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人間性は違えども…。今もっとも旬な“お騒がせ男”トランプ大統領を彷彿させる名監督はこの2人!?


 2016年11月の米国大統領選挙に勝利して以来、一躍、世界中を振り回す“時の人”となったドナルド・トランプ大統領。

 トランプ大統領の動向を、アメリカ国内のみならず、世界中の人々が固唾を飲んで見守り、その計り知れない影響力は国際社会の多方面に及んでいる。

 トランプ大統領は、掲げる政策はもとよりそのパフォーマンスに至るまで、非難の声も多いが、カリスマ性を持ち合わせた人物であることは間違いないようだ。

 日本のプロ野球界においても、個性あふれる様々なカリスマ監督が采配をふってきた歴史がある。特に近年は、ベンチでの采配にとどまらず、球団のGM職も兼ね、チームを指揮するケースも多々ある。

 そこで今回は、“今もっとも旬な人”を取り上げるということで、トランプ大統領を彷彿させる歴代の監督を探ってみることにした。

(※監督、球団は当時のもの)

強い中日を作るために辣腕をふるった落合博満監督


 トランプ大統領が取り組む政策のうち至上命題となっているのが、米国の貿易赤字の解消だ。大統領就任早々、TPPからの離脱を即決、保護貿易主義にひた走る。

 これまでの世界的な潮流はグローバリズムだったが、あえて“アメリカ第一主義”のアメリカニズムを全面的に打ち出しているのだ。

 「強いアメリカを作る!」。そのためには、関係国の利益など知らないとでも言わんばかりの強硬な姿勢を見せている。

 そういえば、2009WBCに出場する選手を選考する際、所属選手をすべて辞退させた落合博満監督(中日)の取った方針は、ある意味、中日がペナントで勝つための保護主義政策といえなくもない。

 強い中日を作る!

 世界大会で勝っても我々の利益にはならない。そんな考えが背景にあるのではと非難する声もあがった。

 また、トランプ大統領は、環境問題よりも経済政策を重んじている。経済が活性化することが先決という、いかにもカリスマ経営者にして不動産王らしい政策方針だ。

 落合氏も監督を辞め、のちにGM職に就任したときは、早々に容赦ない減給とリストラを慣行。高騰する選手年棒に歯止めをかけ、経営陣の一人として手腕をふるった。

 このあおりを受け、中日の功労者だった井端弘和は不満を爆発させ巨人に移籍。経済(経営)問題を最優先した落合氏のやり方を疑問に思った諸氏も多かったのではないか。

“ぼやき”が真骨頂の野村克也監督


 また、トランプ大統領は米国民や世界中の人々に向け、Twitterでダイレクトにメッセージを送ることが日常となっている。

 ときには重要な政策につても、毒舌交じりでつぶやく。自分に批判的なメディアへも攻撃的なツイートを重ねている。

 このつぶやきがあまりに過激なため、関係各国の政府首脳が右往左往しているさまは、ニュースで報道されているとおりだ。

 この“つぶやき”で思い起こすのは、野村克也監督(ヤクルト、阪神、楽天)だろう。語り口調が、不満たらたらであるため、この“つぶやき”は、“ぼやき”と称される。

 ぼやきに関しては、現役の捕手時代に、バッターボックスの打者を“口撃”していたほどで、筋金入りなのはいうまでもない。

 しかし、野村氏がすばらしいのは、ただの“ぼやき”ではなく、メディアを通して、選手に意図的なメッセージを送っていたことだ。そのなかには、「マー君、神の子、不思議な子」など、後世にまで伝わる名言も多々あった。

 もっともインパクトがあるメッセージを発信する指導者という意味では、トランプ氏の思いと重ね合わせることもできよう。


2人とも球史に名を刻む名監督だった


 トランプ大統領と2人の名監督を対比して見てきたが、トランプ氏はまだ道半ば。今後、世界に与える影響が吉と出るか、凶と出るかは、今後も見守っていく必要がある。

 一方、落合氏と野村氏は選手としても、監督としても、リーグ優勝に日本一と結果を残した。

 非難の声が多いトランプ大統領と政策面やパフォーマンスで似通っているところがあったとしても、2人の人間性はまた別。そして、ともに球史に名を刻む名監督だったことは間違いない事実だ。最後にそのことを付記しておきたい。


  文=まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。

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