5月3日の日本ハム戦。ロッテは9回裏に守護神の益田直也が打ち込まれサヨナラ負け。ついにリーグ最下位となってしまった。
昨季の日本一チームである日本ハムの不振がクローズアップされることが多かった。しかし、その陰で、上向かないチーム状態に苦慮していたのがロッテだった。
その最大要因が貧打だ。野手陣の打率を見てみると、今季からキャプテンに就任した鈴木大地が開幕から唯一3割台をキープと孤軍奮闘しているが、そのほかの打者はよくて2割台前半。スタメンの半分が1割台という試合もある低迷ぶり。
4月半ばまでは3割を打ち、健闘していた“アジャ”こと井上晴哉も、5月3日終了時点で.227まで落ち込んでいる。
ほとんどの選手が低打率にあえぐ状況にあっては、そのトータルの数値であるチーム打率も当然ながら低迷。なんと2割を切る.183となっている。
1950年に2リーグ制になって以降、最低のチーム打率を記録したのは1962年の国鉄スワローズ(.201)。それでも、かろうじて2割台には乗せている。しかし今季のロッテは、その数字をも更新する可能性がちらつき始めているのだ。
ちなみに、ロッテとしての過去最低チーム打率は、東京オリオンズ時代(1965年)の.232だった。今季の数字よりは5分近く上回っていた。
最下位陥落を受けて、今後は若手を多く起用していくことを示唆した伊東勤監督。ただ、この戦略が実を結ぶかどうかはなんとも言えない。有望な若手がいるなら、すでに起用しているはずだからだ。それでも、この非常事態で手をこまねいているわけにはいかない。
現役時代は西武の黄金時代の中核メンバーとして活躍。監督としても、西武とロッテでの8年間でAクラスが6回、最下位は1度もない名将が、打線を、そしてチームをどう立て直すのか。
まだまだペナントレースは長い。ロッテナインの奮起、そして伊東監督の采配に注目だ。
(成績は5月4日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)