プロ野球2013・ブレイクした投手ランキング
日本シリーズも終了して、プロ野球界はストーブリーグ真っ只中。試合をしているのはアジアシリーズを戦っている楽天だけで、他11球団のファンは野球に“餓えた”日々を送っているのではないだろうか。
そこで今回の『プロ野球なんでもランキング』では、2013年シーズンを振り返る意味で「今年、ブレイクした選手」を、投手と野手にわけてランキング形式で選定した。
ここでいう「ブレイクした」とは「昨年までと比べて、大幅に（成績などが）飛躍した」選手と定義している。つまりルーキーの小川泰弘（ヤクルト）や則本昂大（楽天）らは泣く泣く選定対象外とした。また好成績をあげるために働きに来ている、助っ人外国人選手も除いている。
なお、所属球団名の横に記載している〇年目はプロ入団後の年数。ファンのみなさんに、その選手がブレイクするまでの「道のり」を想像してほしいために、記してみた。
古谷拓哉（ロッテ／8年目）
あわやノーヒットノーランの快投
昨季まで1軍では通算4勝しか挙げていなかった男が、ブレイクを果たした。兆しは5月30日の2軍戦で、DeNA相手にノーヒットノーランを記録したあたりから。この好投が首脳陣の目にとまり、1軍に昇格。
そして今季初登板初先発となった6月26日のオリックス戦でもあわや完全試合、あわやノーヒットノーランという快投を演じた。最終的に9勝1敗と大活躍し、CSでも好投をみせた。
佐藤達也（オリックス／2年目）
最多ホールドポイントを記録した右腕
埼玉・大宮武蔵高−北海道東海大−Hondaを経てプロ入りした、佐藤の昨季の登板数はわずか14試合。それが今季は一気に67試合に登板。防御率1.73、奪三振率10.15を記録し、リーグ最多の40ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎ賞のタイトルを獲得した。高校、大学と無名校出身ながら、プロ入り2年目にして大ブレイクを果たした。
大野雄大（中日／3年目）
プロ入り初の2ケタ勝利はお見事！
12年ぶりのBクラスに沈んだ中日で唯一、規定投球回数を満たして今季10勝10敗、防御率3.81をマーク。自身初の2桁勝利を挙げた大野のブレイクを待ちわびていたファンも多いだろう。ドラフト1位で入団も昨季までの一軍登板数はわずか10試合。それが今季は25試合に登板し、チームの苦しい投手の台所事情のなかでローテを守る活躍をみせた。
岡田俊哉（中日／4年目）
落合GMに褒められた鉄腕左腕！
その大野と同僚の岡田も今季、ブレイクを果たしたひとりだ。昨季まではケガの影響もあり1軍登板はゼロ。しかし今季は66試合に登板し、7勝5敗2セーブを挙げた。厳しい契約更改が続く中日で落合GMが「お前がいなかったら最下位だった」と最上級の褒め言葉をもらったという。期待されながら結果を出せなかった投手だけに、来期以降も大きく羽ばたいて欲しい。
矢貫俊之（日本ハム／5年目）
勝ち試合に連日登板の心意気は見事！
登板数でいえば、昨季の22試合から今季は57試合に登板した矢貫も、ブレイクした投手といってよいだろう。勝っている場面で先発投手が崩れると、毎回のように登板する矢貫は今季、低迷するチームを支えた陰の功労者として忘れてはならない。シーズン後半からケガで戦線離脱したが、来季はまた元気な姿をみせてほしい。
今回は泣く泣く、選定から外したルーキー・小川泰弘（ヤクルト）。26試合に登板して16勝4敗と大活躍。完封数3と勝率.800はセ・リーグNo.1だ。新人投手ということで「ブレイクした選手」から外したものの「衝撃度」という意味では群を抜いている。セ・リーグは他にも、菅野智之（巨人）や三嶋一輝（DeNA）など、ルーキー投手が活躍したシーズンでもあった。
パ・リーグでは中継ぎで圧倒的な存在感をみせた千賀滉大（ソフトバンク／3年目）、先発ローテを守った西野勇士（ロッテ／5年目）など育成選手からの台頭が目立った。他にも、ケガで離脱してしまったが菊池雄星（西武／4年目）や金刃憲人（楽天／7年目）、長谷部康平（楽天／6年目）も今年ブレイクした、ブレイクの兆しを見せた選手に該当する、と見る。
読者の皆さんにとってのブレイク選手は誰か？ オフシーズンの今だからこそゆっくりと考えて、同時に来シーズンの活躍を祈ろう！
■ライター･プロフィール
鈴木雷人（すずき・らいと）…会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。"ファン目線を大切に"をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは
@suzukiwrite。
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