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【2014新春放談】プロ野球12球団おせっかいアドバイス 〜パ・リーグ編その2〜

 先週に引き続きお送りする『【2014新春放談】プロ野球12球団おせっかいアドバイス』。『野球太郎』編集部員とライター陣が来たるべき2014年シーズンのペナントレースを展望します。座談会メンバーは前回のこちらをご覧ください。

 前回は2013年パ・リーグのBクラス3球団の戦力分析をしましたので、今週はAクラスの3球団について、徹底討論します!


千葉ロッテマリーンズ編
個々の戦力は低いが、総合力で上位に食い込む可能性アリ

――まずは投手陣。駒としては揃っている感もありますが?

キビタ「なんといってもFAで獲得した涌井(秀章)の、先発投手としての復活がカギでしょう。涌井の先発にこだわり過ぎると、他の投手にも悪影響を与えるのでは? と思います」

持木「涌井と成瀬(善久)が2人で相乗効果を生み出すのが理想ですね。お互い横浜高校では先輩後輩の間柄。刺激し合って切磋琢磨すれば、投手陣全体に好影響を与えるでしょう」

キビタ「その2人が活躍すれば、自然と西野(勇士)や古谷(拓哉)あたりが先発4枚目、5枚目で活躍するようになり、間違いなく上位争いするチームになるでしょう」

菊地「ボクは2位に推しています。ロッテはその2人や服部(泰卓)のように、シーズン前の予想を良い意味で裏切る活躍をする選手が、毎年のように出てくる印象があります」

高橋「数年前の角中(勝也)や益田(直也)…なにか伝統のようなものを感じますね」

菊地「期待したいのがドラフト1位の石川歩。社会人(東京ガス)時代には日本代表の抑えなども経験しています。先発陣に入れなくとも、中継ぎの適性もあるので、案外デビューは早いかもしれません」

――続いて野手陣について。懸念事項はレギュラー捕手の不在が挙げられます。

キビタ「昨季は江村(直也)、金澤(岳)らが積極的に起用されました。川本(良平)なども肩が弱いと言われながら、ストップウオッチで計測すると、なかなかの好タイムを出しています。伊東(勤)監督の方針もあり、今季こそ里崎(智也)を脅かす捕手が誕生するかもしれませんね」

高橋「伊東監督としては里崎を打者として起用したいという意思を感じます。里崎の後継者育成は、バッテリーコーチの手腕に掛かっていると思います」

菊地「ロッテは他球団に比べて個々の選手の力量は落ちる印象ですが、昨季は1点差の試合は26勝17敗で勝率.605。12球団No.1の数字を残しているように、選手ひとりひとりが勝ち方を知っているチームといえるでしょう」

西山「下位に低迷するわけでもなく、上位には食い込むが、優勝候補というわけでもない戦力のロッテ。優勝するには涌井の完全復活と起用方法が大きなカギになりそうですね」


▲涌井秀章(西武時代)



埼玉西武ライオンズ編
新生・伊原ライオンズの船出はいかに…?

――涌井、ヘルマン、片岡(治大)らが抜け、戦力的に大幅ダウンが懸念される西武ですが…

キビタ「渡辺久信監督の時のように、勝つときは連勝、負けるときは連敗…、というような波のあるチームにはならないような気がします。やはり伊原(春樹)監督に変わったことで、チームカラーは変わるでしょう」

菊地「ボクは大幅に戦力ダウンした直後だからこそ、逆に選手たちが結束して良い結果を出すのではないか、と1位に推しています」

キビタ「伊原監督になって、大?(雄太朗)や秋山(翔吾)らが重宝されるような、足を使った野球が展開されそうですね。特にショートで起用されそうな2年目の金子(侑司)は足も速いし、期待の選手は多いですよ」

――投手陣や野手陣、それぞれ穴を埋めなければならないシーズンとなりますが、その金子など、野手陣も含めて期待の新戦力は?

持木「西武の場合は昨季の?橋朋己のように起用すれば、すぐ結果を出す選手が多いので、未知の新戦力に対してもある程度計算できる“信頼感”みたいなものがありますよね」

菊地「ドラフトでも、常に2〜3年後の先を考えて指名することを徹底している気がします。個人的には入団3年目の大石達也に期待。早稲田大時代の素晴らしい真っ直ぐを目撃した身としては、まだまだ見限る訳にはいきません」

高橋「今季は新外国人の獲得も積極的。投手ではレイノルズ、ボウデン、育成でロペスらを獲得しました」

菊地「個人的には内野手のランサムが気になります。調べると37歳と高年齢で、移籍ばかりしている不思議な助っ人…」

高橋「ああ、“シピン似”といわれている! シピンといってもわかる人が減ってきてますが(笑)」

菊地「日本人選手も、おかわり君(中村剛也)がシーズン当初から試合に出場できる今季は期待大です。また昨季経験を積んだ坂田(遼)、鬼?(裕司)、若手では永江(恭平)、木村(文紀)など楽しみな選手が多いですね」

▲永江恭平


――主力選手の抜けた穴も気にならない気配の西武ですが、まとめるとどんなシーズンになるでしょうか?

