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ストライク先行の重要性を明らかにした日本シリーズ。明暗を分けた場面には打者有利のカウントがあった!


 日本ハムの10年ぶり3回目の日本一で幕を閉じた2016年の日本シリーズ。頂上決戦に相応しく、1点差以内で7回に突入したケースが4試合あり、終盤まで手に汗握る展開の連続となった。

 真っ赤に染まったマツダスタジアムを舞台に広島の連勝で開幕したときには、「カープが一気に押し切るのでは?」と思われた。

 しかし、北海道に舞台を移して息を吹き返した日本ハムが驚異の4連勝で逆転優勝。両軍の明暗はどこで別れたのか。色々な見立てがあるなか、本稿では「カウントの構築」に注目したい。

ストライク先行で投手有利、ボール先行で打者有利


 ご存じのように、野球には「0-0」から「3-2」まで12通りのカウントが存在する。このカウントが打者有利、投手有利といったシチュエーションを演出するのだ。

 今回の日本シリーズも御多分に漏れず、カウントが勝負の分かれ目を支配するかたちになった。両軍投手陣の被打率は、ストライク先行時には.138と投手が打者を圧倒。一方、フルカウントを含むボール先行時の被打率は.307だった。

 両軍合計で10本飛び出したホームランも、そのうち6本がボールが先行した時に記録されている。

松山竜平の大谷翔平撃ちはボール先行の「2-0」から


 広島が5対1で勝利した第1戦を見てみよう。2回に広島が相手守備の連係ミスに乗じ、本盗で先制点を挙げた。この失点は大谷翔平が先頭打者に「2-0」とボール先行を招き、結局、フルカウントから四球で歩かせたことがきっかけとなった。

 点差を2点に広げた4回の松山竜平のソロ弾も、「2-0」から大谷がストライクを取りにいった155キロを一閃したものだった。

 第2戦、広島の小窪哲也が右中間を割った先制二塁打は、増井浩俊がフルカウントからストライクゾーンで勝負しにきた速球を打ち砕いたもの。

 その後、同点とされて迎えた6回無死二塁、菊池涼介によるバスターからの左前安打で二塁走者・田中広輔がクロスプレーを制して生還した。リプレーによる検証で広島が勝ち越しを決めた場面もカウントはボール先行だった。

 叩きつけるには最適な高さにストレートが入ったのも、投手不利のカウントが影響したはずだ。


日本一を決定づけた2本の満塁弾の背景にも打者有利のカウントがあった


 舞台を札幌に移した第3戦、日本ハムが1点を追う終盤8回のこと。大谷が敬遠された直後の2死一、二塁、逆転タイムリーを放った中田翔の「4番の仕事」も、カウントも「2-0」から生まれた。

 延長戦に突入した10回裏2死二塁、大谷の一打でサヨナラのホームを踏んだ走者は、大瀬良大地が「2-0」とカウントを悪くした後のフルカウントから四球で出塁した走者だった。

 ロースコアの展開が続いた第5戦、1対1で迎えた9回裏、広島のマウンドには中崎翔太が上がった。中崎が投げた21球のうち、ボール先行での投球が11球。そのなかで四球、安打を許し、最後に西川遥輝の満塁弾が飛び出している。

 日本ハムに日本一の当確ランプがついた第6戦。8回、ジャクソンの投球も26球中14球がボール先行でのピッチング。そのなかで2本のシングルヒット、押し出し四球、レアードの満塁弾が生まれた。

 このように今シリーズは、野球好きに「ストライク先行」の組み立ての重要性をあらためて教えてくらた頂上決戦になったといえそうだ。


文=柴川友次(しばかわ・ゆうじ)
信州在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天応援の野球ブロガー。各種記録や指標等で楽天の魅力や特徴、現在地を定点観測するブログを2009年から運営の傍ら、有料メルマガやネットメディアにも寄稿。

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