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楽天・松井裕樹に続け! 2016年に期待したいプロ野球若手サウスポー3人衆

 大谷翔平(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)、松井裕樹(楽天)といった若手投手が大いに躍動した2015年。特に松井裕樹は若干20歳で33セーブをマークし、2012年に青山浩二が記録した22セーブの球団記録を大幅に更新した。

 その松井に続けとばかりに、新たなるスター候補の投手たちが爪を磨いで2016年のシーズンに臨もうとしている。その中から3人の若手左腕投手にスポットを当てて紹介しよう。(所属年数は2016年シーズン時のもの)


菊池雄星(西武・7年目)


 まずは昨シーズン、自己最多タイの9勝(10敗)をマークした菊池雄星。甲子園を沸かし、当時は鳴り物入りでプロ入りした左腕もプロ入り7年目。ケガなどの影響もあり、いつのまにか「大谷翔平の(花巻東高の)先輩」という枕詞が定着してしまった感がある。


 ブレイクするかしないかのカギは、王者・ソフトバンク戦のピッチングにかかっている。実はこの菊池、初対戦の2011年から、ソフトバンク戦で白星を挙げることが出来ていないのだ。登板しながら勝敗がつかなかった試合を挟むと、対ソフトバンク戦は7連敗中。西武は昨季、ソフトバンクに7勝16敗2分と大きく負け越しただけに、ソフトバンク戦で菊池が初勝利を挙げることを、チームもファンも願っている。

 昨季は左ヒジ痛の影響もあり、シーズンを通じての活躍が出来なかった菊池。西武は先発投手候補の頭数が多く、競争は激しいが、先発ローテーションを勝ち取り、2ケタ勝利が大いに期待される。


田口麗斗(巨人・3年目)


 田口が名を上げたのは、広島新庄3年夏の広島大会。「奪三振マシーン」の評判通り、決勝戦にコマを進めると、相手も評判高い好投手・山岡泰輔(現東京ガス)を擁する瀬戸内が勝ち上がってきた。試合は期待通りの投手戦が繰り広げられ、延長15回を投げ合い、引き分けに。1日休養日を挟んだ再試合で敗れ、惜しくも甲子園出場はならなかった。しかし、その実力が評価されてAAAアジア野球選手権の日本代表に選出される。桐光学園・松井裕樹(現楽天)と双璧の高校生左腕として注目を集め、2013年秋のドラフト会議では巨人からドラフト3位指名を受ける。

 プロ1年目の2014年はイースタンリーグで7試合に登板し2勝0敗と、まずまずの投球を見せる。すると2年目の2015年4月11日のヤクルト戦でプロ初先発、7回1失点でプロ初勝利を挙げた。また、この試合では7回に勝ち越し打を放ち、自ら勝利に花を添えている。続く先発となった19日は高校時代に行けなかった甲子園での登板。6回途中まで2失点と試合を作るものの、初黒星を喫した。打線の援護に恵まれなかった試合もあって3勝5敗と負け越したが、オフの契約更改では年俸630万円から約3倍となる1800万円の大幅アップとなった。

 2015年の巨人は杉内俊哉、内海哲也と先発左腕が軒並み不調に終わり、年齢的にも大きな上積みは考えにくいだけに、新たな先発左腕として田口が名乗りを挙げたいところだ。


砂田毅樹(DeNA・3年目)


 北海道で育ち、高校は秋田の明桜に進学。高校時代は目立った結果を残せなかったものの高い将来性を買われ、2013年のドラフト会議でDeNAから育成1位で指名される。プロ2年目の春季キャンプでの紅白戦で1軍選手相手に2回無失点と好投。この力投が中畑清前監督の目に止まる。そして6月7日、支配下登録され、背番号が111から68に変更となった。

 連敗に苦しむチーム状況の中、6月14日の日本ハム戦で先発に抜擢され、地元・札幌ドームでプロ初登板を果たす。4回途中までノーヒットに抑える好投を見せるが、6回にピンチを作り、降板。後続の投手が逆転を許したために、負け投手となってしまった。それでも、まだ10代とは思えない緩急を使った投球と図太い精神力は首脳陣の評価が高く、先発左腕不足というチーム事情もあって、先発ローテーションの一角に加わる。7月8日の広島戦でプロ初勝利を挙げると、好投を続け、シーズン最後までローテーションを守り抜いた。

 2016年は左腕投手の代名詞である背番号47への変更が決まり、さらなるシンデレラストーリーに期待が集まる。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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