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長打率の計算法は? 認識を間違えやすい “野球記録三大勘違い”



 データの重要度が高まっている野球界。以前は打率、本塁打、打点など基本的なスタッツのみが語られていたが、近年ではセイバーメトリクスが発展し、さまざまな数値が登場している。

 たとえば、よく語られるのはOPS。「On-base plus slugging」の略で[出塁率+長打率]で算出される。2000年代に入ってから、メジャーで大流行。今では公式記録にも採用されている好打者を示す指標だ。

 そのほかにも多々、新しいスタッツが登場し続けている野球界だが、実は基本的なデータの中に“初心者”が間違えやすいものが存在する。

 今回は、そんな“勘違いしやすい野球記録”3つを厳選した。


@長打率

Q.10打数2安打、安打のすべてが本塁打。この長打率を求めよ

 数あるデータの中で勘違いがもっとも起こりやすいもののひとつが長打率の計算だ。長打率という響きから、“長打を打つ確率”と思っている人も多いのではないだろうか?

「えーと、10打数で本塁打が2本。長打は2本だから10÷2で長打率は.200だ!」

 となってしまいがちだが、これは実は間違い。

 長打率は≪1打数あたり、どれだけの塁打を期待できるか≫を示すもので、計算式は[塁打÷打数]。


 そのため、上記の問題では本塁打2本で塁打は8。8÷10の計算で、長打率は.800となる。10打数10本塁打の場合は長打率4.000だ。

 野球を題材にした某民放ドラマですら、

【長打率】2塁打以上のヒットを打つ確率

 と思いっきり勘違いテロップを出してしまったこともある。

 “率”という響きから、打率のような百分率を想像してしまうのが、勘違いの主な原因だろう。この際、「塁打期待値」に名称を改めたほうがいいのでは……?


A出塁率

 打率の計算は[打数÷安打]。極めてシンプルでわかりやすいが出塁率の計算はやや難しい。

 まずは四死球を含めなければならないので、

[(安打+四死球)÷(打数+四死球)]

 ここまでは安易に想像できるだろう。文章で説明するならば、[出塁数÷出塁できる可能性があった機会数]となる。

 しかし、実際の式は以下の通りだ。

[出塁率=(安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛)]

 バントが「出塁できる可能性があった機会」から除かれるのに対して、犠牲フライは「本塁打にできたじゃん」「外野の間、抜けたじゃん」と言わんばかりのミスショット扱い……。

 そのため、10打数3安打1犠飛の選手は打率.300なのに、出塁率は.273に低下するといった逆転現象も起きる。

 犠飛は犠打と同じく打数に含めないことから、「お仕事感」があるが、出塁率の計算ではしっかりと分母に、ミスとしてカウントされる。


B刺殺と補殺

 これもかなり多い勘違い。先に原因を挙げると、「補」殺を「捕」殺と“空目”してしまうことだ。他にもたとえば、「外野手からの好返球でランナーを刺す」という表現から外野手に刺殺が記録されそうな気がしなくもない。

 刺殺=フライ捕球、送球を受けてベースを踏む、走者へのタッチのいずれかでアウトを取る

 補殺=ゴロを捕球してからの送球、中継プレーなどでアウトを取る

 上記が正しいのだが、認識が逆転しやすい。

 たとえば、ショートゴロで一塁に送球して打者をアウトにした場合、一塁手に刺殺1、遊撃手に補殺1が記録される。

 刺殺は直接アウトを取るプレー。補殺はアウトを“補う”プレーと覚えておけば、簡単に整理できる。その上でこの問題に挑んでほしい。(答えは最下部)

Q.1死一塁でサードゴロ。三塁手が二塁手に送球し、二塁手が一塁手に送球してダブルプレーが成立。このときの各選手の刺殺数&補殺数は?

 実に奥が深い野球記録の世界だが、実は入り口に落とし穴あり……! しかし、このあたりを押さえておけば、“ドヤ顔での記録語り”への近道が見えてくるはずだ。


(答えは三塁手が補殺1、二塁手が刺殺1と補殺1、一塁手が刺殺1)


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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