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【崖っぷちのドラ1たち】斎藤佑樹、桜井俊貴、高橋純平、横山雄哉、鈴木翔太の今春

文=藤山剣

【崖っぷちのドラ1たち】斎藤佑樹、桜井俊貴、高橋純平、横山雄哉、鈴木翔太の今春
 毎年12名しかいないドラフト1位。各球団の補強ポイントが異なるため、必ずしも「ルーキーベスト12・オブ・ザ・イヤー」ではないかもしれないが、大きな期待を背負ってのプロ入りであることは間違いない。

 ただ、ひとたびグラウンドに出れば、ドラフトの順位は無関係。下位指名からトップクラスに上り詰める選手や、ワンランク下の育成ドラフトからチームの主力に成長するケースはなんら珍しくない。

 逆に言えば、ドラ1でも安穏としていられないのが現実だ。「このままだと…」といった選手をピックアップし、改めてスポットライトを浴びられるよう、エールを送りたい。

桜井俊貴(巨人):2015年ドラフト1位


 立命館大時代は関西学生リーグで56試合登板し、防御率1.10という無双状態だった桜井俊貴(巨人)。ルーキーイヤーの2016年は先発として1試合、2017年はすべてリリーフとして19試合に登板したが、目立った結果を残せていなかった。そして2018年は、2軍で18試合に登板し(先発8試合、リリーフ10試合)、4勝0敗、防御率2.69とまずまずの成績を残すも、1軍登板なしに終わった。

 ただ、今季は、首脳陣が刷新されチームの方針や選手に対する見方も違ったものになるはず。オフのフェニックス・リーグでは先発3試合のうち、1試合こそ7失点と崩れたが、それ以外の3試合は1失点以下に抑える好投を見せた。その結果を見た原辰徳監督からも期待を寄せられている。このままでは終われない。

高橋純平(ソフトバンク):2015年ドラフト1位


 県岐阜商高時代には甲子園に出場し、2015年のWBSC U-18ワールドカップの日本代表にも選出。この大会は日本で行われたことで記憶している野球ファンも多いだろう。チームは甲子園での決勝でアメリカに敗れたが、高橋は準決勝のキューバ戦で勝ち投手になるなど活躍している。

 その年のドラフトでは、同年最多となる3球団が競合。抽選の末、交渉権を得たソフトバンクに入団した。しかしプロ入り後、1軍での登板は2017年4月14日のオリックス戦の1試合のみ。このときは、0対5と負けている状況の6回からマウンドに上がり、3イニングを投げ2本塁打を含む4失点。これを最後に、出番は与えられていない。

 2軍でも年間防御率が、2.22、4.70、6.46と悪化の一途。結果が出ないこともあって投球フォームも試行錯誤を繰り返しており、150キロ超のストレートがありながら、そのポテンシャルを生かしきれていない印象だ。

 昨オフは、志願してプエルトリコのウインターリーグに参戦。9試合で防御率7点台と好成績とはいい難い結果だったが、覚悟は感じられる。ドラフトで当たりくじを引き、さらには現役時代の背番号「47」を引き継がせた工藤公康監督に恩返しをしたいところだろう。

横山雄哉(阪神):2014年ドラフト1位


 新日鐵住金鹿島から入団した本格派左腕の横山雄哉。1位指名が2度も競合し、抽選で2度外れた末の指名とはいえ、1位であることには変わりない。

 プロ入り後はケガが相次ぎ、シーズンを通して1軍に定着できてはいないものの、先発として2016年が3試合で2勝0敗、2017年が1試合で1勝0敗と、使えるメドは立っている。

 昨年は8月に、前年から痛みがあった左肩のクリーニング手術を受けたこともあって実戦登板ゼロ。今季からは育成契約となる。2018年出場なしの投手を残したのは、まだ期待をかけているからだろう。まずは肩の状態を戻し、支配下登録への復帰を目指したい。

鈴木翔太(中日):2013年ドラフト1位


 聖隷クリストファー高時代は2年夏の静岡大会4強が最高で、甲子園出場はかなわなかったが、同校からは初めてのプロ野球選手となった鈴木翔太。しかもドラフト1位で指名を勝ち取った。

 球速は140キロ台中盤だが、そのスピード以上の威力を感じさせるのが鈴木のストレート。2017年には15試合に登板し、5勝5敗と1軍でも通用することは証明済みだ。

 昨年11月には、血行障害のため右手を手術。術後の痛々しい様子をインスタグラムにアップしている。ただ、経過は順調のようで、年明けにはキャッチボールができるまでに回復し、キャンプ前のナゴヤ球場での自主トレ中にはブルペン投球もこなしている。

 今季から背番号が「18」から「99」に。文字通りあとがない状況ではあるが、ケガが完治し、ストレートのキレが戻ってくれば、表舞台に立てるチャンスは巡ってくるのではないか。鈴木とは反対に「99」から「18」に背番号を変えた松坂大輔のように。

斎藤佑樹(日本ハム):2010年ドラフト1位


 早稲田実、早稲田大時代の実績はあらためて説明する必要もないだろう。鳴り物入りで日本ハムに入団し、1年目は6勝(6敗)とまずまず。2年目の2012年には開幕投手を務め9回1失点で勝利投手となり、4月20日には初の完封勝利も記録。このあたりまでは、まだ「ハンカチ伝説」は続いていた。

 しかし、そこからは一進一退のような状況に陥り、そうこうしているうちに右肩痛も発症。かつての躍動感にあふれるピッチングは見られなくなってしまった。

 2017年が6試合に登板し1勝3敗、防御率6.25。2018年が3試合で0勝1敗、防御率7.27。シーズン中に31歳となる年齢もあって、今季も同レベルの数字なら、なんらかの決断が下される可能性は低くなさそう。余人を持って代えがたいスター性があるだけに、復活に期待したいが…。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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