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大阪桐蔭と履正社、明徳義塾と高知…。それだけじゃない各地の“私たちだけの伝統の一戦”を聞いてみた

 もういくつ寝ると7月となり、週末には東西の東京や大分、鹿児島大会が開幕します。否が応でも心が踊り出す季節になりますね。

 そんな踊り出す気持ちを、さらに加速させる対戦カードが各地にあります。全国的に有名なものもあれば、盛り上がりは全国大会クラスになる地域特有の“伝統の一戦”も。そんな試合を全国から紹介していきます。

“大阪2強”8回目の対戦なるか!


 大阪桐蔭vs.履正社の一戦が、チームや選手個々の実力、これまで積み上げてきた歴史などを踏まえると、今年の地方大会において、最高峰の戦いになるでしょうか。現3年生は、入学以来すでに公式戦で7回も対戦しています。これまで甲子園出場に絡む大会でことごとく負けてきた履正社が、最後のチャンスで甲子園への切符がつかめるのか? 昨夏は初戦で対戦し、空前絶後の客入りとなりました。今夏はどこで、この対戦が実現するのか、楽しみですね。

 ちなみに、大阪大会の決勝戦が予定されている7月30日は、履正社のエースで、ドラフト1位候補の一人として挙げられている寺島成輝の誕生日でもあります。(このあたりの話は発売中の『野球太郎No.019』に特集記事が組まれています!)

▲左が寺島成輝(履正社)、右が高山優希(大阪桐蔭)。中学時代から投げ合うこともあった両校のエース

 他にも火花をバチバチ散らすライバル関係の高校は多い中、6年連続で夏の決勝を戦うか? と注目されるのは明徳義塾vs.高知。これまでは5年連続で明徳義塾が勝っていますが、すべて1点差ゲーム。さて、今年はどうなるのか? はたまた決勝戦を前に刺客があらわれるのか……。結果をお楽しみに。

各地方の“伝統の一戦”


 また、オールドファンが多い伝統校同士や古くから関係性が深い高校同士の対戦は、まさに“私たちだけの伝統の一戦”といった独特の熱気を帯びます。そんな“私たちだけの伝統の一戦”を北海道から順番にご当地ライターに紹介してもらいました。

「十勝支部の帯広柏葉vs.帯広三条ですね。前身が旧制中学(帯広柏葉)と高等女学校(帯広三条)であり、学制改革を経て、男女共学となる際には互いの生徒を交換したこともある逸話は聞いたことがあります。現在でも交流があり、『三柏(さんぱく)戦』という定期戦を行っています。甲子園への出場は1回ですが、中島みゆきさん、吉田美和さん(DREAMS COME TRUE)、安住紳一郎さん(TBSアナウンサー)ら著名人を輩出する帯広柏葉。一方の帯広三条は地元代議士、公務員、教員らが多く、甲子園には5度出場。それぞれの特色がありながらも、負けたくない、というライバル心は強いですね。……といいながらも、帯広柏葉の森川孝広監督の息子さん(森川快刀)は帯広三条に入学して、投げ勝つこともありました」(『北の球児たち』編集者・長壁明さん)

「宮城ですと仙台一高・二高定期戦は人気がありますね。あと、仙台育英と東北はライバル校でありながら、夏の大会でベンチを外れた3年生同士が公式戦のユニホームを着て試合をする『送別試合』も行っています」(宮城在住ライター・高橋昌江さん)

「石川では金沢vs.星稜が“城下町の早慶戦”と言われ、両校のファンは多いです。近年は遊学館の台頭で3強状態になり、ブルー(金沢)、イエロー(星稜)、シャンパンゴールド(遊学館)のユニホームが切磋琢磨しています。そこに夏の大会で2年連続逆転サヨナラ劇を互いに演じた星稜と小松大谷の新たな関係性が生まれてきそうです。星稜・林和成監督、小松大谷・西野貴裕監督は、それぞれ母校のOB監督で同年齢。高校生時代には1年夏の決勝戦で対戦しています。そして、現在は監督として戦い続けるという“因縁”は、今後、見ものになってくるはずです」(石川在住ライター・森田公博さん)

「韮山、静岡高、静岡商、島田商、掛川西、浜松商といった古豪の人気は根強いです。練習試合からネット裏がいっぱいになるほどのオールドファンが詰めかけますね。中でも、静岡高vs.静岡商の定期戦が最も人気のあるカードでしょうか。“静岡の早慶戦”と称されていて、昭和5年に天覧試合として開催されるなど歴史があります。両チームとも、ブラバンつきの応援で、まさしく公式戦モードです。定期戦といえば、焼津中央vs.焼津水産も盛り上がります。港町だけに、応援が荒々しく、魚河岸シャツを着たファンの声援が凄いです。通算成績も焼津中央の28勝24敗と白熱しています」(『静岡高校野球』編集者・栗山司さん)

「伝統の対決というと、九州学院vs.熊本工でしょう。この対戦が近づくと、九州学院の坂井宏安監督は、『盛り上がりますからね』といつも口にするほど。藤崎台球場のお客さんの入りは特に多いです」(熊本在住ライター・アストロさん)

 熊本地震で一部が破損したものの、藤崎台県営野球場が使用可能となり、熊本大会は7月10日に開幕することが正式に発表されました。そんな熊本大会を含め、今年の夏は、どんなドラマが生まれるのでしょうか。多くの人の心に残るような試合を楽しみに、選手のみなさんには悔いなく、納得する夏を過ごせることを願っております!


構成=野球太郎編集部

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