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「隙あらば野間」の呪縛は解かれた? 開幕10試合の広島・緒方采配を徹底検証!


 4月5日現在、広島東洋カープは10試合を消化し、5勝5敗。勝率5割ながら、試合内容は戦前の下馬評通り苦戦を強いられている。

 昨季からの課題であった中継ぎ投手陣の不安が的中。予想以上に活発な打線とのかみ合わせが悪く、勝てる試合を落としているのが現状だ。

 かみ合わない投打をいかにうまく使ってチームを勝利に導くのか。このあたりが監督の腕の見せ所。昨季は酷評された緒方孝市監督の采配は、ここまでどうだったのか検証してみたい。

守備固めの是非


 またか……。

 観戦中の広島ファンは、呆れた口調でそう呟いた。4月4日の巨人戦延長12回その最後の打者は、2年目の野間峻祥だった。

 野間が、最終打者となる場面は、3月29日の対中日戦と合わせて2度目だ。いわゆる守備固めでの出場ながらほとんどの試合で打席に立ち、8打席ノーヒット。しかも、チームの主砲、ブラッド・エルドレッドに代わる出場がメインのなかで、この打席数はひいき目に見ても多すぎるのでは? とも思える。

 ここまでの5敗の内、2点差以内の僅差は4試合。その中で、エルドレッドの打力は相手にとっては驚異のはず。それだけに守備固めの野間が8打席も立っている現状に、ファンとしては納得いかないのは当然だろう。


狙いすまして野間


 とはいえ、僅差の試合では守りを優先させる作戦は十分に考えられる。勝つための選択肢としてエルドレッドよりも野間を使うのは当然といえば当然だ。

 それでもこれだけの拒否反応が出るのはなぜだろう? それは、前年ファンの間で大流行したフレーズ、

「隙あらば野間」

 があるからとみて間違いない。

 昨季、新人ながら1度も2軍に降格する事なく127試合に出場。緒方監督の若手時代の背番号37をつけ、物足りない成績ながら積極起用された事から、迷走する緒方采配の象徴と認知されている。

 そんな去年の悪しき象徴、「隙あらば野間」が今シーズンも続いてしまった事実が、ファンの落胆を強めてしまったようだ。

 しかも今季は、守備固めからの出場なのにピンポイントで勝負どころで打席が回ってきた挙句、ことごとく凡退を繰り返したことから、「隙あらば野間」どころか、「緒方は狙っているのではないか?」と、話題になるほどに。

 もはや、隙あらばではなく、「狙いすまして野間」になっているといっても過言ではないだろう。いずれにせよ、結果として守備固めのタイミングがずれたのは否めない。

確実に見える意識の違い


 そんな最中の4月4日、広島は野間の2軍降格を発表した。ここまでの結果をみれば当然なのかもしれないが、昨季を知るだけに、ファンの多くは驚きを隠せないでいる。それと同時に、緒方監督の進歩も感じたファンもまた多い。

 昨季は1度も2軍落ちのなかった野間を降格させる「英断」は、緒方監督の2年目にかける強い意志と意識改革に映ったからだ。

 野間しかり、リリーフの起用法しかり、頑固な采配に対して批判を浴びてきた緒方監督。寵愛する野間を降格させたことで、軟化のきざしが見え、少しだけ評価を上げたようだ。

 しかし、自身の降格で監督の株が上がる野間は不憫に思える。このいわれなきヒール感を見ると、「隙あらば野間」の最大の被害者は、野間自身かもしれない。

 その肩、脚力に見る身体能力は誰しもが認めるところ。2軍で力をつけ再び1軍に上がってきたその時は、自身のバットで広島ファンの手のひらを大回転させてほしい。

 まだ10試合の消化ながら、根強い批判の中、進化を見せた? 緒方采配。長いペナントは始まったばかり。批判を歓声に変えるのは優勝のみである。今年の緒方は良い意味でやってくれる! と、そう信じたい。

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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