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3本塁打の井上広大(履正社)、サヨナラ本塁打に泣いた池田陽佑(智辯和歌山)らがドラフト戦線急浮上

文=勝田聡

3本塁打の井上広大(履正社)、サヨナラ本塁打に泣いた池田陽佑(智辯和歌山)らがドラフト戦線急浮上
 夏の甲子園が終わり、高校野球の話題はWBSC U-18ベースボールワールドカップ、そしてドラフトへと移り変わっている。今年のドラフトにおいて高校生の注目度は高い。佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)が、夏の甲子園前には「高校生ビッグ4」と称されていた。

 しかし、甲子園まで駒を進めたのは奥川ただ1人。他の3人は地方大会で涙を飲んだ。しかし、甲子園に逸材が少なかったわけではない。

 ここでは今大会で評判をさらに高め、ドラフト戦線で急浮上しそうな選手を紹介したい。

静岡戦で9回11K完投勝利の前佑囲斗(津田学園)


 ビッグ4のうち3人が出場できなかった今夏の甲子園で目覚ましい投球を見せたのが、津田学園のエース・前佑囲斗である。

 初戦の静岡戦で9回1失点、11奪三振の完投勝利。この試合では高めに制球がバラつく面も見受けられたが、ストレート、変化球どちらでも空振りを奪ったのは魅力的。

 182センチ87キロと体格がよいのも評価が高いポイントの一つ。侍ジャパンU-18日本代表にも名を連ねており、世界の舞台でさらに評価を上げる可能性もありそうだ。

甲子園で150キロを記録・池田陽佑(智辯和歌山)


 どちらかというと毎年打線に注目が集まる智辯和歌山だが、今夏は投手にも有望な選手が存在した。背番号1の池田陽佑である。初戦の米子東戦では8回1失点、明徳義塾戦は中継ぎで4回無失点、敗れた星稜戦でも8回1/3で3失点(自責点1)と安定した投球を見せた。

 明徳義塾戦では自己最速となる150キロを記録。星稜戦では、同点に追いついた6回から奥川と投げ合い13回まで無失点投球。14回にサヨナラ本塁打を打たれたものの、その投球には鬼気迫るものがあった。

 智辯和歌山から直接プロ入りした投手には岡田俊哉(中日)らがいる。池田も続くことができるか。

奥川と小4からバッテリーを組んでいる山瀬慎之助(星稜)


 今夏の甲子園で奥川の女房役として注目された星稜の主将・山瀬慎之助。メディアへの露出も多く、気になったファンも多いだろう。

 今大会では好リードで奥川の持ち味を引き出すだけでなく、打率.556(18打数10安打)とバットでも見せた。準決勝、決勝と大舞台で2試合連続猛打賞を記録しているのも心強い。また、肩も強くスカウトの評価も高い。小学4年のときから奥川とバッテリーを組んできたが、プロでもその関係を実現できるか。

初戦敗退も鮮やかな流し打ち韮澤雄也(花咲徳栄)


 このところ毎年のようにドラフト指名選手を輩出している花咲徳栄。今年は韮澤雄也が注目されている。チームは初戦敗退となったが、明石商の好投手・中森俊介から外角のストレートを逆方向へ安打を放った。

 守備では捕球、送球と危なっかしい面も見られたが、小学時代から遊撃を守っていることもあり、総合的野球センスは備えている。ずっと守ってきた遊撃のみならず、コンバートも視野に入れた指名となるかもしれない。

大会最多の14打点を記録した井上広大(履正社)


 今夏の甲子園で唯一、奥川から本塁打を放った井上広大(履正社)。もともと右の長距離砲として名を馳せていたが、この大会で打率.385(26打数10安打)、3本塁打、14打点の成績を残し評価は大きく上がった。

 残念ながら侍ジャパンU-18日本代表には選ばれなかったが、動向が注目される野手の一人だ。現時点で1位指名は難しいかもしれないが、上位指名される可能性は十分にある。ネックとなりそうなのは「外野」という守備位置だろう。

 高校生外野手では昨年、長距離砲タイプではないが、藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)が1位指名された。果たして井上はどうか。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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