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助っ人トリオで走者を動かせない!? 首位攻防3連戦で見えた楽天に足りないものとは?

助っ人トリオで走者を動かせない!? 首位攻防3連戦で見えた楽天に足りないものとは?

 まさに激闘だった。楽天が0.5ゲーム差をつけて迎えた6月30日から7月2日にかけての楽天対ソフトバンクの3連戦。この首位攻防戦は3戦ともすべて緊迫した1点差での決着となり、ゲームセットの声を聞くまで勝敗の行方がわからない「がっぷり四つ」の名勝負となった。

 接戦の末、楽天は1勝2敗で負け越し、対ソフトバンクの成績は6勝5敗に。試合数の関係で勝率はソフトバンクの.645を上まわる.657で1位を守ったが、ゲーム差では遂に抜かれてマイナス0.5ゲーム差となった。

 互いの強さを認め合ったこの3日間は、楽天が4年ぶりの優勝をつかむために「解決しなければならない課題」を、あらためて浮き彫りにした3日間となった。

明暗分かれた盗塁成績、差が出た牽制球の数


 その課題の1つが盗塁だ。この3連戦、両軍の盗塁は明暗が分かれた。ソフトバンクは単独スチール、重盗、ランエンドヒットなど8企図5盗塁とよく走ったのに対し、楽天はわずか2企図1盗塁。

 両軍投手陣の牽制球でも差が開いた。楽天投手陣は25球、ソフトバンク投手陣は16球。特に初戦、楽天投手陣は打者に181球を投じたが、一塁走者にも18球の牽制球を投じるハメになった。

 出塁を許すと足で揺さぶられるという印象を鮮烈に植えつけられ、楽天の投手たちは走者のケアに追われ、打者との対決に専念しづらい状況を余儀なくされた。

 一方、パリーグ4位・19盗塁の楽天はこの3連戦に限らず、相手にイヤな印象を残せていない。

外国人打者のとき、楽天のランナーはほぼほぼ動かない


 筆者がずっと気になっている点がある。外国人打者が打席にいるとき、楽天の盗塁を試みたケースがたったの一度しかないのだ。

 その1回もこの3連戦にようやく記録された。それも、バンデンハークの投球がワンバウンドになり捕手が球を弾いた隙に、一塁走者が二塁を狙ったが送球に刺されてアウトになったもの。投手のモーションやクセを盗んで仕掛けた盗塁ではなかった。


低迷する「走者一塁」での外国人打率


 ウィーラー、ペゲーロ、アマダーと外国人打者3人をスタメンに敷く布陣は、今シーズンの売りの1つである。しかし、同時にこれは諸刃の剣でもあるのだ。

 塁上に走者を置いた場面で彼らを打席に迎えても、楽天の走者はほぼ仕掛けない。この共通認識が相手チームに周知徹底されているのだろう。足で仕掛けられるプレッシャーが相手投手にかからないため、特に「走者一塁」での彼らの打撃成績がすこぶる悪いのだ。

■ウィーラー、ペゲーロ、アマダーの走者一塁での成績
ウィーラー:51打数13安打/3本塁打/打率.255
ペゲーロ:51打数10安打/2本塁打/打率.196
アマダー:46打数4安打/2本塁打/打率.087
3人合計:148打数27安打/7本塁打/打率.182


18.44メートルの対決を有利にするために塁上の揺さぶりは必要


 一発長打を持つ彼らに打撃に専念してもらうため、走者を動かさないのだろう。しかし、この数字をみると、相手投手も走者に気を配る必要がないため、彼らとの勝負に集中できているのがわかる。

 「走るか・走らないか」は結果としても、「相手投手に自分のピッチングを楽々と許している状況」は、今後の優勝争いを考えるとマズい。

 一塁走者がいるときの彼らの成績を上げていくためにも、走者が大きめのリードを取ったり、繰り返し牽制球を誘うなど、もっと塁上での揺さぶりが必要になってくるはず。今後この点がどう改善されるのか、注視したい。

(成績は7月3日現在)


文=柴川友次
NHK大河ドラマ「真田丸」で盛り上がった信州上田に在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえる、楽天押しの野球ブロガー。開幕前から楽天有利、ホークス不利の前半戦日程を指摘、イーグルス躍進の可能性を見抜いた。

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