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最下位ロッテに差すふたつの光。佐々木千隼と酒居知史の奮闘で来季こそ浮上を!

最下位ロッテに差すふたつの光。佐々木千隼と酒居知史の奮闘で来季こそ浮上を!

 ロッテが球団ワーストの敗戦数を記録して最下位でシーズンを終えた。これまでの最多敗戦数は85敗。1963年の「毎日大映オリオンズ」時代のことだ。あの頃は年間150試合でペナントレースが行われていたため、143試合で87敗の今季のほうが、結果はより悪いということになる。

 ただ、来季へ向けて、チームに光がなかったわけではない。その光となったのは昨秋のドラフト1位の佐々木千隼、2位の酒居知史の2人だ。

2軍落ちを経て成長したドラ1佐々木


 佐々木は、プロデビューとなった4月6日の日本ハム戦こそ5回1失点で勝ち投手になったものの、その後は不安定な投球ばかり。ルーキーが先発ローテーションに入って投げていたことは一定の評価ができるが、7月5日までの11試合で2勝7敗、防御率5.61。あえなく2軍落ちとなってしまう。

 広背筋を痛めたこともあり、2軍ではじっくりと投球フォームから見直す。それが功を奏したか、約2カ月ぶりの1軍マウンドとなった9月13日の日本ハム戦では9回を1失点に抑え、自身初の完投勝利をマーク。それも含めて復帰後は先発3試合、リリーフ1試合に登板し、26イニングでわずか自責点3、防御率1.04、先発で2勝と見違えるピッチングを披露した。

 好投の要因のひとつは、球速をやや抑えて、コントロールを重視することで不用意な四球が減ったこと。この経験を糧にできれば、来季以降、秘めたるポテンシャルがさらに開花する可能性は十分だ。

ドラ2酒居も先発転向後は好投


 シーズン序盤はリリーフ起用だった酒居も、5月に2軍落ち。その間、イースタンで13試合に登板し修行を積み、再昇格を果たした8月以降は先発として9試合に起用され5勝1敗、防御率2.86と、ひと回り成長した姿を見せた。

 9試合のうち、100球に満たずにマウンドを降りたのは1度だけ。6試合で110球以上投げていて、5勝のうちの2つは完投で挙げたもの。体力も十分にある。

 ストレートは140キロ台後半で、そこにスライダー、カーブを織り交ぜ、決め球はフォーク。強いチーム、好打者ほど燃えるという強心臓タイプだけに、来季、巻き返しを誓うチームにとってはもってこいのメンタルを備えた投手と言える。


今季後半の成績を来季も


 シーズン序盤から最下位をひた走り、貧打がクローズアップされることが多かったロッテだが、チーム防御率はリーグ唯一の4点台と、投壊状態にも陥っていた。その中で先発ローテーションを守った涌井秀章はFA権を行使して移籍が濃厚と伝えられている。それだけに、しっかりとした先発の柱が必要不可欠だ。

 来季が2年目となる、佐々木と酒居が、今季後半のような内容で年間を通してローテーションを務めることが、ロッテ浮上のカギになる。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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