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高校野球地方大会が大詰め…松井裕樹、桐光学園の結果はいかに!?…今週の野球みどころランキング[7月23(火)〜7月29日(月)]

 『今週の野球みどころランキング』は、7月第4週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


都市対抗いよいよ大詰め タイブレーク、4時間ゲームなど熱戦続く
―――社会人野球

 社会人野球最高峰の大会、第84回都市対抗野球がいよいよ大詰め(23日18時から決勝戦)。社会人野球らしい精度の高いプレーの連続で熱戦が多く展開されている。

 20日に行われた第1試合の2回戦の日立製作所(日立市) vs パナソニック(門真市)の試合は約4時間の熱戦の末、甲斐俊治の満塁ホームランで逆転したパナソニックが7-6で逃げ切り。第2試合の新日鐵住金かずさマジック(君津市) vs ニチダイ(京田辺市)の試合は延長12回タイブレークの末、かずさマジックが勝利。

 そのかずさマジックは21日に行なわれた準々決勝では9回に逆転しパナソニックを破り、4強に進出。これにより4強は連覇を目指すJX-ENEOS(横浜市)、準々決勝のタイブレークで3点差をひっくり返す劇的勝利を挙げた東芝(川崎市)、ドラフト候補右腕・吉田一将が17回2/3を無失点、被安打4(うち内野安打2本)と絶好調のJR東日本(東京都)、そして勝負強い新日鐵住金かずさマジック(君津市)に決まり、すべて関東勢で占められることとなった。


▲吉田一将(JR東日本)


 今年の黒獅子旗の行方はいかに。

秋田でフレッシュオールスターが開催、加藤がMVPに
―――NPB

 18日に秋田県立野球場(こまちスタジアム)で行なわれた第50回フレッシュオールスターゲーム。

 かつてはイチロー(ヤンキース)や青木宣親(ブリュワーズ)もMVPを獲得している同大会で、今後の活躍が期待される新鋭の外野手がMVPを受賞した。その男の名は加藤翔平。上武大からドラフト4位指名で入団したルーキーだ。

 1軍デビューとなった5月12日の楽天戦で、史上初となるプロ初打席初球ホームランを放った加藤は、6回2死二塁の場面でも“初球”をライトスタンドに叩き込むと、8回と9回の打席でも安打を放ち猛打賞。文句無しのMVP受賞となった。

 また同じく大卒ルーキーで、昨秋のドラフトで大きな注目を浴びた東浜巨(ソフトバンク)はウエスタン・リーグ選抜の先発として登板。亜細亜大時代に同じ東都大学リーグで戦った谷内亮太(國學院大→ヤクルト)、白崎浩之(駒澤大→DeNA)を打ち取るなど2回を投げ1安打無失点。優秀選手賞を受賞した。

 イースタン・リーグ選抜の先発は高卒ルーキーの森雄大(楽天)だったものの、試合開始直前に腰を痛め登板回避。急遽2イニングを任されることとなった上沢直之(日本ハム)だったが、その幸運(?)を生かし、2回を投げ1人の走者も出さない完全投球でこちらも優秀選手賞に選出された。また同じく日本ハムの石川慎吾が2安打2打点の活躍、秋田県出身の木村優太(ロッテ)が高3夏以来となった同球場のマウンドで2回1安打無失点と好投し、それぞれ優秀選手賞を獲得した。

※1964年の第2回大会は3試合の開催、2006年と2007年はセ・リーグ選抜 vs パ・リーグ選抜の形式を取った。

大谷らルーキーたちが主役!? の球宴
―――NPB

 マツダオールスターゲーム2013は19日に開幕。札幌ドームで行われた第1戦は1−1の引き分け。MVPはセ・リーグ2番手で登板し、3回2安打3奪三振の内容だった澤村拓一(巨人)。

 翌20日に神宮球場で行われた第2戦では、3回に決勝打を放つなど猛打賞の活躍を見せた新井貴浩(阪神)がMVPを受賞し、試合はセ・リーグが3−1でパ・リーグを下した。

