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昨季は上位と下位がそっくり入れ替わったパ・リーグの今シーズンを大予想!【後編】

 前回に引き続き、今季のプロ野球界の展望を、『野球太郎』編集部とライター陣による座談会で掘り下げていきます。今回は、昨季のパ・リーグAクラス(3位:日本ハム、2位:オリックス、1位:ソフトバンク)についてです。


◎北海道日本ハムファイターズ
戦力も優れたいいチームだが、爆発力は?

(※予想……高橋:3位/蔵:3位/持木:5位/菊地:3位/鈴木:3位/西山:5位)

鈴木 オリックス、ソフトバンクの「パ・リーグ2強」に対して唯一、噛み付けそうなのが日本ハムなんじゃないでしょうか。

高橋 日本ハムは、一昔前の西武みたいに、若手にはまだまだ使えるのがいますよ、というチームになっています。

 ドラフトでも、いつも次を見据えて下位まで面白い選手をとっていますよね。そして、自分たちで育ててやる、という気概が感じられます。今年も、大引啓次(ヤクルトへ移籍)と小谷野栄一(オリックスへ移籍)がいなくなっても、すぐ次の名前が挙がってくるのが、このチームの強さだと思います。

高橋 そこに、田中賢介が戻ってくるわけですから。

菊地 強いチームには精神的な支柱が必要不可欠です。稲葉(篤紀)、金子(誠)がいなくなった中で、田中賢介の存在は大きい。もちろん、中心になるのが中田翔や陽岱鋼なんでしょうけど。

持木 僕が心配なのは栗山英樹監督です。やっぱり出て行く選手のコメントからは監督批判が大きい。監督から排除された印象がなくもないし、求心力という意味でどうなのか!?

鈴木 そして、昨季、大活躍した大谷翔平はどうなるでしょうか?

高橋 ストレートの平均球速が152キロ。ストッパーでもこんな選手、いままでいませんでした。

 逆に、成長が速すぎたんじゃないか、という声もありますよね。以前と比べればテークバックでヒジがあまり上がってこなくなってしまいました。ひょっとしたら、このまま右肩上がりの成長曲線とはならないかもしれない。

菊地 昨年、『中学野球太郎Vol.4』で「将来的に投手の体と野手の体は違う、という声がありますが?」と質問をしました。そこで本人から出てきたのが「自分はまだそもそもプロの体になっていない」という考え方でした。本人としては、いまはプロの体になるために鍛える、という段階で、その後のことは、そこで考えればいい、ということなのかもしれません。

鈴木 京セラドーム大阪のバックスクリーンに打ち込んだ打球などを見ると、大打者になれそうだと思わせてくれますよね。期待の若手、という意味では、ドラフト1位の有原航平はどうでしょうか?

▲2014ドラフトで最多の4球団競合した有原航平(早稲田大時代)

菊地 キャンプにどういう体で、ちゃんと投げられる状態で来るかですよね。

 順調であれば10勝は狙える選手です。昨年、平塚で行われた大学日本代表選考合宿では2イニングしか投げませんでしたけど、短いイニングでは本当にすごい球を投げていました。よく例えるのが、DeNAの山口俊とか、巨人の西村健太朗です。素材はすごいけど、なかなか勝てないピッチャー。えっ、ここで? というポカがあるイメージです。でも、絶対能力が高いから10勝くらいはできるんじゃないかと。

高橋 上沢直之や中村勝……若手で期待したい投手も多いです。

 ただ正直なところ、このチームには、優勝する、というイメージが湧きません。優等生的な選手ばかりで、爆発力が感じられない。

高橋 去年までは「稲葉のチーム」でした。その稲葉がいなくなってどう変わるのかに注目ですね。チームとして、大きく変わる時期に来ているのは間違いありません。


◎オリックス・バファローズ
オフは補強に大成功! 優勝候補筆頭へ

(※予想……高橋:1位/蔵:1位/持木:2位/菊地:1位/鈴木:1位/西山:2位)

高橋 昨季は最後の最後まで優勝争いをして2位、そして観客動員も増えました。親会社が世界的な企業なので、実績を出せばオーナーも「いいでしょう」となって、戦力補強に結びつくことがわかった。期待を込めて1位予想です。

鈴木 このオフ、次々と補強を成功させたオリックスですが、その中で、中島裕之の加入はどういった影響を与えるでしょうか?