キビタ「上位か下位か、どちらに転ぶか“振り幅”があるチーム。単純に戦力が抜けた懸念よりも、その不安を上回る期待の新戦力が活躍すれば、上位を脅かすことは間違いありません」

菊地「過去、1997年に清原(和博)が移籍した時は松井稼頭央、高木大成、大友進らが台頭してリーグ優勝。松井稼頭央の後に中島(裕之)が出てきました。主力選手が抜けても、バネにして飛躍する伝統のようなモノを感じるチームなので、今季も上位争いを期待します」

東北楽天ゴールデンイーグルス編
はたして24個の貯金の行方は…誰もが気になる田中将大の“穴”

――なんといっても…田中将大の穴をどうやって埋めるのでしょうか?

持木「いきなり24の貯金が無いものとして、星勘定を計算するのはキツイなぁ…」

高橋「私は2位に推しています。先発ローテでいうと則本(昂大)、美馬(学)、塩見(貴洋)、辛島(航)、永井(怜)、新外国人あたり…」

菊地「いうならば昨季、残念だった成績の投手たちが活躍するかどうかが、カギになりそうですね」

高橋「なんといっても則本が2年目のジンクスに掛からなければ…。ダメだったら最下位もあり得るでしょう」

持木「中継ぎや抑え投手でいうと、クライマックスシリーズや日本シリーズでも、最後は田中と則本に任せっきりだった影響がどう出るか…」

菊地「その中継ぎですが、“松井裕樹リリーフ説”を唱えている高校野球の指導者の方もいらっしゃいました。クイックの習得、ストレートの質など課題は多いでしょうが、あの強烈なスライダーをもってすれば、短いイニングなら十分に通用しそうです。1年目から活躍する可能性もありますよ」

キビタ「一昨年の、ダルビッシュ有が抜けた時の日本ハムの状況と比べると、ちょっと違いますよね。あの当時は、武田久を筆頭にリリーフ陣がしっかりしていて、ダルビッシュが抜けた穴を吉川(光夫)が出てきて埋めた。そういった可能性をもつ投手が楽天にいるのか…」

高橋「当時、武田勝にキャンプ取材で話を聞きましたが、本人の口から『ダルビッシュの抜けた穴はボクが埋めます』とはっきり言っていました。そういった気概のある投手が楽天にいるのか…と考えると、やはり不安はありますね」

▲期待がかかる則本昂大


――野手陣は大物助っ人・ユーキリスが加入。四球のギリシャ神といわれていますが?

持木「ひと昔前は助っ人外国人といえば、球審の判定にクレームをつけて怒って退場、というケースが多かったですが最近はそうでもないですね。昨季パ・リーグNo.1の105四球のジョーンズと組んで2人で四球を選びまくるかもしれません」

菊地「昨季の楽天は、やはりジョーンズの存在が大きかったと聞きます。チームメイトにも厳しい意見を言うなど、チームの精神的支柱として活躍していたようです」

キビタ「ボクは野手陣でいうと、銀次が昨季ほど活躍するか心配。かつて首位打者を獲得した角中(ロッテ)のように、それなりの成績は残すでしょうが、昨季のような神懸かり的な成績を残せるか…」

持木「銀次にしても、昨年優勝した経験がどう出るか。今季も上位に食い込めば、地力がついた、といえるでしょう」

高橋「野手陣は何とかなりそうな気配がありますので、投手陣ということになるでしょう。最下位もあるし、上位に来る可能性も持った“振り幅”の大きいチームといえるでしょうね」

――さて、パ・リーグ6球団全ての討論が終わりました。座談会に参加できない多くの『野球太郎』ライターの順位予想をもらっております。それも加味した『週刊野球太郎』としての2014年の順位予想は以下になりました!

ソフトバンク
西武
ロッテ
オリックス
楽天
日本ハム

 長いシーズンを乗り切る上で、必須となってくる先発投手の充実度、その他にも投手を中心にディフェンス力、チームバランス、今年大きく飛躍するかもしれない選手…などなど考えまして、このようになりました。やはりソフトバンクの戦力を見ますと、優勝に一番近いでしょう。

 しかし、下馬評通りにいかない(かもしれない)のが野球の面白さです。シーズン終わった後に、この座談会を読み返してみてはいかがでしょうか。

 パ・リーグだけでも2週に渡るボリューム! 次週からセ・リーグ編をお送りします。お楽しみに!


■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)…会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。"ファン目線を大切に"をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは@suzukiwrite

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