 また試合前に行われたホームラン競争ではトニ・ブランコ(DeNA)が2日連続の優勝とそのパワーを遺憾なく発揮した。

 しかし、そんな選手たちの活躍さえも霞んでしまうような輝きを見せたのが両リーグ合わせ6人も選ばれたルーキーたち。

 そしてその中心は何と言っても大谷翔平(日本ハム)だ。第1戦では5回から3番手として登板。投じた13球すべてをストレートで勝負し、2安打を浴びながらもこの回を無失点に抑えると、6回からはレフトに回りオールスターでも“二刀流”を披露。レフトフライをノーステップスローで、ゆっくりベースに戻る西岡剛(ロッテ)を刺してしまうような好返球を見せ、ファンを沸かせた。

 打つ方では2打数無安打に終わったものの、第2戦では1番ライトで先発出場。立浪和義氏(元中日)以来25年ぶり3人目の高卒新人野手の先発出場となった。そして迎えた第1打席ではセ・リーグ先発の菅野智之(巨人)から右中間へツーベース。高卒新人野手での長打は清原和博氏(元西武ほか)以来27年ぶり2人目の快挙となった。この日の安打はこの1本のみ(4打数1安打)だったものの、球宴に大きな足跡を残した。

 またその大谷に対したセ・リーグ投手陣は菅野→小川泰弘(ヤクルト)→石山泰雅(ヤクルト)→藤浪晋太郎(阪神)とつなぐルーキーリレー。球宴でのルーキー4人の登板は1970年の第3戦(セ・リーグ1人とパ・リーグ3人)と並ぶ最多タイで、1チームで4人の登板は史上最多となった。

 また2番手で登板した小川は2回1安打無失点に抑え、1999年上原浩治(当時巨人)以来、14年ぶり8人目となる新人球宴勝利投手となった。

リベラが最後の球宴でMVP、上原守護神に定着か
―――MLB

 84回目となったMLBオールスターゲームが16日、ニューヨーク・メッツの本拠地であるシティ・フィールドで行われた。

 この日の主役は歴代1位の通算638セーブ(17日現在)を誇るマリアーノ・リベラ(ヤンキース)、43歳。今季限りの引退を表明しているベテラン右腕に最大級の敬意が示された。

 まずはその登場。メタリカの楽曲『エンター・サンドマン』に合わせてリベラがブルペンからマウンドへいつものように小走りで向かうと、ファンそして選手がスタンディングオベーション。また味方の野手は、投球練習が終わるまで守備につかずベンチで待機。リベラの投球練習をじっと見守った。

 投げてはナ・リーグの打者3人をすべて(全16球)伝家の宝刀であるカットボールで打ち取り、完璧なリリーフ。そして最後は、抑え投手では初となる、オールスターゲームのMVPまで受賞。受賞後の記者会見でも記者から総立ちで拍手が送られたそうだ。

 試合はリベラを含むア・リーグ投手陣が3安打に抑え、3−0の勝利。ア・リーグは4年ぶりの勝利で、通算成績を39勝43敗2分とした。

 日本人選手ではダルビッシュ有(レンジャーズ)と岩隈久志(マリナーズ)が選出されたが、ダルビッシュは故障者リスト入り、岩隈はオールスター2日前の試合で先発登板したため、出場は無かった。

 球宴明けとなった19日にはさっそくヤンキースvsレッドソックスのカードが組まれ、イチロー、田澤純一、上原浩治が出場。

 2番ライトで出場したイチローは4打数1安打、田澤は7回1死走者無しから登板。1四球を与えるも、2/3回を無失点で抑えた。

 そして4−2のレッドソックスリードで迎えた9回のマウンドには上原。三者凡退に抑え、今季9セーブ目。今季抑えを務めていたアンドリュー・ベイリーが20日に故障者リスト入りしたこともあり、ますます上原にかかる期待は大きくなりそうだ。

