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由規復活か!? 唐川侑己、中田翔、由規ら、2007年高校生BIG3の現在地を探る



 「◯◯三羽ガラス」、「◯◯BIG3」、「◯◯四天王」。これらは、毎年のようにドラフト候補につけられるボジョレーヌーボーのようなキャッチフレーズだ。しかしプロ入り後、キャッチフレーズ通りに全員が活躍することは数えるほど。だが、今から9年前にあたる2007年のドラフト会議の時に「高校生BIG3」と呼ばれた3人は、近年で最も輝きを放ってきたのではないだろうか。その「高校生BIG3」とは唐川侑己(ロッテ)、中田翔(日本ハム)、佐藤由規(ヤクルト)。彼らの現在地を確かめてみたい。


◎早熟とは言わせない! 唐川侑己

 「高校BIG3」の中で一番早く実績を残したのが唐川侑己(ロッテ)だった。唐川は1年目の2008年4月に先発登板。プロ初登板で初先発初勝利をマークする上々のスタートを切った。この勝ち星は平成生まれの初勝利というおまけつきだった。順調にキャリアを積んだ唐川は、2011年に初の2桁勝利を挙げ、2012年は途中離脱ながら8勝2敗。順風満帆にみえが、ロッテのエースになるのか!? と思われた矢先に、球速の低下が顕著となり成績も下降してしまう。

 今シーズンはゴールデンウイーク明けにローテーションに入ったものの、よい結果を残せず、今はローテーションの当落線上にいる。まずは、信頼を勝ち取り、涌井秀章、石川歩の2枚看板に続く3番手を手にしたい。

 ここで輝きを失うのはあまりにも早い。


◎侍の主砲へ! 中田翔

中田翔は、唐川と由規の2人に比べると時間をかけて成長してきた。2軍でじっくり体を作って成績を残し、1軍昇格後は控えからレギュラーへ。そして、4番打者に成長したように、チームの描いた育成ロードマップにしっかりと乗ることができた。現在は侍ジャパンの主砲という重責も果たしている。スタートは遅かったが、現在のところ最も輝いているのは中田で異論はないだろう。

 やんちゃ坊主で強面の中田ではあるが、情に厚いことでも有名だ。先ごろ、北海道の山中で起きた少年の行方不明事件では、日本ハムファンのその少年が無事に保護されたことを、我がことのように喜んでいたのは記憶に新しい。さらに昨年の交流戦でのライバル宣言では、故障で1軍登板のない由規に「早く投げられるようになってほしい」と気遣いをみせた。

 中田対由規。高校時代からしのぎを削ったライバル対決が再び叶うことを期待したい。


◎復活を目指す! 由規

 161キロの日本人最速を計測したのも今は昔。由規は2011年9月3日から1軍での登板がない。右肩の故障で手術を繰り返し、2016年は育成契約となってしまう。支配下登録を勝ち取るために奮闘している今シーズンは順調だ。中10日以上の間隔でローテーションを守り5回、6回を投げている。

 6月22日には、イースタン・リーグの巨人戦に先発。真中満監督、小川淳司シニア・ディレクターが見守るなか、由規は初回、2回とパーフェクトピッチングをみせ、最速は151キロをマークした。味方のエラーから2失点したものの終わってみれば、5回を2失点(自責0)、8奪三振、2四球。98球でまとめてみせた。

 なかでも、2回裏に146キロのストレートをアウトローに投げ込み、見逃し三振に奪ったのは圧巻だった。ヤクルトの先発投手でそこまでの球を投げる選手がいるのだろうかと、しばし考えてしまった。

 この好投をうけ、試合後に由規の支配下登録が正式に決まった。7月8日からの中日3連戦で復帰する見込みだ。

 昨シーズンは館山昌平が度重なる手術からの復活。ファンの涙を誘い、チームを優勝に導いた。今シーズン、その役目を担うのは由規以外にはいない。チーム状況がよくないなか、後半戦のキーマンとして輝けるだろうか。


 彼ら「高校生BIG3」の輝いている時期が、それぞれに違うのは運命なのだろうか。願わくば、野球ファンとして3人が同時期に輝き、対戦する姿をみてみたいものだ。


文=勝田 聡(かつた さとし)
松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中

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