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有事こそチャンス。FAの穴をどう埋める? 西武は高橋光成と外崎修汰、オリックスは山本由伸らに期待

文=藤山剣

有事こそチャンス。FAの穴をどう埋める? 西武は高橋光成と外崎修汰、オリックスは山本由伸らに期待
 好成績を残した選手は、チームを移ってステップアップ。これは、国や競技を問わずスポーツ界の潮流で、もはや止めることはできない。

 日本球界も同じ。昨年オフから年明けにかけて、FA移籍した大物選手の動向が固まり、今季の陣容が見えつつある。主力が抜けたチームは、その穴をどう埋めていくのか。西武、広島、オリックスの3球団を考察してみたい。

西武:攻守の中軸が抜けるも現有戦力中心でまかなえる!?


 西武は、菊池雄星がポスティングでメジャーのマリナーズへ、さらにFAで浅村栄斗が楽天へ、炭谷銀仁朗も巨人へそれぞれ移籍した。

 昨季の菊池は23試合に登板、163回2/3を投げ、14勝4敗。この穴はチーム全体でカバーしていくしかないが、その1番手として高橋光成を挙げたい。

 高卒ドラ1入団の1年目だった2015年に5勝2敗とまずまずの結果を残し、2年目以降の飛躍が大いに期待されたが、そこからは4勝、3勝、2勝と年を追うごとに勝ち星が減少。昨季は右肩痛などがあったとはいえ、まるで、このままフェードアウトしそうな状況だ。

 その悪い流れを断ち切るべく、年明けから、石垣島で菊池とともに自主トレを敢行。心身ともにパワーアップを図った。しかも、元旦には一般女性と入籍し、さらには背番号も「17」から「13」に変更。巻き返しのきっかけとなるべきトピックが山盛りの高橋だけに、心中期するものがあるはず。

 ルーキーのなかでは、ドラ1の松本航(日本体育大)への期待値が高い。最速155キロを誇るストレートで、日本体育大時代に首都大学リーグで30勝。侍ジャパン大学代表にも選ばれた好素材。キャンプでは、2日目からブルペン入りし、威力十分のストレートを投げ込んでいる。

 この同学年の両投手のポテンシャルが開花すれば、菊池の穴は埋まる。

 一方で、浅村の後釜には外崎修汰が座る可能性が高そう。打率.310、32本塁打、127打点という昨季の浅村の数字はとてつもないが、外崎も打率.287、18本塁打、67打点と、9月に腹斜筋を炒めて戦線離脱したにもかかわらずキャリアハイの成績を残した。このペースを見るとシーズンを全うできていれば22本塁打、80打点くらいまで伸ばしていた可能性がある。

 また外崎は二塁、三塁、左翼、右翼と4ポジションをこなし、失策7と守備面も安定している。

 浅村が抜けたことで、秋山翔吾が3番に入り、外崎と源田壮亮で1、2番を組むようなら、9番の金子侑司から連なる打線のスピード感はアップする。

 なお、炭谷銀仁朗の穴は、森友哉と岡田雅利の2013年ドラフト同期コンビで埋めるしかないだろう。昨季は、森が81試合でマスクをかぶりベストナインにも選ばれた。岡田も昨季は打率.272と打力の向上が見られる。

広島:ベテランと若手のポジション争い勃発


 広島からは丸佳浩がFAで巨人に移籍した。その人的補償として長野久義が加入。実績から考えて、丸の穴を埋める第一候補は、まず長野だろう。

 一方で、丸が昨年4月28日の阪神戦で太ももを痛め、約1カ月間(21試合)戦線離脱した際に中堅でスタメン起用されたのは下記の3人。出場試合数を集計するとこうなる。

■2018年・丸佳浩離脱中に中堅で出場した選手
野間峻祥:16試合
高橋大樹:3試合
下水流昂:2試合

 生え抜きの選手のなかでは、野間峻祥の信頼度が高い。では、長野と野間の昨年の打撃成績を比較してみたい。

■2018年・長野久義と野間峻祥の打撃成績
長野:打率.290/13本塁打/52打点/出塁率.359
野間:打率.286/5本塁打/46打点/出塁率.343

 打率、出塁率はほぼ同じだが、打点と本塁打数は長野が一歩リード。ただ、上記では触れていないが、盗塁数は野間が17個決めているのに対し、長野は3盗塁。長野は膝、腰に故障歴があり、近年は体の状態と相談しながらプレーが続いている影響もあるだろう。パワーでは長野、スピードでは野間ということになる。

 トータルのネームバリューは長野が上回るものの、長野はプロ10年目の34歳、野間はプロ5年目の26歳。年齢的にも、伸びしろがあるのは野間だ。もちろん、両選手が振るわない場合は、下水流や高橋だけでなく、そのほかの若い選手たちもレギュラーを狙ってくるだろう。

 緒方孝市監督は、ポジションは競争を強調しており、まずは開幕に向けて、キャンプからオープン戦でのパフォーマンスに注目したい。

オリックス:ケガに泣いた面々が復活すれば!?


 オリックスは、FAで移籍したのは阪神へ移った西勇輝だけだが、契約が不調に終わった金子弌大が日本ハムへ。両投手の昨シーズンの勝ち星を足すと14勝(西10勝、金子4勝)だが、ともにローテーションの柱(西が先発25試合で162回1/3、金子が先発17試合で100回。1試合平均約6イニングをいつも投げてくれる)で、存在感も十分の2人の移籍は、その数字以上に大きな穴となりそう。

 それを埋めるべく立ち上がったのが2年目だった昨シーズン、セットアッパーとして54試合に登板し、防御率2.89と一気に頭角を現した山本由伸だ。昨オフに、球団に先発転向を申し出て了承され、キャンプでは先発に向けた調整を行っている。ルーキーイヤーの2017年は、1軍で5試合に先発し1勝1敗の成績を残しており、あらためて挑む先発マウンドでどんなピッチングを見せてくれるか、楽しみだ。

 それと忘れてはならないのが、田嶋大樹だ。1年目の昨シーズンは、5月までに6勝を挙げ新人王当確の声も上がっていたが、ヒジを痛めて無念のリタイア。6月以降はマウンドに上がることが叶わなかった。キャンプではヒジの状態と相談しながらの調整となるが、きっちり仕上がってくるようなら2ケタ勝利も計算できる。

 また、アルバースも6月までに9勝を挙げながら、腰痛を発症し後半は戦力になれず。今季は1月末からすでにチームに合流し、キャンプでは早い段階からブルペンにも入る予定。1年間ローテーションを守れれば、昨季以上の成績を残すことは難しくなさそう。

 上記3投手が持ち味を発揮できれば、14勝、260イニングはカバーできそうだが、果たして!?

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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