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《2016トライアウト》もう一度、あのグラウンドへ。トライアウトに挑む選手が抱えたドラマとは?


11月12日に阪神甲子園球場で、13日に阪神鳴尾浜球場で行われる今年の12球団合同トライアウト。

 戦力外を告げられた選手たちが、「まだまだやれる!」とアピールするための最後の舞台である。

 週刊野球太郎では全3回に渡って、今年の戦力外選手のなかからトライアウトへ挑む選手、もしくは挑んでほしい選手を取り上げていく。

 第2回となる今回は、トライアウトに挑戦する選手をカテゴリー別に紹介していきたい。

松坂世代の2投手〜輝くマウンドへ、もう一度


 かつて栄華を極めた「松坂世代」も、ほとんどの選手が今年で36歳。和田毅(ソフトバンク)、村田修一(巨人)のように今なお第一線で活躍している選手の方が珍しくなった。

 今年も松坂世代から何人かの戦力外通告者が発表され、引退する選手も出てきた。しかし、まだまだプロで勝負したいとトライアウト受験を表明する猛者もいる。

 久保裕也(DeNA)と新垣渚(ヤクルト)である。

 大学を経由してプロに入り、今季で14年目。入団当初の所属チームで屋台骨を支えながらも新天地を求めて移籍。今季の登板数がともに1ケタなど、この2人には何かと共通点が多い。

 ここまできたら一緒にトライアウトから這い上がって、1軍で活躍してほしい。


今季への思いを来季に託す


 2016年が飛躍の年になるかと思いきや、夢半ばで戦力外通告を受けた選手もいる。その代表的な存在が西原圭大(広島)と中崎雄太(西武)だ。

 西原は社会人からプロ入りし、今季が3年目。2軍ながら主に中継ぎで最多登板し、1.50の防御率を記録した。しかし1軍から声がかかることはなく無念の戦力外となった。

 一方、2008年にドラフト1位で指名されながら、約8年に渡ってくすぶってきた中崎。心機一転フォーム改造に着手し、「テレビの画面から消えるフォーム」を手に入れたものの、1軍のイスはつかめなかった。

 とくに中崎は、弟の翔太が広島でクローザーとして大活躍していることからも、這い上がりたい気持ちはひとしおだろう。兄の威厳をかけた奮起に期待したい。

つかめ! ジャパニーズドリーム


 元プロにも門戸を開いているトライアウト。

 その制度を利用する選手ももちろんいる。佐藤貴規(元ヤクルト、現BCリーグ・福島ホープス)は今年で3回目となるトライアウトに臨むという。

 兄の由規(ヤクルト)は故障から育成選手となったが、再び支配下登録を勝ち取って、今季、実に1786日ぶりに1軍での勝利を挙げた。貴規もタイトルこそ獲得できなかったが、福島で腕を磨き続けている。

 まだ23歳だが、そんじゃそこらの23歳にはできない経験をしてきた。今こそ、その経験を生かすときだ。


目前に迫った運命の2日間


 こうして見ていくと、あらめてトライアウトに臨む選手1人1人にドラマがあることがわかる。

 そして一度スターダムにのし上がった選手でも、まだ陽の目を見ていない選手でも、目指すところは一緒。大勢のファンが待つ大舞台ということも伝わってくる。

 来季、その舞台に手が届くのは誰なのか。今はまだ、神のみぞ知るといったところだろう。

 次回は、これまでに取り上げた注目選手のトライアウトの結果を紹介する。乞うご期待!


文=森田真悟(もりた・しんご)

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