各地で代表校が決定! 智辯和歌山は9年連続ならず
―――高校野球

 この夏の甲子園決定1番乗りとなったのは北北海道大会を初めて制した帯広大谷。19日に行われた決勝戦で旭川南を4−3で下した。今秋のドラフト上位候補投手である杉浦稔大(國學院大)を兄に持つ杉浦大斗が主将(二塁手)として引っぱり、兄(最後の夏に北北海道大会準優勝)が掴めなかった甲子園への切符を手にした。

 また翌20日には宮崎県大会決勝戦で聖心ウルスラ学園を7−6で下した延岡学園が3年ぶり7回目の出場を決めた。2年前に変更した薄いピンク地のユニフォームで甲子園に乗り込む。

 21日に行われた地方大会決勝戦は4試合。

 沖縄大会で沖縄尚学が5−2で美里工を下し、8年ぶり6度目の出場を決めた。今春はセンバツ出場も3失策を記録して敦賀気比に2-11の大敗をしているだけに雪辱にかける思いは強い。

 佐賀大会では有田工が1点ビハインドで迎えた9回2死走者無しの状況からの4連打で早稲田佐賀に追いつくと、10回にも2死から3連打でサヨナラ勝ちし、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。エースで4番を張り、全5試合を1人で投げ抜いた古川侑利に注目だ。

 長崎大会でも決勝戦が延長戦にもつれ込んだ。9回に同点に追いつき、延長11回にサヨナラ勝ちした佐世保実が長崎日大を4−3で下し、2年連続5度目の出場を決めた。

 南北海道大会ではセンバツ8強の北照が、今春の全道大会で優勝し2007年以来の甲子園出場を目指した駒大苫小牧を10−4で破り、3年ぶり3度目の出場。センバツ準々決勝で優勝した浦和学院に1安打完封負けした悔しさをバネに、この夏再び大舞台に挑む。


▲北照といえば、メンバー全員でスコアボードの方向へ指を差して気合を入れる試合前の儀式が特徴的!

 また各地方大会ではまたも大波乱が。

 和歌山大会では戦後最長となる9年連続出場を目指した智辯和歌山が紀北工に1−2で敗れ、3回戦敗退となる大波乱。相手投手を打ちあぐね、最後は9回2死満塁のチャンスを作るも最後の打者がショートフライに倒れ、涙。

 また東東京大会では春の都大会優勝で第1シードの帝京がノーシードの修徳に2−4で敗れ、5回戦敗退。修徳にとっては一昨年にコールド負け、昨年にはサヨナラ負けと2年連続で苦汁を飲まされた相手に見事「3度目の正直」を果たした。

 さらには昨年の春・夏ともに準優勝の八戸学院光星(今春に光星学院から改称)も青森大会準々決勝で弘前学院聖愛に1−2で敗れ、3年連続の出場はならなかった。その弘前学院聖愛は準決勝でも今夏の優勝候補筆頭だった青森山田を破り、決勝戦に駒を進めた。

 今週末に向けて、続々と代表校が決まる各地方大会。怪物左腕・松井裕樹擁する桐光学園が勝ち進んでいる神奈川大会(28日決勝戦予定)のみならず、全国の球児たちの聖地・甲子園球場を目指した戦いに注目だ。


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


<<野球界の主なスケジュール>>
女子プロ野球関連

8月11、12日『ティアラカップ仙台大会〜女子野球祭り2013〜』
※次戦の予定は8月11(土)、12日(日)ともに仙台市民球場で開催される予定となっており、それまで公式戦はありません。

アマチュア野球スケジュール

夏の高校野球地区大会で熱戦が繰り広げられる!
順調に日程を消化していけば、今週末の7月27、28日に多くの地区で決勝戦が行われる予定。

甲子園大会は8月8日に開幕し、全15日間に渡り熱い戦いが繰り広げられる。


プロ野球の主な予定

7月24日〜28日 鷹の祭典
7月26日〜28日 「ライオンズ・クラシック2013」
など、12球団それぞれで夏のイベントを実施しています。詳しくは各球団のHPでチェック!

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