 どこを守るんですか?

鈴木 サードがショートだと思うんですが。

持木 去年、安達了一があんなに頑張ったのに? 本当に平等な競争をさせてもらえるのかが気になります。

菊地 そもそも、中島がショートを守れる状態なのか。ショートが守れないとしたら必然的にサード。そうなると、サードが小谷野、中島、ヘルマンでだぶつく。小谷野がファーストなのか……。でも、ファーストやDHにはDeNAから移籍してきたブランコもいるし、T-岡田はもう外野にまわるしかない?

高橋 でも、正直なところブランコはかなり下がり目です。ストレートが年々打てなくなっています。日本球界で続けたいという意志が強くて契約につながったみたいですけど、ペーニャを残したほうがよかったのでは? という声もあります。

菊地 駿太がようやくモノになってきたのが個人的には嬉しい点です。外野手の一角は駿太でしょう。

▲高卒1年目から1軍で起用され、期待されていた駿太がついに開花間近に

持木 そうなってくると、坂口智隆あたりはもう守るところがない。その辺のすべての不満要素を払拭するには、もう優勝するしかないんですよね。

鈴木 それだけ戦力が厚くなった、ということなんでしょう。あと、オリックスに関しては伊藤光の正捕手固定が大きいですよね。

 ただ、伊藤は腰が痛くて、だんだん低めの球が取れなくなっています。そのせいで投手陣の信頼を勝ち取れてない、という話を聞きます。(※編集部註・2009年に伊藤は椎間板ヘルニアで手術をしている)

鈴木 金子千尋の残留も、ある意味で「補強」でしたよね。

高橋 ストレートの被打率が1割5分台。「ネズミ」除去とはいえ、これだけ手術したことが話題にならない人も珍しい。それだけ安定感がある、手術によって崩れる、という不安にすらならない投手なんでしょうね。

菊地 それで、西勇輝がいて、ディクソンがいて。上積みが期待できる2年目の投手もいて。まあ、最多セーブを獲得した平野佳寿が、シーズン後半に崩れることが多かったですが。

持木 懸念材料としては左投手が少ない。その意味で、ドラフト1位の山ア福也の評価が気になります。

 彼は気持ちで投げる投手なので、1年目がダメならずっとダメだろうと。でも、今のメンバーだと先発は難しい。広島からバリントンも入ったし、左の中継ぎとしての起用になるのか?

菊地 佐藤達也を筆頭に、右の中継ぎは充実しすぎてますからね。ともかくオリックスに関しては、フロント全体の意識が変わり、雰囲気が変わってきたのが大きい。いよいよ、機は熟してきたのではないでしょうか。


◎福岡ソフトバンクホークス
楽しみと不安が同居する、日本球界に復帰する松坂に工藤新監督

(※予想……高橋:2位/蔵:2位/持木:1位/菊地:2位/鈴木:2位/西山:4位)

鈴木 最後に、昨季、日本一のソフトバンクですが、なんといっても注目は日本球界復帰の松坂大輔です。

松坂大輔(イラスト=横山英史)

菊地 松坂は、活躍してほしい、という気持ちが強い。というか、こんなもんでは終わってほしくはないですよね。松坂は常にスゴい投手であってほしい。

高橋 ただ、先発ではどうなのかなぁと。ヒジを故障する前から、負担がかかっている投げ方にしか見えない。僕はそれが気になっていて、そんなに期待はしていません。

菊地 日本のマウンドに戻ってきてどういう投げ方にするのか。西武時代に戻るのか、MLBからの延長になるのか。メジャーではマウンドで滑るからと、上半身の筋肉をつける投げ方に変えたわけですけど。

持木 そんなに簡単に投球スタイルが変わるのか、変われるのか?

