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プロ9年目でついに覚醒!放物線を描くアーティスト福田永将(中日)の高校時代に迫る/file#031

 昨季までプロ8年間で通算4本塁打の男が、今季(5月10日現在)はすでに5本塁打。そのいずれもが打った瞬間にホームランとわかる美しい放物線だ。「福田永将(のぶまさ)」の名は一躍全国区となった。

 福田は2006年の高校生ドラフト3巡目で中日ドラゴンズに入団。2006年ということは、田中将大(現ヤンキース)世代である。中学時代は緑中央シニアで全国制覇を果たし、シニア日本代表の4番も務めた。実績だけ見れば、このときは世代のトップを走っていたといっていいだろう。

☆高校時代はライナー性の打球をスタンドに突き刺す!

 横浜高では1年春からベンチ入り。2学年上には涌井秀章(現ロッテ)や石川雄洋(現DeNA)がいたなかで、1年夏にはレギュラーを獲得。夏の甲子園にも出場している。

 このとき、レギュラーを争っていたのが3年生の村田浩明(現白山高監督)だ。「入ってきた時から、飛ばす力に関しては長けていました。ただ、配球面はまだまだ。プロでファーストに専念するようになったことが、バッティングにもいい影響を与えたのではないしょうか」と現在の活躍を分析する。


 個人的に、福田のバッティングで思い出すのは、ノーシードで臨んだ2年夏の4回戦、慶應義塾高との一戦だ。0−2で迎えた9回表1死から、大和引地台球場(現大和スタジアム)のレフトスタンドへ弾丸ライナーのホームラン。それまで中林伸陽(現JFE東日本)の緩急に翻弄されていた四番・福田が、意地を見せた一打だった。

 どちらかというと、福田のホームランはライナー性の当たりが多かったように記憶している。今のように低めに対して右肩を下げて、打球に角度をつけるようなスイング軌道ではなかった。

気は優しくて力持ちな主将でセンバツ優勝

 翌年春にはキャプテンとしてチームを引っ張り、センバツ制覇。「打つことが好きな選手ばかりが揃った個性的な代。小技の練習よりも打つことに時間を割いてきた」と渡辺元智監督が話すほど、打を全面に押し出したチームだった。準々決勝以降はすべて2ケタ得点で快勝した。

 ただ、福田は満足のいく結果を残せなかった。初戦と2回戦では4番に座るも、計6打数1安打。準々決勝からは6番に降格した。結局5試合で21打数6安打と、強烈なインパクトを残すまでにはいたらなかった。

 なお、このときの横浜高は決勝戦のメンバーで見ると、三番・高濱卓也(現ロッテ)、四番・下水流昂(現広島)、五番・佐藤賢治(現日本ハム)、六番・福田と、じつに4人がプロ入りを果たしている。


 夏は神奈川を制して甲子園に出場するも、初戦で当時2年生だった中田翔(現日本ハム)が4番に座る大阪桐蔭に6−11で打ち負けた。福田は4番で出場するも、5打数無安打。ランナーを置いた場面で3度回ってきたが、5回には6−4−3のゲッツー。1本でもタイムリーが出ていたら、形勢は変わっていたかもしれない。

 春夏の甲子園のイメージが強いからか、大舞台で活躍した記憶があまりない。キャプテンとして個性的な集団をまとめることに苦心して、「個」を存分に発揮する状態にまでいたっていなかったように感じる。チームを代表して、首脳陣から雷が落ちることもあった。いわゆる、怒られ役である。

 先輩・村田曰く「真面目で優しいやつ」。

 今季、プロ入り9年目での素質開花。昨秋のキャンプから取り組み始めた新打法を信じ、今の打撃スタイルを貫いてほしい。覚悟を決めたフルスイングにこそ、成長の証を感じ取ることができる。



■ライター・プロフィール
大利実(おおとし・みのる)/1977年生まれ、神奈川県出身。現場指導者からの信頼も厚い野球ライター。『メルマガでしか読めない中学野球』(http://www.mag2.com/m/0001566390.html)にて中学野球情報を配信中。高校野球では、神奈川を精力的に取材し、監督にスポットライトを当てた『高校野球 神奈川を戦う監督たち「神奈川の覇権を奪え!」』(日刊スポーツ出版社)の1、2を刊行している。

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