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指揮官の決断、リーダーシップ……、侍ジャパンがサッカー日本代表チームに学ぶべきこと


 来春の第4回WBCに向けた侍ジャパンの強化試合が行われた。メキシコとオランダを相手に迎えた4試合で3勝1敗。勝敗だけ見るとそう悪くはない。しかし、ファン目線でも様々な課題が見えた。課題を浮き彫りにすることが強化試合の目的ということを考えれば成功といえるかもしれない。

 そして、侍ジャパンの強化試合が終わった2日後に、サッカー日本代表のワールドカップへ向けたアジア最終予選が行われた。テレビで試合を見ながらサッカー日本代表チーム学ぶべきものがたくさんあると感じたので紹介しよう。

本田外しという大きな決断


 2010年のワールドカップ・南アフリカ大会からサッカー日本代表チームを引っ張ってきた本田圭佑(ACミラン)を、ハリルホジッチ監督は今回の大一番でスタメンから外す決断をした。

 ここまで、日本代表チームを引っ張ってきた大黒柱であろうと外す。そんな決断ができるのは外国人監督だからだろうか。いや、1998年のワールドカップ・フランス大会の最終メンバーから三浦知良(当時ヴェルディ)を外したのは日本人の岡田武史監督だった。重要な局面で大きな決断をする。これをサッカーの代表監督はやってのける。

 過去の侍ジャパンを見ると2009年の第2回WBCでイチロー(当時マリナーズ)は不振だった。第1ラウンドの韓国戦で3安打を放ったものの、決勝ラウンドに進むまでの成績は33打数7安打、打率.212。イチローとしては物足りない数字だ。

 しかし、原辰徳監督(当時)はスタメンからイチローを外すことはなかった。同じく不振にあえいでいた福留孝介(当時カブス)はスタメンから外れることがあったにも関わらずだ。

 結果的に決勝の韓国戦でイチローが決勝タイムリーを放ったので、イチローを使い続ける起用は成功だったのだが、イチローという大黒柱を外すことができなかったのは事実。その背景には、どんなに不振でもイチローは外さないという原監督の信念があったのかもしれない。

 第4回WBCの本番となる3月に、もし「大黒柱外し」というような決断をしなければいけなくなったとき、果たして小久保裕紀監督は決断できるだろうか。勝負師になるためには、ときに非情な決断をしなければいけない。

澤穂希の強烈なリーダーシップ


 女子サッカー日本代表のキャプテンを長らく務め、2015年に引退した澤穂希という選手がいる。ワールドカップに6度出場した「生けるレジェンド」だ。野球でいえば、すでに引退していることを含めて山本昌(元中日)のようなイメージである。

 澤は試合中、チームメートに「苦しくなったら私の背中を見なさい」と声をかけ、気持ちを切らさないようにチームを鼓舞し続けていた。どんなに劣勢になってもこのような言葉をかけられる強烈なリーダーシップを持った選手が侍ジャパンにいるだろうか。

 前回の招集まではキャプテンが選出されていたが、今回の強化試合ではキャプテンが置かれなかった。代表メンバー選出の会見で小久保監督は「キャプテンは置かない。常連メンバーたちなので役割はわかっている。嶋基宏(楽天)、内川聖一(ソフトバンク)が引っ張ってくれるだろう」と話している。

 キャプテン制を敷かないのであれば、キャプテンという名目がなくとも背中で引っ張ることのできる選手が必要だ。短期決戦ではチームの状態が悪いと、一気に流れを相手に持っていかれてしまうリスクがある。その悪い流れを断ち切ることができる強烈なリーダーシップを発揮する選手は選出されるだろうか。

 侍ジャパンよりも長い歴史を持っているサッカー日本代表チームに学ぶべきことはまだまだある。侍ジャパンもサッカー日本代表チームも日の丸のユニフォームに身をまとい、国を背負って戦っていることには違いない。競技の壁を超えて野球、サッカー両日本代表の健闘を祈る。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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