週刊野球太郎 野球の楽しみ方が変わる野球サイト

ドラフト指名選手たちは必読!?その出身地による意外なジンクスとは?

 ドラフト会議の結果、そして新人選手たちの展望を「ジンクス」「法則」から探っていくこのコーナー、3回目はさまざまな「出身」「出自」に焦点を絞って掘り下げてみたい。


沖縄出身選手は成功もするが何度もタイトルを獲得できない


 最多奪三振を獲得したことのある仲田幸司(元阪神ほか)や新垣渚(ヤクルト)、打点王を獲得したことがある石嶺和彦(元阪急ほか)、古くは最優秀防御率を獲得した安仁屋宗八(元広島ほか)など、沖縄出身選手で球史に輝く成績を収めた選手は多い。

 その一方で、何度もタイトルを獲得する選手が不思議と現れない、というジンクスがある。また、ある年は活躍しても続けて好成績が残せず、短命で終わることが多いのも沖縄出身選手たちのひとつの傾向だ。

 だが、そろそろこのジンクスは過去のものになっていいはずだ。タイトルこそないものの、中日の又吉克樹(西原高校出身)は2年連続で60試合以上に登板。また、DeNAの正捕手候補である嶺井博希(沖縄尚学高校出身)、巨人の宮國椋丞(糸満高校出身)などを始め、若手期待の選手にも沖縄県出身者は多い。


 2000年以降、急激に増えた「プロ野球沖縄キャンプ」によって、“意識の高い”沖縄野球人が増えてきた、と考えられるのではないだろうか。

 その証拠に、今年のドラフトでは日本ハム1位の上原健太(広陵高〜明治大 ※沖縄生まれ)と西武1位の多和田真三郎投手(中部商高〜富士大)、ドラフト1位でふたりの沖縄出身者が指名された。これは史上初の出来事だ。

 さらにオリックス3位の大城滉二(興南高〜立教大)、巨人3位の與那原大剛(普天間高)、ヤクルト4位の日隈ジュリアス(高知中央高 ※沖縄生まれ)、西武8位の國場翼(具志川高〜第一工業大)と、沖縄にゆかりのある選手が6名も指名を受けた。余談だが、広島6位の仲尾次オスカル投手(カントリーキッズ高〜白鷗大〜Honda)は両親が沖縄出身だ。

 この中から、何年にも渡って球界にその名を刻むタイトルホルダーが現れることを期待したい。

西武に指名された「関西出身高卒選手」は成功する


 今季のパ・リーグ本塁打王・中村剛也を筆頭に2013年の打点王である浅村栄斗、若き主砲・森友哉……この3名はいずれも大阪桐蔭高校のOBであり、今や球界にその名を轟かせる強打者たちだ。西武では彼ら大阪桐蔭トリオに限らず、関西系高校から入団した選手で好成績をおさめる例が多い。

 その代表格といえるのが、いわずと知れた清原和博や松井稼頭央(現・楽天)のPL学園高校OBだ。ほかにも、現キャプテンの栗山巧は兵庫の育英高校出身。現オリックスの中島裕之は伊丹北高校出身。正捕手の炭谷銀仁朗は京都の平安高校(現・龍谷大平安)出身と、挙げればキリがないほど関西系の“当たり”を引いているのだ。

 今年のドラフトでは、北は北海道、東北出身者から、南は沖縄、台湾出身者まで、バラエティー豊かな選手を指名した埼玉西武ライオンズ。残念ながら「関西系高校」出身の選手はいなかった。

 ただ、4位の大瀧愛斗(花咲徳栄高 ※埼玉県)の生まれは大阪。「関西系高校」にとどまらず「関西出身」なだけでも結果を残すことができるか、注目したい。


阪神に「捕手」で入った選手はいつの間にかコンバートされる


 最後はちょっと毛色の違う「出身」の話をしたい。阪神の秋季キャンプで、内野手・今成亮太の捕手再コンバート案が話題になっている。今成はもともと日本ハムに捕手として入団。その後、阪神にトレードされた際も当初は捕手登録だったが、2014年シーズンからは三塁手が主戦場だった。


 阪神には今成以外にも、「捕手出身」の内野手・外野手が多い。むしろ、阪神に「捕手」で入団するといつの間にかコンバートされる、という呪いに思えてしまう。

 たとえば、現在は外野手の狩野恵輔、中谷将大も入団時は捕手登録。引退した選手でも浅井良が捕手から外野手への転向組だ。また、関川浩一(元阪神、中日など)も阪神時代は捕手だったが、移籍後は外野手に転向。これも、「阪神に捕手として入団した選手」特有の呪いがもたらしたコンバートだったのではないだろうか。

 今年のドラフトでは明治大の捕手、坂本誠志郎がドラフト2位で阪神から指名された。藤井彰人が今季限りで引退したとはいえ、若手では梅野隆太郎や小豆畑眞也、ベテランでも鶴岡一成などが控え、中堅選手にも捕手人材が多い阪神。さらに冒頭で紹介した今成亮太が加わるとなると、12球団屈指の捕手激戦区といっても過言ではない。坂本誠志郎にはこの競争に負けず、そしてジンクスにも負けず、末永く捕手として活躍してもらいたい。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.29 2018ドラフト総決算&2019大展望号 好評発売中
おすすめ特集
2018ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方