躍を期待したい。


開幕からオフまで初もの尽くし


 「初」や「新」にフォーカスするだけでも、今年もいろいろな出来事があった。

 なかでも、筆者は観客動員数の伸びがとくに気になった。ちなみに筆者は西武ファンなのだが、明らかにメットライフドームの客足が増えていると感じていたら、前年比2.0パーセント増だった。好調なチームをファンが見たいのはファンにとって当然の心理。順位を引き上げ、ファンを球場に集めた辻「新」監督、まさにあっぱれである。

 来年はどんな「初」や「新」が生まれるのか。来年のこの連載企画に向けて新たな「初」と「新」をストックしていきたい。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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