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チーム最年長・石原慶幸の一打で“眠れる王者”が目覚めた? 広島カープの4連覇の行方はどうだ!?

文=井上智博

チーム最年長・石原慶幸の一打で“眠れる王者”が目覚めた? 広島カープの4連覇の行方はどうだ!?
 リーグ3連覇を果たし、今シーズンも本命視されていた広島。しかし、4月21日現在、8勝12敗で5位と苦しい展開を見せている。誰もが予想だにしていなかった王者・広島の失速。4連覇へ向け、苦しい船出となった広島の2019年シーズンの行方を、生粋のカープファンである筆者の目線で考察してみたい。

得点力が大きくダウン。想像よりも大きかった丸の穴


 実に重苦しい展開だ……。4月21日現在、広島は8勝12敗で5位と低迷している。

 低迷の理由は様々あるが、特に深刻なのは打線だ。チーム打率はリーグワーストの.224。得点も同じくワーストの70と、3連覇を果たした強力打線がまさかの沈黙。その理由はもちろん、昨シーズンMVPである丸佳浩のFA移籍に尽きるだろう。ポイントゲッターだった丸が移籍した時点で、ある程度の打撃力の低下は覚悟できていたが、ここまでの低迷は予想外だった。

 その得点力不足を印象づけるのが、チームの出塁率の低下だ。昨シーズンの広島の出塁率.349はリーグトップ。また、四球数の599もトップの数字だった。一方、今シーズンはここまで出塁数、四死球数ともに大きく数字を下げている。その原因が昨シーズン、リーグ1位の出塁率.468、四球130の成績を残した丸が移籍によるものであることは一目瞭然だ。

 それに加え今シーズンは、2017年にリーグ1位の出塁率.395を記録した不動のリードオフマン・田中広輔が苦しんでいる。田中の不振で攻撃の起点が作れていないことで、得点力の低下は“ある程度”で収まらず、リーグワーストにまで落ち込んでしまった。

 昨シーズンまでは、田中、丸と選球眼のいい選手が打席で粘りを見せ、打てないときでも四球をもぎ取るなど、相手投手に球数を投げさせた。これがボディブローのようなダメージを与え、試合後半での大逆転勝利を数多く呼び込んだのだ(直近3シーズンでいずれも逆転勝利は40勝以上を数える)。

 しかし、今シーズンはここまで、逆転勝ちがわずか3回。この事実が丸の不在、田中の不振によるチームの低迷を強く物語る。

 また、ここまでの失策数はリーグワーストの22個。昨シーズンは失策以上に失点を防ぐ好守の方が目立っていた印象が強い。それに対して今シーズンは失策から致命的な失点を呼び込んでいる。

 守備もストロングポイントであった広島野球の綻びもまた低迷の大きな要因だろう。田中の復調はもちろんだが、まずは丸不在のマイナスイメージを脱却することが浮上のきっかけになると考える。

“決め手を欠くライバル”が追い風となるか?


 苦戦の続く広島にとって、ライバル球団たちも決め手を欠いている現状はプラスととれる。4連覇を目指すにあたってライバルのなかで注視したいのが、前年の上位チームでもある巨人とヤクルトだ。

 巨人は大型補強もさることながら、4月14日の敗戦翌日に4月としては異例の5選手を2軍に降格、4選手を同時に昇格するなど、原辰徳監督の采配も驚異と感じる。若手にも主力にも例外なく厳しい姿勢で臨むスタイルはチームに緊張感を生む。その緊張感が競った場面で生きてきそうだ。

 一方、ヤクルトは山田哲人、バレンティンを中心としたリーグ屈指の強力打線が今シーズンも健在。さらに今年のヤクルトには優勝への機運の高まりを感じずにはいられないトピックスがある。

 昨シーズンはメジャーリーグから青木宣親が復帰。今シーズンはソフトバンクから五十嵐亮太が復帰した。かつての主力が復活することでチーム、ファンが盛り上がる様は、タイプは違えども黒田博樹が復帰して優勝まで突き進んだ広島のそれとダブる。

 例年悩まされているケガ人さえ少なければ、ヤクルトが突っ走る可能性も考えられる。

ベテランの一打で眠れる王者がついに目覚めた!


 苦戦が続くなか、広島は4月17日の巨人戦での逆転勝利をきっかけに浮上のきっかけをつかんだ感がある。

 この試合、9回に2点差をひっくり返し、今季初めて広島らしい逆転勝利を飾った。その日殊勲打を放ったのはチーム最年長の石原慶幸だ。低迷が続く暗黒時代から長らく広島の本塁を守り続けた39歳のベテラン捕手が放った「奇跡」の一打は、チームを勢いづけるに余りあるものだった。

 この勝利をきっかけに、続くDeNA戦は今シーズン初の同一カード3連勝を飾り、最下位を脱出。鳴りを潜めていた強力打線も、3試合で合計18得点をあげて“強い広島”の復活を予感させた。

 さらに、この上昇ムードをさらに加速させるには長距離砲の存在がうってつけ。その長距離砲に期待したいのが、4月21日に今シーズン初本塁打を放ったバティスタだ。長らく不振に苦しんでいたバティスタがこの1発で目覚めれば、チームはますます波に乗るはずだ。

 投手陣に目を向ければ、床田寛樹、大瀬良大地、野村祐輔が安定した働きを見せている。彼らに加え、不振のジョンソンが復活し、先発に回ることが予想されるアドゥワ誠が続けば大型連勝も有り得るだろう。

 開幕5カード連続で負け越したチームの優勝確率は0%という不吉なデータも存在するが、飛び抜けたチームのいない現状なら、まだまだ挽回の余地はある。鯉のぼりの季節を前に、眠りから覚めた王者がリーグ4連覇に向けて走り出す!

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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