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《監督のコスパを探る》1勝あたりのお値段を算出。2016年の「お買い得な監督」は誰だった?


 打率や防御率に加え、近年、重要視されているOPSなどのセイバーメトリクスと、様々なスタッツで能力を測れる選手たちに比べ、実力を掴みにくいのが監督。

 監督の評価については、大きく言えば「どれだけ白星を重ねられるか」「チームを優勝に導けるか」ということになるだろう。

 しかし、チームによって戦力事情が違う状況で、「優勝しないからダメ監督」とバッサリ切ってしまうのもナンセンスに思える。

 そこで今回は、監督の目に見える評価数値である「年俸」に着目。2016年の年俸を元に「1勝あたりいくらかかったのか」という1勝あたりの値段を算出することで、監督の能力を検証してみたい。

※谷繁元信中日監督はシーズン途中に休養したため今回は割愛、年俸は推定金額、1勝あたりの値段は四捨五入

断然のコストパフォーマンスを発揮した監督


■栗山英樹監督(日本ハム)
年俸:7000万円
87勝
1勝あたり80万4598円

■緒方孝市監督(広島)
年俸:7000万円
89勝
1勝あたり78万6517円

 チームのお財布に優しい2016年の「最強コスパ監督」は、日本シリーズで対決した栗山監督(日本ハム)と緒方監督(広島)。

 両監督とも、限られた戦力をやりくりしながら90勝近い白星を稼いでくれるのだから、球団としてはありがたい存在に違いない。

 結果を出したことで来季の年俸アップは必至だが、来季も今季同等の結果を望むなら、たとえ1億円払っても惜しくないと思わせてくれる(栗山監督の場合で、今季の勝ち星で換算すると1勝あたり約114万円になる)。


CSボーダー近辺のお買い得監督


■伊東勤監督(ロッテ)
年俸:8000万円
72勝
1勝あたり111万1111円

■ラミレス監督(DeNA)
年俸:7000万円
69勝
1勝あたり101万4493円

■真中満監督(ヤクルト)
年俸:7000万円
64勝
1勝あたり109万3750円

 チームをCSに導く、もしくはCS争いに加わらせた監督で、コスパがいいと感じさせたのは伊東勤監督(ロッテ)、ラミレス監督(DeNA)、真中満監督(ヤクルト)の3名。

 1勝あたりの金額も、2016年の監督のなかでは、まさに「高すぎず安すぎず」、絶妙のあんばいといったところ。

 フロントとしては契約しやすく、監督自身もさほどクビを気にすることなく采配をふるえる「Win-Win」の関係が築けているようだ。

実は過小評価されている監督!?


■田邊徳雄監督(西武)
年俸:5000万円
64勝
1勝あたり78万1250円

■福良淳一監督(オリックス)
年俸:5000万円
57勝
1勝あたり87万7193円

 今季のパ・リーグのBクラス田邊徳雄監督(西武)、福良淳一監督(オリックス)だが、フタを開けてみると1勝あたりのコスパは栗山監督や緒方監督とほぼ同等。

 特に田邊監督に関しては采配を疑問視するファンも多かったが、コスパの側面から見ると、年俸なりの采配はふるえていたことになる。

 ということは、西武もオリックスも監督にもう2000万円積んでいたら優勝争いに加わっていた? そんな可能性も否定できない……。

 このことから、責めの一端はフロントも受け止めるべきだったのかも。


最低限の成績は残せた監督


■工藤公康監督(ソフトバンク)
年俸:1億円
83勝
1勝あたり120万4819円

■高橋由伸監督(巨人)
年俸:1億円
71勝
1勝あたり140万8451円

 ともにシーズン2位で、CSはファイナルステージで敗退という結果に終わったソフトバンクと巨人。

 工藤公康監督(ソフトバンク)と高橋由伸監督(巨人)の1勝あたりのコスパは高めだが、チームの成績はまずまず。監督としての責務は果たしたと思っていいだろう。

 ただ、高橋監督は、広島の緒方監督と比べると1勝あたりのコスパが約2倍。80勝を挙げ、「1勝あたり125万円」にはしておきたかったところだ。

 いずれも金満球団だが、コスパがいいに越したことはないだろう。


「育てながら勝つ」難しさを体現した監督


■梨田昌孝監督(楽天)
年俸:1億円
62勝
1勝あたり161万2903円

■金本知憲監督(阪神)
年俸:1億2000万円
64勝
1勝あたり187万5000円

 ワーストコスパのトップ2となってしまったのは、梨田昌孝監督(楽天)と金本知憲監督(阪神)。

 両監督とも新しいチーム作りの最中ということもあり、勝利だけでなく、「育成」面への期待も込めた年俸になっていると思われるが、それでも「貰い過ぎ」「払い過ぎ」の感もある。

 2016年に蒔いた種を2017年にどれだけ刈り取れるか。もし、勝ち星が伸びなければ、また、2017年シーズン終了後のコスパチェックで「コスパの悪い監督」になってしまう……。


ひいきチームの監督はどう見えた?


 「年俸」を指針にした監督の能力検証、いかがだっただろうか。

 年俸には、チームの懐事情や思惑が含まれるため、必ずしも監督の能力が正当に反映されるものではないが、それでも「1勝あたり」で考えると意外な数字が見えてくる。

 その「1勝あたり」のフィルターを通したときに、自分のひいきの監督はどう映るか。

 ちなみに西武ファンの筆者は田邊監督に対し、「そんなに責任を背負って辞めなくても……」という気持ちになった。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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