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「Show The Spirit〜新成」巨人の2015年スローガンはマスコット・ジャビットにも課された使命だった!?

4連覇狙う「球界の盟主」。
でもマスコットは迷走中!?

 ドラフト指名は4人だけ。FA補強もポイントに絞り、既存戦力の底上げでV9以来の4連覇を目指そうという巨人。金にモノを言わせて選手を獲得しまくったかつての姿はなかったことにしたい……そんな意図も見え隠れする。

 同様に、かつての姿をなかったことにしようと奮闘中なのが巨人のマスコット・ジャビットだ。

●ジャビットはジャビットではなかった!?

 従来、「ジャビット」という名はあくまでも巨人マスコットの総称だった。ファミリーの長男には「ジャビィ」(背番号333)という名前があり、次男の名は「ジャバ」(背番号555)。かつてユニフォームの背番号の上にはカタカナで「ジャビィ」「ジャバ」と刺繍がされていたものだ。

 ちなみに、水玉リボンが可愛らしいのはジャビットファミリーの長女「ビッキー」(背番号777)、末っ子にあたる双子たちは「ツッピー」(三男)「チャッピー」(次女)と命名されていた。

 だが、巨人ファンであっても「ジャビィ」「ジャバ」の名はなかなか浸透せず、しかもこの2体の違いは背番号と帽子の有無だけ、という分かりにくさ。マスコットとしての人気も、ドアラやつば九郎の後塵を拝することになった。完全なるブランディングの失敗だ。

 だからなのか、ここ最近、マスコットに関する話題ではあくまでも「ジャビット」の名前だけを打ち出そうとしている。まるで「ジャビィ」や「ジャバ」という名前なんて始めからなかったかのように……。

 その証拠に、2014年春に刊行されたオフィシャルブックのタイトルは、そのままズバリ『ジャビットです。』だった。自己紹介ページでもあくまでも「ジャビット」を名乗り、本の中で1カ所たりとも「ジャビィ」の文字は存在せず。ユニフォームの名前の刺繍もいつの間にかなくなっていた。


 さらに、同時期に誕生した球団創設80周年記念の新キャラクター名称は「おじいちゃんジャビット」(背番号は球団創設年の1934)……ここからは、個別の名称ではなく、「ミスタージャビット」(ジャビィ、ジャバ)、「シスタージャビット」(ビッキー)、「キッズジャビット」(ツッピー、チャッピー)、「おじいちゃんジャビット」というカテゴリー名称を訴求したい、という狙いも透けて見える。

●eco活動も少年野球振興も行うマスコット

 必死になって再ブランディングに取り組んでいるジャビット。だが、名前をどうこうするよりも、もっと打ち出していくべき話題があるのではないだろうか。

 たとえば出自の秘密。ジャビットはウサギがモチーフではあるものの、あくまでも設定は宇宙人。そして、背番号「333」は、あの長嶋茂雄終身名誉監督からもらったものなのだ(初めて遭遇した地球人が長嶋茂雄氏だった、という説も)。

 また、球団ホームページでは「ジャビットeco日記」と題して、緑のカーペットを育てたり、折れたバットの再利用法やドームの節電術をレポートしたりと、球界マスコットの中でも率先してeco活動に取り組んでいる。

 さらに2004年からは、軟式少年野球の振興を目的として「ジャビットカップ」を開催。マスコット名を冠した野球大会は球界でも例がない。

 こんな王道なバックボーンや真面目な取組みこそ、もっともっと前面に打ち出していくべきなのだ。球界の盟主には、奇策よりも正攻法がよく似合う。球界の盟主のマスコットとして、もっと堂々とした振る舞いをしてほしい。

巨人軍は球界の紳士たれ。
ならば、ジャビットもマスコット界の紳士たれ。

 2015年シーズン、巨人のスローガンは「Show The Spirit〜新成」に決まった。原辰徳監督は「これまでのチームを一度解体し、より強いニュージャイアンツを作り上げ」ることを念頭に置いているという。これは、マスコットに対して向けられたメッセージでもあるような気がしてならない。

◆ジャビット・パーソナルデータ

所属:読売ジャイアンツ
背番号:333
デビュー年:1991年

生年月日:不明
出身地:とある星
身長:ひ・み・つ
体重:ひ・み・つ
尊敬する人:ナガシマシゲオさん

その他の球団マスコット構成:ミスタージャビット(ジャビィ、ジャバ)、シスタージャビット(ビッキー)、キッズジャビット(ツッピー、チャッピー)、おじいちゃんジャビット


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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