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ヤクルト・山田哲人が挑む夢の「40‐40」。過去の偉大な達成者たちを振り返る


 山田哲人が止まらない。

 7月4日の時点で、史上初の「2年連続トリプルスリー」は十分射程圏内。さらには、セ・リーグの打撃三冠も独走中。盗塁もあわせた史上初の「四冠王」までも視野に入ってきた。最多安打、出塁率を加えた「六冠王」だって、それ以上の記録すら十分に可能性はある。

 本塁打と打点は2位以下を大きく引き離しているだけに、今後の焦点は坂本勇人(巨人)との首位打者争い。そして、山田自身がケガなどで長期離脱をしないかどうか、くらいだろう。

 ただ、「2年連続トリプルスリー」も「三冠王」も見てみたいが、もうひとつ目指して欲しいのが日本人初のシーズン40本塁打、40盗塁。いわゆる「40‐40」だ。

 パワーとスピードという、人間の根源的な素養が試されるこの偉大な記録。メジャーリーグを見渡しても、過去にたった4人しか達成できていない、まさに歴史に残る大記録といえる。その4人の名を、今一度おさらいしておこう。

ホセ・カンセコ……1988年(24歳):42本塁打・40盗塁


 1964年、キューバの首都ハバナ生まれ。生後間もなく家族とともに米国へ移住。双子の兄は近鉄でもプレー経験があるオジー・カンセコだ。

 今でこそ「ステロイド問題」「お騒がせ男」として有名なカンセコだが、デビュー当初の衝撃たるやすさまじかった。レギュラー1年目に33本塁打を放ち、ア・リーグ新人王を獲得したのが1986年。そのわずか2年後に達成したのが、42本塁打(本塁打王)・40盗塁の「40‐40」だった。

 ただ、カンセコのベストシーズン、といえるのがこの1988年。124打点で打点王も獲得したが、翌年以降はケガの増加、さらには私生活でのスキャンダルも重なって数字もイメージもどんどん落としていった。


バリー・ボンズ……1996年(32歳):42本塁打・40盗塁


 今季はイチローのいるマーリンズの打撃コーチに就任し、ふたたびその名をよく耳にするようになったバリー・ボンズ。メジャー史上初の「500-500」(通算500本塁・500盗塁)を達成したことでも知られている。そんな彼でも、1996年のたった一度しか「40‐40」は達成できていない。

 ボンズといえば、カンセコ同様、現役終盤は常にステロイド疑惑がついてまわった。といっても、ステロイドを使いはじめたとされるのが2000年頃(※シーズン本塁打記録73本は2001年)。1996年の「40‐40」は、薬物抜きで達成した記録、とされている。

 上述したように、「40‐40」はさしものボンズでも一度だけ。ただ、30本塁打・30盗塁以上の「30‐30」は通算5回達成。これは、偉大な父、ボビー・ボンズとならぶメジャー最多記録だ。

アレックス・ロドリゲス……1998年(23歳): 42本塁打・46盗塁


 若干21歳にして首位打者を獲得したのが1996年のマリナーズ時代。それから2年後、23歳で達成したのが42本塁打・46盗塁の「40‐40」だ。

 その後はレンジャーズを経て、ヤンキースに移籍。2005年にはメジャーリーグ史上初となる20代での通算400本塁打達成など、さまざまな史上最年少記録を塗り替えてきた。

 ところが、2000年代後半からは度重なる薬物問題が浮上。2014年シーズンは全試合出場停止処分を受けるなど、近年はヒールとしての見方をされることも多い。

 そんな男も間もなく41歳。今年3月、2017年シーズン限りで現役引退することを発表している。


アルフォンソ・ソリアーノ……2006年(30歳):46本塁打・41盗塁


 日本の野球ファンにとっては「広島にいたソリアーノ」でおなじみ、アルフォンソ・ソリアーノが今のところ最後の「40‐40」達成者だ。達成したのは2006年だが、実は2002年にも39本塁打、41盗塁(盗塁王)で「40‐40未遂」を経験していた。

 その後も、なかなか40本塁打の壁を破ることができなかったが、2006年、ついに46本塁打を記録。メジャー16年で40本塁打以上はこの年だけ。千載一遇のチャンスをつかんで勝ち取った「40‐40」だった。

 ちなみにこの2006年は41二塁打も記録。「40本塁打・40盗塁・40二塁打」以上を達成したのは、史上唯一、ソリアーノだけだ。


 こうしてみると、ソリアーノ以外の3人に薬物疑惑があるため、クリーンな打者の「40‐40」達成者はソリアーノだけ、という見方もできる。そう考えると、山田哲人が「40‐40」を達成する偉大さがより顕著になる。

 過去、日本人で「40‐40」に一番近づいたのは1987年の秋山幸二(当時西武)。この年の秋山は43本塁打で盗塁数は38。わずか2盗塁、偉業に届かなかった(※秋山のトリプルスリーは1989年の31本塁打、31盗塁、打率.301)。

 ちなみに、ソリアーノ以外の3人と山田哲人には、全員が7月生まれ、という意外な共通点があった。7月16日、まもなく24歳を迎える山田哲人。今季が彼のピークなのか。それとも、さらに「先」があるのか。その成長曲線を見続けることが、同時代に生きるファンの務めだ。


文=オグマナオト

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