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自費キャンプに靭帯損傷…20周年を迎えたマスコット界の2大巨頭が圧倒! プロ野球マスコットランキング!

 毎週、今季のプロ野球にまつわるさまざまな事象をランキング形式でお届けしてきたこのコーナー。最終週となる今回は、球界のマスコット事情についてのランキングをお届けする……つもりだったのだが、今季のマスコット界は圧倒的に2球団のマスコットが、質・量とも他の10球団を凌駕していた。その2つとは、ともに今年20周年を迎えたヤクルトのつば九郎と、中日のドアラだ。そこでこの2体にまつわるトピックをともに同率1位とし、3位として他球団のトピックスも振り返っていきたい。


祝・つば九郎20周年! 記念プロジェクトも成功


 1994年3月31日のスワローズ激励会で初お披露目され、同年4月9日の阪神戦で公式戦デビューを果たしたヤクルトスワローズの球団マスコット・つば九郎。ところが、記念すべきデビュー20周年となる今年は1月末までに契約更改がまとまらず、通常はチームとともに沖縄入りするのが、神宮での自費キャンプでスタートするという波乱の幕開けとなった。

 といっても金額でもめたわけではなく、4月に開催するデビュー20周年を祝うイベントの詳細が決まらなかったためだ。そして、そこまでこだわったイベントは「つば九郎20周年記念プロジェクト」と銘打たれ、「つば九郎成人(鳥)式」や「つば九郎バースデーパーティー」など連日スペシャルイベントを開催。セ・リーグ5球団のマスコット陣からお祝いメッセージが届くなど、ご意見番として球界マスコット事情を牽引してきたつば九郎に対して球界全体がお祝いムード一色だった。

 また、20周年記念本『成鳥 つば九郎』をはじめさまざまな記念グッズも発売されるなど、最下位だったチーム事情とは裏腹に明るい話題を振りまき続けた。

精力的な活動も靭帯損傷……がんばれ! ドアラ20周年


 1994年にデビュー。つば九郎のようにお披露目の会があったわけでもなく、いつの間にか認知度を広げ、今やそのパフォーマンス力は球界随一ともいわれるドアラも、今年デビュー20周年というメモリヤルイヤーを迎えた。

 4月には、電子連載エッセイ『さいふをなくした(全4話)』を発表。5月には『ドアラの愛した硬式 きおくにございません』をPHP研究所より発売するなど精力的に活動した。

 ただ、今年のドアラの活動でもっと印象的だったのは20周年がらみではなく、世間で大きな話題となった筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者支援のチャリティー活動「アイス・バケツ・チャレンジ」についてだった。名古屋市の河村たかし市長から指名されたドアラは、氷水の代わりにバケツに入れた硬式球をかぶったのだ。「アイス・バケツ・チャレンジ」ならぬ「ボール・バケツ・チャレンジ」に挑んだドアラの姿に、ファン以外からも賞賛の声が集まった。

 硬球を頭からかぶってもピンピンしていたドアラだったが、本業である「バク転」では昨年に続きケガをしてしまう。6月に右足首靭帯を損傷し、約7週間、バク転ができない状態になってしまった。昨年の契約更改では、ケガの影響もあって大好物の食パン1キロが750グラムへと減量されただけに、今年の評価がどうなるのか気になるところだ。

<◎番外編>つば九郎&ドアラ 20周年コラボグッズ続々登場!

 つば九郎×ドアラの20周年を記念して、さまざまなコラボグッズが販売されたのも2014年の大きなトピックスだ。これまでにリバーシブルポーチやTシャツ、フード付きタオル、スマホケースなどのコラボグッズが発売されている。

 そして、その大トリを務める記念グッズが今週28日(金)に発売される。その名も『つば九郎&ドアラ 球界No.1マスコットは俺だ! 漢(おとこ)の十番勝負!』と題したDVD。どこまでもくだらなくてユルい戦いが収められているというが、果たして……!?

新キャラ登場も盛り上がりはイマイチ!?

 つば九郎、ドアラ以外のマスコット事情で気になったのは2体の新キャラクターだろう。ヤクルトでは今年の5月4日をもって引退した「燕太郎」に代わるキャラクターとして5月5日から「トルクーヤ」が登場。「メキシコ出身の覆面レスラー」という設定だが、「中身は燕太郎のままじゃ……」などなど、物議を醸してくれた。

 球団創設80周年のメモリヤルイヤーだった巨人では、ジャビットファミリーの新メンバーとして「おじいちゃんジャビット」が登場。球団創設年である「1934」の背番号をつけたV9時代のクリーム色のユニフォーム、そして杖代わりのバットと白いあごひげがトレードマークだ。


 ただ、この2体の新キャラも、つば九郎とドアラ先輩にお株を奪われ、あまり目立つ活躍はできなかった。来季の奮闘に期待したい。

 奮起が期待されるのは、他の10球団のマスコットたちも同様だ。オールスターでのリレー勝負やパフォーマンス合戦が恒例行事になるなど、もはや球団マスコットは球界に欠かせない存在になっている。だからこそ、球界を今以上に盛り上げるため、つば九郎とドアラを蹴落とすくらいのプレゼンスを見せてほしい。


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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