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全力疾走からはじまる意識の徹底〜大学最高峰の名にふさわしい振る舞いを〜

【この記事の読みどころ】
・攻守交代がダラダラ見える東都大学リーグ
・早稲田大は強いだけじゃない、振る舞いが素晴らしい
・生まれ変わった日本大がいいお手本になってほしい

●日本大野球部の大きな変化

 日本大学が7季ぶりの東都大学リーグ1部復帰を決めたこの春。入れ替え戦に現れた日本大の選手たちは、前回1部にいたときとは明らかに雰囲気が違っていた。もちろん選手の大半が替わっているのだから当然といえばそうだが、チームとして『全力疾走』の徹底がきちんとなされていた。グラウンドへ飛び出す選手たちはもちろん、ボールボーイやバットボーイに至るまで動きがキビキビとしていた。

 もう10 年近く前になるが、現在、広島東洋カープでプレーする篠田純平と同期の金田豊主将(当時)は、ベンチとポジションである三塁までをいつも疾走していた。だから、チームに『全力疾走』という概念が皆無だったわけではない。残念ながら、その後に引き継がれなかったのだろう。しかしながら、今年のチームはそれを意識的に行うよう改革した。もちろんプレー中の走塁意識も高く、練習でも手を抜くことを許さない雰囲気があったという。

 ここ1〜2年だろうか、東都の試合を見てもダラダラとした光景を見ることが少なくない。もちろん見ていて清々しくなるほどの動きを見せてくれる選手もいるのだが、あまりその部分に重きを置かなくなったのか、と思うほどの著しい変化を感じている。

●ただ強かっただけじゃない早稲田大

 さらに、大学選手権で他リーグの試合を見て、攻守交代の迅速さに目を奪われた。「あの選手は動きがいいな」と思う間もなく走り過ぎ去っていった。ナイン全員が一斉にベンチを飛び出し、守備が終われば颯爽と駆けて戻って来るのだ。

 優勝した早稲田大は、その中でも一際光っていた。ベースコーチャーが学生ということもあり、互いに競争するかのように一塁、三塁へと走っていく。その姿に、役割は違えど全員で戦う姿勢がはっきり見受けられた。実力はもちろん、試合で見せる行動までもが日本一にふさわしいものだと心に刺さった。東京六大学リーグの代表として結果はもちろん、ひたむきに、全力でプレーするスタイルを鮮烈に残した大会だった。

●大学最高峰の名にふさわしい振る舞いを

 その一方、大学選手権に東都代表として出場した専修大。リーグ戦を見ていた限りでは、『全力疾走』をしている印象は薄かった。もちろん二塁手の伊與田一起(3年・明徳義塾高)は、「いつの間に?」と思うほど、瞬く間にポジションについており、攻守交代が早い選手がいないわけではない。

▲堅実な守備を見せる伊與田。野球熱の高さが伺えるプレーぶりだ

 そんな専修大は早稲田大との試合の途中から、明らかに雰囲気が変わったように感じた。守備位置に散っていく際、味方の攻撃が終わると同時にベンチを飛び出し、素早く各ポジションに駆けていった。

 早稲田大は初めに記した通りで、また、専修大の初戦の相手、京都学園大も攻守交代時の機敏な動きが印象的だった。他チームに影響を受けたからであろうこの変化は、試合に敗れたものの好材料だったと言える。


 来秋のドラフト候補に挙げられている日本大の京田陽太(3年・青森山田高)は、6月末に行われた東都選抜 対 韓国大学選抜の試合でも、一目散にグラウンドへ駆けていく姿が際立っていた。リーグ戦だから、チームとしての決め事だから――。そんな表面的な理由ではなく、環境が変わろうとも意識を高く持って貫き通す京田にこれからも大いに注目していきたい。

▲全力プレーを貫き通してほしい京田陽太

 生まれ変わった日本大が1部に戻り、秋にはどのような試合を見せてくれるのか。また、他の5校にどのような影響をもたらすのか。

 東都はレベルが高いと言われるからこそ、“心技体”のいずれでも大学トップクラスのクオリティを期待したい。「やっぱり東都ってすごいな」と思われるリーグであり続けてほしい。


■ライタープロフィール
山田沙希子(やまだ・さきこ)/東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速中。イベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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