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金満球団のたわむれと言うなかれ。的を射た補強で盤石!? 「由伸巨人」の2シーズン目を占う


 史上初のFA選手3名獲得を始め、トレード、外国人助っ人などあらゆる手を使って戦力の補強を行った巨人。

 「少し獲りすぎかなと思う。監督の力量次第だね」とラミレス監督(DeNA)もあきれる(うらやむ?)ほどの大補強となったが、果たして3年ぶりのV奪還へつながるのか。

 来季、高橋由伸監督体制は2年目を迎える。あらためて、今オフに獲得した選手をおさらいしながら、「由伸巨人」の来季を占ってみたいと思う。

先発の数は整った。あとは活躍するのみ


 まずはFAとトレードで2名の投手を補強した先発陣から考えてみる。

 今季の先発陣はエース・菅野智之、侍ジャパンに選出された左腕の田口麗斗がローテーションの軸。高木勇人、マイコラス、内海哲也、大竹寛らが脇を固めた。

 中堅のエースに売り出し中の若手が続いて、ベテランが支える。そんな布陣だった。

 一見バランスのいい構図だが、実情を見ると計算できるのは菅野くらい。頭数は揃っているものの、ブレイクした田口の来季の調子次第で、再び先発に泣かされる日が増える可能性がある。

 それだけにFA、トレード市場に出た先発投手を獲得したことには意義がある。

 DeNAからFA移籍した山口俊は、先発として2ケタ勝利を挙げたのは今季が初めて(13勝)。抑えの経験があり、その実力は巨人でも指折りなので、万が一のときは配置転換してもいいだろう。

 日本ハムからトレードで獲得した吉川光夫は、2012年に大ブレイク。2015年には2度目の2ケタ勝利を挙げた(11勝)。

 今季は日本シリーズのマウンドに立てなかったが、それでも7勝(6敗)を挙げており、まだまだ投げられる。

 蓋を開けてみないとわからない面も多いが、投手は1名でも多く揃えるに越したことはない。そう考えればなかなかの補強だ。


森福允彦が変える巨人のブルペン


 続いては日米から投手を補強した中継ぎ陣の検証に移ろう。

 今季の巨人のチーム防御率は3.45。これを先発陣と救援陣に分けると、先発陣の防御率3.37に対し、救援陣は防御率3.63とやや落ち込んでいる。

 わずかな差だが、セ・リーグの他球団を見るといずれも「先発陣の防御率<救援陣の防御率」という数字になっているので、救援陣は、先発陣以上に着手すべきポイントだとわかる。

 そこで中継ぎ強化目指すために獲得したのが、ソフトバンクからFA移籍した森福允彦と、マリナーズからFAとなったカミネロの2投手。

 まず森福については、かなり「高得点」を与えたい人選と言える。

 ソフトバンクの最強中継ぎ陣の中核として、ここ6年中5年、50試合以上に登板した経験値を持つ森福。2016年も50試合に登板し、防御率2.00と抜群の安定感。

 今季の巨人の左腕中継ぎ陣は、山口鉄也と戸根千明がともに防御率4点台と振るわなかった。森福はその穴を埋めつつ、彼らの負担も減らすことができるというこれ以上ない投手なのである。

 また、カミネロはMLBで一貫して中継ぎとして起用されてきたスペシャリスト。164キロのストレートと、MLBの打者を相手に23%の空振り率を誇るスプリットを引っさげての来日となる。しかし、日本の野球に順応できるかは未知数だ。

 それだけに森福にかかる期待は大きい。実績は十分なので、プレッシャーをはねのけて活躍してくれるだろう。

東京ドームで水を得た魚になる


 最後は野手陣を検証。打線の核になることを期待される2選手が加入した。

 まずは日本一となった日本ハムからFA移籍した陽岱鋼。

 今季は打率.293、14本塁打と打撃好調。1番、3番、6番で出場した。2015年は骨折で調子を崩していたが、取り戻して見せた。

 2013年の47個をピークに、年々盗塁が減っていることから脚力の衰えを不安視されているが(今季は5盗塁)、広い札幌ドームから狭い東京ドームへとホーム球場が変わるため、影響は少ないと見る。活躍できる可能性は高そうだ。

 MLBのタイガースから連れてきたマギーは、獲得の経緯を見るとあくまでも阿部慎之助と村田修一のバックアップ要員という雰囲気。「備えあれば憂いなし」ということだろう。

 しかし、そういう役割の助っ人外国人に約2億円の年俸を投じられるのだから、本気を出した巨人はやはりすごい。


2017年のセ・リーグは「筋書きのあるドラマ」?


 筆者が前述した投手陣、打線の補強内容を「◎」「◯」「△」の三段階でまとめてみると、以下の評価となる。

■先発:◯
■中継ぎ:◎
■打線:◯

 各カテゴリーで獲得できうる限りの選手を獲得したことで、第1の目的である戦力の強化は確実に図れた。

 特に今回はリスクヘッジのことまで考えて選手を獲得しているのだから、万全の態勢が整ったと見ていい。

 バックアッパーまで故障しない限りは、高い確率で「由伸巨人、悲願の優勝」というシナリオへ向かって突き進んでいくはずだ。

 しかし、「絶対」がないのが野球。「まさか」が起きるのが野球である。

 野球とは本当に「筋書きのないドラマ」なのか。セ・リーグのほかの5球団にとっては、その格言を試されるシーズンになりそうだ。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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