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メヒア(西武)はアイサツ代わりの一発から本塁打王に。初打席で本塁打を放った助っ人たちのその後は?

メヒア(西武)はアイサツ代わりの一発から本塁打王に。初打席で本塁打を放った助っ人たちのその後は?

 6月3日のロッテ戦に代打出場し、1軍デビュー戦の初打席で本塁打を放ったバティスタ(広島)。

 初打席での本塁打はプロ野球全体では60人目、助っ人外国人選手としては24人目となる。そして、「助っ人」に「代打」というフィルターを加えると、なんと史上初の出来事だった。

 今回は、過去10年に「1軍デビュー戦の初打席で本塁打を放った助っ人外国人選手」を追ってみる。

恐怖のドミニカンパワーが炸裂


 2009年にウッズと入れ替わる形で、中日に入団したブランコ。

 4月3日、ナゴヤドームで行われた横浜(現DeNA)との開幕戦に4番・一塁で出場すると、いきなり三浦大輔からバックスクリーンへ強烈な本塁打を叩き込み、ファンのド肝を抜いた。

 その後も前田健太(当時広島、現ドジャース)を相手に、高さ50メートルにあるナゴヤドームの天井スピーカーに打球をぶつけるなど規格外のパワーを披露。

 シーズンを通して相手投手陣を震え上がらせ、最終的には2位の阿部慎之助(巨人)に7本差をつける39本塁打を記録し、本塁打王に輝いた。

実は二刀流もイケた!?


 2009年のシーズン途中から横浜に加入したランドルフは、投手ながら初打席初本塁打を記録した変わり種。

 8月16日の広島戦(横浜スタジアム)で来日初登板を果たすと、2回にハマスタの誰もが驚いたソロ本塁打を放つ。

 これに気をよくしたのか、7回途中まで12奪三振と好投。中継ぎが崩れて白星はつかなかったが、勝っていれば間違いなくお立ち台だっただけに残念。

 ちなみに助っ人投手として初の偉業かと思いきや、1991年にシュルジー(オリックス)が達成していたため2人目の記録だった。なお、シュルジーの一発はパ・リーグにDHが導入されて以降、初の投手による本塁打でもあった。


打たないほうがマシだったかも……


 この10年で2人の「初打席本塁打助っ人」を生んでいる西武。その1人がマルハーンだ。

 2011年の7月に加入し、8月5日のソフトバンク戦(西武ドーム)に6番・指名打者で初出場。初打席で岩嵜翔(ソフトバンク)から本塁打を放って、華々しいスタートを飾った。

 しかし、早々と本塁打が出たことで日本球界を甘く見たのか、それとも単なる出合い頭の一発だったのか、その後はまったく快音が聞かれず、オフに戦力外通告。

 助っ人野手の本塁打がデビュー戦の1発のみで終わったのは、マルハーンが唯一。当時の西武は低迷期に入る手前にあったが、未来を暗示するかのようなハズレっぷりだった。


自らのバットで実力を証明


 今季で日本球界5年目となるロペス(DeNA)も、巨人時代に初打席で本塁打を放っている。

 2013年3月29日、広島との開幕戦(東京ドーム)に7番・一塁で出場。バリントンから左翼席前列に放り込み、派手な「ごあいさつ」を見舞った。

 その後もコンスタントに本塁打を積み重ね、このシーズンは18本塁打でフィニッシュ。しかし、派手さがなかったせいか、翌2014年は外国人枠やチーム事情で出場機会が激減。不調に陥り、オフには戦力外通告の憂き目にあった。

 しかし、DeNAがロペスを獲得。2015年の開幕からチームの主力として存在感を発揮し、22本塁打を記録。2016年には34本塁打とキャリアハイを更新してみせた。衝撃のデビューはマグレでなかったのだ。


「マルハーンショック」を癒やした好漢


 マルハーンに次ぐ、西武の「初打席本塁打助っ人」はメヒアだ。

 2014年の4月末に西武と契約し、5月15日の日本ハム戦(札幌ドーム)に5番・指名打者で初出場。初打席に上沢直之(日本ハム)から左翼席に一発を放り込み、ファンを狂喜させた。

 西武ファンの筆者としては、この一発は未だ記憶に新しいところ。というのも、筆者はメヒアの活躍を喜ぶ周囲の西武ファン仲間に、「マルハーンの二の舞いにならなきゃいいけど」と冷水を浴びせたことがあったからだ。

 ひいきチームの助っ人の活躍が嬉しくないはずがないのだが、このときは、「外れる恐怖」から、簡単に喜んではいけないと心にストッパーがかかっていたように思う。なるべく期待のハードルを上げないように、と……。

 その年、メヒアは「シーズン途中加入の助っ人として初」の本塁打王(34本塁打)を獲得。説明するまでもなく、その後もコンスタントに本塁打を放っている。

 筆者の心配は杞憂に終わった。今はただただ、ホッとしている。


球団史に名前は残した!


 広島のバティスタの直前に初戦本塁打を放ったのは、昨季、1年だけ楽天に所属したペレス。

 シーズン途中での加入で、7月12日の西武戦(西武ドーム)でお披露目の舞台がやってくると、初打席の初スイングで本塁打という離れ業をやってのけた。

 楽天初の「デビュー戦本塁打助っ人」となったペレスは、翌日の試合でもアーチをかけ、2試合連続本塁打を記録。

 最終的に24試合に出場して5本塁打とまずますの打棒を見せたが、契約は更新されずお役御免となった。


「足踏みしない」が成功のカギ


 あらためてデビュー打席に本塁打を放った助っ人を振り返ってみたところ、勢いに乗ってブレイクする選手と、尻すぼみになってしまう選手が両極端だと気づいた。

 成功した助っ人はデビュー打席の一発を皮切りにシーズン本塁打を2ケタに乗せている。1ケタで終わってしまった助っ人は、その本塁打が「出合い頭」だった可能性も否定できない。

 それだけにバティスタが、ここからどれだけ打てるか注目。もし、本塁打を量産するようなら、「神ってる助っ人」として語り継がれる選手になるはずだ。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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