 お金もかかってるし、ネームバリューもあるから、登板チャンスは多いはず。それであれば、7〜8勝はするのかな、と。

菊地 7〜8勝の松坂なんて見たくないですけどね。

鈴木 僕も15勝くらいは期待したいんですが、他の投手陣も安定している現状では、7〜8勝で終わっても不思議ではないかと。

菊地 ソフトバンクに関しては、「誰がチームのエースなのか?」となった時に、攝津正が少し落ちてきて、中田賢一か? スタンリッジか? といえば彼らにそこまでの求心力はない。金子千尋のいるオリックスとの差がそこです。松坂がそういう「エース」という存在になれば……。まあ、それでも、このピッチャーは10勝ぐらいするだろう、というのを足していけば150勝くらいしちゃいそうなチームなんですけど(笑)。

鈴木 ソフトバンクは投手陣以上に、野手が安泰ですよね。

高橋 ちょっと穴がないですね。

菊地 強いて言えばセカンドの本多雄一のところなんでしょけど、明石健志もいます。いずれにせよ、「打線」として考えた時、誰が何番にいても活躍できる選手が多い。

鈴木 ソフトバンクの穴を探すと、抑えかな、という感じがするのですが? サファテ、五十嵐亮太と活躍しましたけど、終盤に揃って、調子を落とした印象がありました。

菊地 日本シリーズでは勝ちましたけど、チーム全体でも後半は落ち気味でした。不安要所はその部分にもありそう。個人的には千賀滉大に復活してほしいです。

持木 あとは、3軍の人たちの昇格率が上がると、やっていることの意義が出てくるんじゃないかと。

菊地 白根尚貴とか、上がってくる気配がないですからね。あとは、工藤公康新体制、というのがどうなるのか。現役時代の求心力は通じないですよね?

西山 現役時代の工藤とともにプレーをしているのは、松中(信彦)くらいです。

持木 まあ、今の松中自身にも求心力があるのかっていうと……。

 普通、優勝すると緊張感が抜けるんで、そこに新監督が来たのは、むしろよかったのではないかと思っています。でも、これだけの巨大戦力でも一昨年前はBクラスだった、というのが不思議です。

鈴木 ある意味で、パ・リーグの群雄割拠な状況を物語っていますよね。


 以上がパ・リーグ6球団の今オフの補強と戦力分析でした。最終的な順位予想は、座談会に参加できなかった『野球太郎』ライターと、座談会参加者の意見を合わせて、以下のようになりました!

1位:オリックス  79P
2位:ソフトバンク 66P
3位:日本ハム   50P

4位:西武     43P
5位:楽天     32P
6位:ロッテ    24P

※一番右の数字は、順位予想をポイント化したものです。2位と3位のポイント差の開きが目立ちます。

 ……とはいっても、これはただの予想。実際の結果はどうなるでしょうか? シーズン開幕をお楽しみに!


〜座談会参加者〜

高橋安幸……雑誌『野球太郎』での連載「伝説のプロ野球選手に会いに行く」でもおなじみのスポーツライター。2月下旬発売予定の『野球太郎No.014』選手名鑑号を取りまとめており、大量の選手情報をインプットしている。

蔵建て男……人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。アマチュア野球情報に精通。プロでは港の見える球団のファン。Twitterアカウントは@ kuratateo(https://twitter.com/kuratateo)

持木編集長……母校が昨夏に続き、センバツ出場決定。今、乗りに乗っている『野球太郎』編集長。

菊地選手……『野球部あるある』著者。新雑誌『野球太郎育児』(3月上旬発売予定)の創刊に奔走中。

カバディ西山……昨年、軟式野球の延長50回に感化され、同じ1047球数を投げ込むという暴挙を達成。

鈴木雷人……遅れてきた転校生。ロッテファンの太鼓持ちライター。


■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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