佐々木朗希(大船渡)

「160キロ」の大台も夢ではない大器。花巻東時代の大谷翔平（エンゼルス）に匹敵するほどの素材で、近い将来に球界を背負って立つだろう。球速表示に見合った150キロ台のストレートに加え、変化球のキレも一級品。

奥川恭伸(星稜)

世代屈指の実力者。中学時代には軟式で全国制覇を経験した。昨秋の神宮大会ではチームを準優勝に導く。最速150キロに達する球速を無理なく叩き出し、タテ横の変化球のキレも尋常ではない。横浜高時代の松坂大輔（中日）と比較しても、引けを取らない実力だ。

石川昂弥(東邦)

強打好守の三塁手。新チームでは投手も兼任し、神宮大会では背番号1を背負った。しかし、その将来性は「大型サード」。懐の深い構えからボールを呼び込み、高校通算37本塁打の長打力を誇る。バットの芯でとらえられる確率が上がれば、右の強打者として高く評価されそうだ。

西純矢(創志学園)

熱さとクールさを兼ね備えた実戦派。2年夏の甲子園では投げるたびにマウンドで雄叫びをあげることが話題になった。そんな気合満点のマウンドさばきの一方で、内角を厳しく突いたり、ボールゾーンに逃げる変化球を振らせたり、冷静な投球術も。キレのいい快速球で空振りを誘い、タテのスライダーで三振の山を築く。

森敬斗(桐蔭学園)

強肩強打かつ俊足のアスリート型。2年夏の北神奈川大会では打率5割以上を残した。秋の関東大会ではサヨナラ満塁弾含む3本塁打を放ち、対応力だけでなくパンチ力があるところも示した。神宮大会ではミスを連発してしまったが、元来は堅実な守備で信頼度も高い。

森下暢仁(明治大)

ついに覚醒した大学生No.1投手。中学時代に全中に出場し、大分商高時代も投打に溢れるセンスを見せていた。高卒ドラ1の可能性もあったが、明治大に進学すると、2年春には主戦格となる。安定した成績は残し、投じる1球1球は悪くない、ただ、勝ち切れない試合が少なくなく、圧倒的な雰囲気はなかった。一変したのが4年春。平均球速が140後半に上がっただけでなく、特に開幕戦の立教大戦で負けてから、1試合の中で気が緩む瞬間がなくなり、最後まで質の高い投球を押し通せるように。持ち前のセンス、柔らかく使えるヒジ、フォームのよさなど肉体面と精神面が見事に調和し、名実ともにエースとなった。

海野隆司(東海大)

軽快なフットワークが売り。ワンバウンドでも瞬時に対応するなど、小柄さを生かした動きのよさが際立つ。テンポのいいリードを心がける点も評価されている。状況に応じた打撃を見せ、3年春は首都大学リーグの首位打者に。侍ジャパン大学代表にも選出され、経験と実績も十分。

佐藤都志也(東洋大)

身体能力に優れた強肩強打型。しっかり周りに指示が出せ、強い統率力も持っている。2年春のリーグ戦では一塁手のレギュラーとして首位打者を獲得したが、3年から本職の捕手での出場になっても、上位の打撃成績を残している。侍ジャパン大学代表でも中軸を任せられ、右翼手で出場するほどの打力だ。

吉田大喜(日本体育大)

ストレート、スプリット、カーブ、スライダーと、複数の球種で勝負ができる実践型右腕。ひとつ上の先輩・松本航(西武)の考え方やフォームを参考にし、一歩ずつ着実に成長を遂げてきた。足を上げてから体重移動に移るまでの流れは、特によく似ている。理論理屈がしっかりとあり、客観的に自分の投球を解説できる分析力を持っている。1年間戦い続ける体力面にはまだ不安が残る。

河野竜生(JFE西日本)

タイミングの外し方が面白い。143キロのストレートと130キロちょっとの落ちるツーシームをセットにして、127キロのスライダーでタイミングをずらす。速い球に目が慣れた打者が、スライダーにつんのめる姿はちょっと新鮮。さらに90キロのスローカーブも混ぜてくる。

立野和明(東海理化)

左打者の懐にひたすら強い球を投げるだけだった若者が、右打者の懐にもベストボールが放れるようになった。立ち上がりは全力の149キロでストレートを印象づけ、2巡目からはセーブしながら、勝負所でまたギアを上げる。序盤にスプリットを隠しておき、終盤の代打にはスプリット連投で三球三振を奪うなど、起承転結がつけられる。

太田龍(JR東日本)

高校時代から評判だった大器。大きな体を使い切って、右の外へ強い球を集める。149キロが出て、真っスラ成分が多いから、非常に手の焼ける球筋。昨年の都市対抗予選で本格化し、二大大会でもマウンドを踏んだ。今年の課題は先発完投。ワンバウンドになりがちなチェンジアップを使いこなせたら、いよいよ本物に。