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今年最後の甲子園での“伝統の一戦”は優勝争いもタイトル争いも左右するだろう試合に!?

【週間詳報】2013プロ野球投打タイトル争奪戦―今、現場で何が起こっているのか?
【激闘を振り返る! 先週のタイトル争いをダイジェストで紹介!!】(2013.08.27〜09.01)

3位・松永が先発昇格? の急展開(パ・リーグの最優秀中継ぎ)

 パ・リーグの最多HP(ホールドポイント)争いは、上位5投手だと1〜2点差の試合が3試合あったオリックスの佐藤達也が1つ、同じく3試合のロッテのカルロス・ロサが2つ、5試合の日本ハムの宮西尚生が2つ稼ぎました。

 シーズン終盤を迎え佐藤と松永昂大(ロッテ)のマッチレースになりつつありましたが、8月30日(土)に松永が先発に回り状況が変わっています。ロッテの先発・古谷拓哉が左肩の張りで抹消され、その穴を埋めるために松永が先発。5回4安打1失点と好投し勝利投手となり、古谷の復帰まで先発を務める可能性もありそうです。動向次第で佐藤の最多HP獲得の可能性は変わってきます。

 好調の宮西が急追する可能性もゼロではありませんが、佐藤との差は8で残り試合は互いに29試合。佐藤に何かアクシデントが起きない限り、かなり厳しそうな状況。松永がいない間に佐藤がどこまでHPを稼げるか、そして今週の公示情報に注目したいところ。

★パ・リーグ最多HP争い(〜9月1日)
1位 佐藤達也(オ)   33(+1)
2位 松永昂大(ロ)   30(±0)
3位 宮西尚生(日)   25(+2)
4位 増井浩俊(日)   24(±0)
5位 カルロス・ロサ(ロ)23(±2)
※( )は8月27日〜9月1日にかけてのHPの増加数

2位・上位陣そろって勝ち星伸ばせず(セ・リーグ最多勝)

 セ・リーグの勝利数の上位5投手は、先週いずれも1登板。しかし勝ち星を挙げたのは内海哲也(巨人)のみでした。小川泰弘(ヤクルト)、前田健太(広島)、菅野智之(巨人)は勝ち負けつかず、メッセンジャー(阪神)は負けがついています。

 いずれの投手も内容はまずまず。唯一調子が悪そうなのは小川で、3回6失点、6回途中5失点と2試合続けて試合をつくれていません。ルーキーであることや、所属するヤクルトのチーム状態を考えると、ここから積み上げられる勝ち星は限られたものになりそうで、最多勝争いはさらに混戦になること必至。

 残り試合とここまでの勝率からざっくり計算すると、ヤクルトはあと11勝、広島は12勝、巨人と阪神は16勝程度すると見込めます。それを5〜6人の先発投手で割ると、1人の投手が上積みできるのはヤクルトと広島は約2勝、巨人と阪神は3勝弱が目安。もちろん先発投手以外に勝ちがつく試合もあるので、それよりも減る可能性はあります。

 登板自体はあと4〜5回、その中で巡ってくるはずの2〜3回の勝利投手となるチャンスを確実に生かした投手が最多勝争いを制することでしょう。

★セ・リーグ最多勝争い(〜9月1日)
1位 小川泰弘(ヤ)   12(±0)
2位 前田健太(広)   11(±0)
2位 内海哲也(巨)   11(+1)
2位 菅野智之(巨)   11(±0)
2位 メッセンジャー(神)11(±0)
※( )は8月27日〜9月1日にかけての勝利数増加数

1位・村田が粘り強く首位キープ(セ・リーグ最多安打)

 村田修一(巨人)は、ブランコ(DeNA)を抜き、安打数セ・リーグトップにとなって先週1週間を迎えました。31日には月間最多となる46安打をマークするなど、20打数10安打と安打を重ね、トップをキープ。追うブランコも25打数8安打と追走しました。

 3位につけるマートン(阪神)も23打数7安打、4位の長野久義(巨人)も28打数8安打とヒットの本数は安定して記録しているのでタイトルは射程圏内といっていいでしょう。残り試合で巨人より3試合、DeNAより2試合多い阪神のマートンは若干有利なようにも映ります。

 5位の坂本勇人は調子を落とし24打数3安打。水曜から日曜まで5試合連続でヒットが出ておらず、こちらは少々厳しい状況か。

 各選手に残された試合数は30試合弱、大づかみで110〜130打席が回ってくると計算できます。セ・リーグの昨年の最多安打は長野と坂本が記録した173本。一昨年はマートンで180本。いずれも反発力の低かった統一球での記録ですが、これを超えてくるかどうか。回復させた反発力と同じくらいの微増という結果になりそうな気配です。

★セ・リーグ最多安打争い(〜9月1日)
1位 村田修一(巨)143本(+10本)
2位 ブランコ(中)140本(+8本)
3位 マートン(阪)138本(+7本)
4位 長野久義(巨)135本(+8本)
5位 坂本勇人(巨)133本(+3本)
※( )は8月27日〜9月1日にかけての安打増加数


【見逃したら後悔必至! 今週の注目カードはこれだ!!】(2013.09.03〜09.08)

3位・広島vs中日(3〜5日/マツダ)

 最優秀防御率、最多勝、最多奪三振の投手三冠に可能性を残す唯一の投手といっていい前田健太が3日に登板するとみられる。12勝目を挙げれば小川(ヤクルト)に並びハーラートップタイに、三振も9個奪えばメッセンジャー(阪神)の138個に並びトップに浮上する。中日は今季チームで唯一タイトルに絡んでいる岩瀬のセーブ数を増やせるか。

2位・楽天vs西武(3〜5日/Kスタ宮城)

 27本塁打のアブレイユ(日本ハム)に続き、24本で本塁打王争い実質2位につける浅村栄斗(西武)。打点は88で2位のアブレイユに8の差をつけてトップ。残り28試合で故障した中田翔(日本ハム)の28本を超えて、さらにアブレイユとの本塁打3本差を追いつければ二冠王への道が拓ける。打率は現在.317。上位4選手が3割2分台まで落とせば……まさかの三冠王も? この3連戦で田中将大(楽天)の登板はなさそうなのはラッキー。西武投手陣が、打率2位(.334)の銀次を抑える援護射撃を見せるかにも注目。

1位・阪神vs巨人(6日〜8/甲子園)

 最多奪三振でタイトルを視野に入れるメッセンジャー(阪神)と杉内俊哉(巨人)が登場するとみられる。勝利を挙げればメッセンジャーは12勝目でトップタイ。杉内は11勝目となり2位タイに。さらに藤浪晋太郎(阪神)の登板も予想されるが、こちらも勝てば11勝目でタイトルの可能性がわずかだが見えてくる。打者では村田修一(巨人)とマートン(阪神)の最多安打争いが熾烈に。


■プロフィール
文=秋山健一郎(あきやま・けんいちろう)

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